「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
X(Twitter) : https://twitter.com/gaitamesk_ueha
今日のドル円 テクニカル分析で環境認識(動画の内容 ポイントまとめ)
現在のドル円相場の状況
ドル円相場は今週、力強い上昇を見せています。月曜日から始まった大きな上昇相場は、151円台から153円台まで上値を切り上げました。特に注目すべきは200日移動平均線の突破で、この水準が新たなサポートラインとなっています。
この上昇の背景には、日銀に関する重要な観測報道がありました。消費者物価の上昇に加速感が見られず、海外経済の不確実性が高まっているため、追加利上げを急ぐ状況にないという報道です。これを受けて市場では、来週の日銀会合での利上げ見送り観測が強まり、円売りが加速しました。
FOMCの注目ポイント(12/17-18開催)
来週のFOMCでは、0.25%の利下げがほぼ確実視されています(市場織り込み96%)。しかし、より重要なのは以下の2点です:
1. ドットチャート(政策金利見通し)の更新
- 前回9月時点では2025年に4回の利下げを予想
- 現在の市場予想は2-3回の利下げにとどまる
- FRBメンバーの見方と市場予想の違いが焦点に
2. パウエルFRB議長の記者会見
- 今後の利下げペースに関する発言が注目される
- 2025年の利下げ回数についての見解が重要
日銀会合の見どころ(12/18-19開催)
日銀会合については、政策金利据え置きが優勢です(市場織り込み84%)。注目は植田総裁の記者会見で、特に来年1月の利上げ可能性についての言及が期待されています。
政策変更の有無を判断するための実践的なヒント:
- 11時台までに発表→変更なしの可能性が高い
- 12時を超えての発表→何らかの政策変更の可能性あり
今後の相場見通し
当面のドル円相場は、153円を中心とした底堅い展開が予想されます。技術的にも、週足チャートでは移動平均線が上向きに転換し、RSIも50ラインを超えて上昇トレンドを示しています。
ただし、以下のリスクポイントには注意が必要です:
- 上値156円台→介入警戒感が強まる
- 下値148円割れ→145円までの下落リスクも
まとめ
市場はFOMCの利下げをすでに織り込んでおり、むしろ日銀の動向が相場の重要な変動要因となりそうです。当面は153円を中心とした底堅い展開が予想されますが、日銀の政策変更観測や介入懸念により、上下双方向のリスクに十分な注意が必要です。来週の両中央銀行の会合を通じて、今後の相場動向がより明確になってくるでしょう。
お知らせ
「UsUP(ユーズアップ)リスト」では、FXトレードの考え方などをお伝えしています。無料でダウンロードすることができます。FX口座ログイン後に「マイページ」に入っていただき、会員限定のコンテンツダウンロードページからダウンロードが可能です。ぜひご活用ください。
『最新のドル/円相場を解説』
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
![uehara.jpg](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/g/gaitamesk/20220801/20220801190210.png)
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。