個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。
作成日時:2024年5月22日14時
執筆:CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー
米国中心に経済指標が軒並み市場予想を下回りつつあります。
今月発表された雇用統計をはじめ、ISM製造業景況指数、ISM非製造業景況指数、新規失業者保険申請件数、小売、NY連銀製造業景気指数、フィラデルフィア連銀製造業景気指数、鉱工業生産、などなど、明らかに経済指標が下回っており、低迷傾向です。
今夜は中古住宅販売件数、明日はPMIが発表されます。
ようやく強かった米国経済に少しずつブレーキがかかってきているように感じます。
特に明日のPMIも市場予想を下回るような結果になると、ドル売りへさらに傾き始めるでしょう。
さらなる利下げ理論が活発化し、インフレ率低迷期待でドルが売られ、株が買われ、ソフトランディング色が強まりそうです。
ドル/円、経済指標悪化継続のシナリオ
出所:TradingView
ドル/円1時間足です。
強かった上昇トレンドも並行チャネルレンジ入りし、そして中央線を越えられずに推移しております。 上昇トレンドの後半戦に入っているように感じられます。
下限ラインを抜けてきた場合、矢印のような値動きを予想します。
まずは今夜の中古住宅指標をきっかけにレンジブレイクと予想し、明日の経済指標でさらに下落をイメージしております。
基本的には経済指標悪化のシナリオ前提で描いておりますが、週末にかけて155円台前半に向かって切り下げをイメージ中です。
ドル/円、日足トレンドライン割り込み152円へ
出所:TradingView
続いて、日足です。 1時間足がシナリオ通りに動いた場合、今後の値動きの予想です。
来週にかけて日足のトレンドライン方向に向かい、また反発するものの、最終的に垂れてくるイメージです。
来週はPCEの発表がありますが、個人消費のインフレ率失速の可能性に賭けた戦略になります。
そして6月に入り、雇用統計を迎えるイメージです。
152円割れのイメージはまだついておりませんが、何らかの形でブレイクする場合は、盛大な下落につながる可能性もあるのではないかと考えています。
例えば、失業率の悪化、CPIの急低下などで、脱インフレ&利下げ期待がさらに前進するなど、こういった思惑でマーケットは先に織り込みにいくので、そのタイミングで最も通貨は動きます。 この値動きに賭けているというわけです。
ユーロ/ドル、まもなくショートカバー?1.10ドル方向へ期待
出所:TradingView
ドル安はユーロでトレードするのが一番やりやすいとも感じております。
先日のCPI発表後、ユーロ/ドルは上昇しました。
その後、高値圏で揉み合っており、サポートライン1.0813まで一度も下落をせずに5営業日が経過しようとしています。
目先、1.0885を超えて1.10方向に向かう前提でトレードを予定していますが、前述通り、米経済指標の低迷により、徐々に上値を追いかける展開をイメージです。
ECBの利下げは、ほぼ100%織り込み済みですので、利下げしても下落は考えにくいです。
ユーロ/ドルのさらに買い戻しが強まっていくように感じます。
4月上旬から1.06まで下落し、そこからゆっくりと上値を切り上げてきましたが、下落が浅かったため、戻り売りポジションがしっかりと捕まっている形状です。
よって、1.0885を超えるとショートカバーも多く出てくると予想します。
ユーロ/ドルは1.10方向に今月中に向かうシナリオでトレードしていきたいと思います。
【ひろぴー氏出演動画】
FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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