このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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「政治の秋」がスタート 不透明感がペソの重しに
9月に入ったことで、メキシコでは6月の選挙で当選した議員らによって新議会が発足する。市場の懸案は、9月末に退任するロペスオブラドール大統領の司法制度改革案を新議会が承認し、成立するかどうかだ。同案には最高裁を含む判事の公選制が盛り込まれており、米国が強い反対の意を表明している。米国の駐メキシコ大使は、最高裁判事を議会による承認ではなく選挙で選ぶとなれば政権に近い人物が選ばれやすくなることから「民主主義の大きなリスクになる」と批判した。これに対してロペスオブラドール氏はこの発言を内政干渉だとして反発。米国大使館との関係を「一時停止している」と表明した。9月のメキシコ新議会、10月のシェインバウム新大統領の就任、11月の米大統領選(トランプ氏の勝利はメキシコへの逆風になるとの見方が多い)と、政治を巡る不透明感がメキシコペソの重しとなる時間帯が続きそうだ。
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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