自民党総裁選結果と市場への影響：石破新総裁の政策方針は 【外為マーケットビュー】
動画配信期間：2024/9/27～2024/10/11
外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。
動画の内容 抜粋・まとめ
自民党総裁選の結果と市場の反応
自民党総裁選挙の結果が発表され、石破氏が新総裁に選出されました。第1回目の投票では高市氏がリードし、議員票と党員票ともに石破氏を上回る結果となったため、一時は高市新総裁誕生の可能性も浮上し、市場が沸き立ちました。日経平均は39,000円後半まで上昇し、ドル円相場も146.50円まで上昇しました。しかし、最終的に石破氏が新総裁に選出されることとなりました。
石破氏の政策は反アベノミクスと言われています。日銀の政策に関しては、金利を上げる方向を促す立場であり、過剰な円安や株高に頼る経済政策は取らない方針です。また、現在20%の金融所得課税が変更される可能性も懸念されています。
しかし、日本経済の現状を考えると、急激な増税や金融所得課税の大幅な引き上げは現実的ではないと考えられます。金融所得課税が引き上げられるとしても、数パーセント程度の上昇にとどまる可能性が高いでしょう。
ドル円への影響
ドル円相場は一時146.50円まで急騰しましたが、その後142.80円付近まで急落しました。約3円70銭の大幅な下落となりました。目先の戻りのめどは144.20円から144.65円付近と見られます。
石破氏の政策方針は、どちらかというと円高になりやすい傾向がありますが、新内閣の布陣によっては方針が変わる可能性もあります。
石破新内閣の布陣や、どのグループが石破氏を支持したかによって、今後の政策の方向性が変わる可能性があります。極端な円安やインフレを利用した株高誘導型の経済政策は取られにくくなると予想されます。
しかし、物価から賃金への好循環を目指す基本方針は変わらないと考えられます。日銀の植田総裁もデフレ回避の重要性を強調しており、急激な金利上昇は想定しにくい状況です。
急落後のドル円相場ですが、142円台は買いを検討してもよいレベルかもしれません。
焦点は米経済指標へ
今後はアメリカ側の経済指標に焦点が移ると予想されます。特に来週の雇用統計は重要となるでしょう。
FRBの金融政策スタンスも注目点となります。11月の利下げ幅が0.5%になるのか、それとも0.25%ずつの緩やかな利下げになるのかが焦点となります。
今後の市場展望
石破新総裁の下では、極端な円安を求める政策は取られにくくなりますが、急激な円高も想定しにくい状況です。140円から146円程度のレンジ相場に戻る可能性が高いと考えられます。
欧州通貨やゴールドの動向も注視する必要があります。また、石破新内閣の組閣、特に財務大臣や官房長官の人選、副総裁の可能性なども今後の重要な注目点となるでしょう。
動画目次
0:00 今回のダイジェスト
0:50 自民党総裁選の結果と市場の反応
2:31 ドル円への影響と展望
5:12 焦点は米経済指標へ
6:12 今後の市場展望
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外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。
志摩力男 氏慶應義塾経済学部卒。1988年ー1995年ゴールドマン・サックス、2006－2008年ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任、その後香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立した後も、世界各地の有力トレーダーと交流があり、現在も現役トレーダーとして活躍。
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