株式会社外為どっとコムの完全子会社である株式会社外為どっとコム総合研究所(以下、「外為どっとコム総研」、本社:東京都港区、代表取締役社長:竹内 淳)は、個人投資家の外為投資に役立つ外国為替情報の調査・研究を行なっております。今回、FX投資家の実態を調査しましたので、お知らせします。
FX個人投資家、好回転! ただ、今後の収益確保は厳しいかも? 【外為どっとコム総研FX投資家調査2025年1月】
一般社団法人金融先物取引業協会 FX投資家動向まとめ
USD/JPY(米ドル/円)、取引金額は23.2%増加
金融先物取引業協会が2月17日に公表した資料によると、2025年1月の店頭FXにおける取引金額は1292兆円と、昨年12月の1047兆円から約23.4%増加した。主要通貨であるUSD/JPY(米ドル/円)の取引量は約23.2%増加したほか、GBP/JPY(ポンド/円)の取引量が約61.0%増加したことが要因。また、月末時点の未決済ポジション合計は約8.4兆円と前月から4.6%増加した。
取引金額上位の5通貨ペアは、USD/JPY(米ドル/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)・AUD/JPY(豪ドル/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)の順。4位へ後退していたGBP/JPY(ポンド/円)が2位へ浮上した。
図1.取引金額とポジション計
(出所)金融先物取引業協会の「店頭FX月次速報」をもとに、当社が作成
左軸-取引金額、右軸-ポジション計
グラフ中のデータ単位は百万円
株式会社外為どっとコムFX投資家動向2025年1月
個人投資家、4カ月連続で収益確保
FX口座数が59万件近い株式会社外為どっとコム協力の下、2025年1月のFX投資家動向を調査した。
【調査概要】
調査対象:株式会社外為どっとコムのFXサービス「外貨ネクストネオ」利用者(約59万口座)
調査機関:株式会社外為どっとコム総合研究所
調査対象:調査期間中にFXサービス「外貨ネクストネオ」の新規口座開設およびFX取引をした顧客
調査期間:2025年1月2日7:00 ~ 2025年2月1日7:00
調査方法:対象期間中の取引データより抽出
(特定の個人を識別できないよう個人情報を匿名化した上で行っております。)
FX取引における実現損益
FX取引における実現損益でプラスは59.4%、マイナスは40.5%(残りはプラスマイナスがゼロ)と、4カ月連続でプラス収支となった。プラスの割合は1.3%ポイント上昇した。
図2.取引参加者の損益
通貨ペア別取引者数
通貨ペア別取引者数のトップ10は、USD/JPY(米ドル/円)・TRY/JPY(トルコリラ/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・AUD/JPY(豪ドル/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)・MXN/JPY(メキシコペソ/円)・ZAR/JPY (南アフリカランド/円)・NZD/JPY(NZドル/円)・GBP/USD(ポンド/米ドル)の順。
保証金※の低さやスワップポイントの受取額が大きいことが個人投資家の興味を引き、TRY/JPY(トルコリラ/円)を取引する割合が伸びている。各通貨ペアの10Lotあたりの保証金に対する日々の受け取りスワップポイントの割合は、TRY/JPY(トルコリラ/円)が約1.96%、MXN/JPY(メキシコペソ/円)が約0.51%、ZAR/JPY (南アフリカランド/円)は約0.43%となっている(2月17日現在)。
※2月17日現在で、MXN/JPY(メキシコペソ/円)、ZAR/JPY (南アフリカランド/円)の1Lotあたりの保証金が400円に対して、TRY/JPY(トルコリラ/円)は200円。
※現在の取引保証金額はコチラで参照いただけます。
図3.通貨ペア別取引者数
平均取引数量
FX投資家の1注文あたりの平均取引数量は4.7万通貨(47Lot)へ増加。収支の改善に連動して取引量も上昇するなど、個人投資家は回転を利かせながら取引をしている模様。
USD/JPY(米ドル/円)は、1Lotあたり6,300円の必要保証金(2/17時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は約29万6,100円となる。TRY/JPY(トルコリラ/円)は、1Lotあたり200円の必要保証金(2/17時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は9,400円となる。
※現在の取引保証金額はコチラで参照いただけます。
図4.平均取引数量
口座の開設期間
取引をしたFX投資家の口座開設後の期間は、平均114カ月(9年6カ月)と、前月から小幅に縮小。足許では、114カ月程度で横ばいが続いている。
図5.口座開設期間
FX投資の年齢分布
FX投資家の年代別では50代と40代が30.2%でトップ。その後は60代の14.3%、30代の13.3%と続いた。シニア・ミドル世代が取引のメイン層であることに変わりはない。
図6.取引参加者の年齢構成
FX口座開設者動向
新規にFX口座を開設した投資家は、30代が26.4%でトップとなった。その後は、40代が26.2%、20代が19.8%、50代が18.3%と続いた。
図7.口座開設者の年齢構成
まとめ
2025年1月の為替市場は、途中から流れが反転した。序盤は米国の底堅い雇用データを受けて、米国の利下げ見通し後退からUSD(米ドル)高が進行したが、インフレ抑制が示唆された米インフレ指標を受けると、USD(米ドル)高が一服。さらには、1月日銀会合での追加利上げ観測が急速に持ち直す中、米金利低下に伴う株高がUSD(米ドル)を圧迫したことも加わり、USD/JPY(米ドル/円)は153.712円までJPY(円)が強含んだ。ただ、トランプ米大統領の関税策を巡る不透明感が引き続き意識されたため、全体的には各通貨の方向性は今一つ定まらなかった。
こうした中、個人投資家は取引機会を逃さずに回転を利かせながら、短期で収益を確保した様子が窺えた。もっとも、足許ではUSD/JPY(米ドル/円)が下げ幅を広げる中で、ロングポジションが積み上がっているほか、反発期待から買い拾ったTRY/JPY(トルコリラ/円)も底割れが懸念される状況のため、このままのレベルでUSD/JPY(米ドル/円)やTRY/JPY(トルコリラ/円)が推移するようなら、今後、収益確保が厳しくなる可能性はある。
※過去の調査結果は、マネ育ch( https://www.gaitame.com/media/ )よりご参照ください。
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