株式会社外為どっとコムの完全子会社である株式会社外為どっとコム総合研究所(以下、「外為どっとコム総研」、本社:東京都港区、代表取締役社長:竹内 淳)は、個人投資家の外為投資に役立つ外国為替情報の調査・研究を行なっております。今回、FX投資家の実態を調査しましたので、お知らせします。
FX個人投資家、3カ月連続で取引額減少! USD/JPY(米ドル/円)の未決済ポジションは増加
一般社団法人金融先物取引業協会 FX投資家動向まとめ
USD/JPY(米ドル/円)、取引金額は17.8%減少
金融先物取引業協会が11月15日に公表した資料によると、2024年10月の店頭FXにおける取引金額は1119兆円と、9月の1338兆円から約17.4%減少した。取引金額は3カ月連続で減少した。USD/JPY(米ドル/円)の取引金額が17.8%減少したことが響いた。
また、月末時点の未決済ポジション合計は8.5兆円と前月から約11.9%増加した。なお、USD/JPY(米ドル/円)の未決済ポジションは売りポジションと買いポジションが各々、13%程度増加した。
取引金額上位の5通貨ペアは、USD/JPY(米ドル/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)・AUD/JPY(豪ドル/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)の順で、GBP/JPY(ポンド/円)が2位へ浮上した。
図1.取引金額とポジション計
(出所)金融先物取引業協会の「店頭FX月次速報」をもとに、当社が作成
左軸-取引金額、右軸-ポジション計
グラフ中のデータ単位は百万円
株式会社外為どっとコムFX投資家動向2024年10月
個人投資家、4カ月ぶりに収益確保
【調査概要】
調査対象:株式会社外為どっとコムのFXサービス「外貨ネクストネオ」利用者(約58万口座)
調査機関:株式会社外為どっとコム総合研究所
調査対象:調査期間中にFXサービス「外貨ネクストネオ」の新規口座開設およびFX取引をした顧客
調査期間:2024年10月1日6:00 ~ 2024年11月1日6:00
調査方法:対象期間中の取引データより抽出
(特定の個人を識別できないよう個人情報を匿名化した上で行っております。)
FX取引における実現損益
FX取引における実現損益でプラスは55.3%、マイナスは44.7%となった。プラスは前月比6.8%ポイント改善し、収益を計上する投資家の割合が多かった。
予想外の0.5%利下げ実施を決定した9月米FOMC(連邦公開市場委員会)を受けJPY(円)高に振れた場面で、JPY(円)を売り直した投資家の収益確保が進展した。
図2.取引参加者の損益
通貨ペア別取引者数
通貨ペア別取引者数のトップ10は、USD/JPY(米ドル/円)・AUD/JPY(豪ドル/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・TRY/JPY(トルコリラ/円)・MXN/JPY(メキシコペソ/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)・NZD/JPY(NZドル/円)・ZAR/JPY (南アフリカランド/円)・GBP/USD(ポンド/米ドル)の順。
MXN/JPY(メキシコペソ/円)は、移民対策や通商政策の強化を掲げる米共和党のトランプ前大統領の返り咲きが警戒される中、MXN(メキシコペソ)がUSD(米ドル)に対して軟調だったことで、取引は盛り上がりを欠いた。
図3.通貨ペア別取引者数
平均取引数量
FX投資家の1注文あたりの平均取引数量は4.0万通貨(40Lot)へ微増。先行きへの不透明感と期待感が交錯する中で、リスクテイクしにくい状況が続いた模様。
USD/JPY(米ドル/円)は、1Lotあたり6,200円の必要保証金(11/15時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は約24万8,000円となる。MXN/JPY(メキシコペソ/円)は、1Lotあたり400円の必要保証金(11/15時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は1万6,000円となる。
※現在の取引保証金額はコチラで参照いただけます。
図4.平均取引数量
口座の開設期間
取引をしたFX投資家の口座開設後の期間は、平均114カ月(9年6カ月)と、前月から横ばい。中長期的にみれば、緩やかな拡大傾向は続いているものの、直近は頭打ち傾向が続いている。
図5.口座開設期間
FX投資の年齢分布
FX投資家の年代別では50代が30.4%と40代が30.3%と拮抗した。そのあとは、60代の14.0%、30代の13.2%と続いた。シニア・ミドル世代が取引中心層であることに変わりはない。
図6.取引参加者の年齢構成
FX口座開設者動向
新規にFX口座を開設した投資家は、30代が27.6%とトップで、40代が23.9%、20代が21.1%、50代が14.6%と続いた。30代と40代で半数を占める状況は続いている。
図7.口座開設者の年齢構成
まとめ
2024年10月の為替市場は、日本の総選挙、米国の大統領選挙、中東の地政学リスクなどで価格変動率が拡大し、方向性が見極めづらかったため取引は控え目だった。金融先物取引業協会のデータにおいて、USD/JPY(米ドル/円)の売りポジションと買いポジションが各々、13%程度増加したことも投資家の目線が定まらなかったことへの論拠と言えよう。こうした環境下で中長期でのポジション構築もしづらかった模様で、取引は短期売買が中心だったものと、考えられる。ただし、未決済ポジションの増加から、11月以降の相場展開次第ではこれらポジションの利益確定の取引が取引額の増加に寄与する期待はある。
※過去の調査結果は、マネ育ch( https://www.gaitame.com/media/ )よりご参照ください。
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