シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショート大幅減少】
8月6日時点で円のポジションは、ドルに対して約1.1万枚の売り越し(ネットショート)。
ロングがごくわずかな増加にとどまった一方で、ショートが大幅に取り崩されたことから、ネットショートは前週から約6.2万枚減少した。
期間中のドル/円相場は153円台後半から一時141円台前半まで急落。日銀が政策金利を0.25%へ引き上げた上で追加利上げを示唆。また米7月雇用統計が市場予想を下回ったことで、米国の大幅利下げ観測が浮上した。
こうしたパニック的なドル売り・円買いの大部分が投機筋による円ショートポジションの解消であることを物語る結果となった。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング増加】
8月6日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約3.4万枚の買い越し(ネットロング)。
ショートが取り崩されたことで、ネットロングは前週から約1.6万枚増加した。
期間中のユーロ/ドルは、米国の景気悪化懸念が急速に意識されたことで一時、年初以来となる1.10ドル台まで上昇した。
市場は米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に合計で100bp(1.00%ポイント)の利下げを行うとの見方を強めた一方で、欧州中銀(ECB)については、年内の利下げは多くても75bpとの見方を維持。そうした中で、投機筋はユーロショートのポジション解消を急いだと見られる。
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IMMポジション
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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