シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修：株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットロング大幅に減少
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットロング減少】
10月1日時点で円のポジションは、ドルに対して約5.7万枚の買い越し（ネットロング）。
ロングが取り崩されたことから、ネットロングは前週から約0.9万枚減少。
期間中のドル/円相場は、自民党総裁選を巡る期待と失望から、146円台半ばから141円台半ばのレンジで乱高下。他方で、パウエル米連邦準備制度理事会（FRB）議長が利下げを急がない考えを改めて示したことがドル買いにつながったため、終わってみれば143円台でほぼ横ばいだった。
石破新首相が早期の解散総選挙を表明するなど日本の政局先行きが不透明なこと、米9月雇用統計を控え11月の米連邦公開市場委員会（FOMC）での大幅利下げ期待が後退したことなどにより、投機筋は円ロングポジションの調整を優先したようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング大幅に減少】
10月1日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約5.5万枚の買い越し（ネットロング）。
ロングが取り崩され、ショートが積み増されたことで、ネットロングは前週から約1.6万枚減少。
期間中のユーロ/ドル相場は、フランスやドイツ、ユーロ圏の消費者物価指数がインフレの伸びの鈍化を示したほか、ラガルド欧州中銀（ECB）総裁が10月のECB理事会での追加利下げを示唆したことから1.10ドル台半ばまで下落した。パウエルFRB議長の発言を機に行き過ぎた大幅利下げの織り込みに修正が入り、ドルが上昇したこともユーロの重しとなった。
ユーロ圏、米国の利下げ幅やペースについて市場予想が見直され、投機筋はユーロ先高観の修正に動きつつあるようだ。
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ＩＭＭポジション
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員中村 勉（なかむら・つとむ）
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー（株）へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から（株）外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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