「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
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今日のドル円 テクニカル分析で環境認識(動画の内容 ポイントまとめ)
■ドル円の現状
- 60分足で見ると、直近の高値である156.70台から今日の安値153.50台まで約3円下落している
- 下落のきっかけは、CPIの結果を受けて米長期金利が低下し、ドル売りが強まったこと
- 155円や154円の重要な水準を下回ったことで、ストップロスを巻き込んで大きく下落した可能性がある
■今後の見通し
- ニューヨーク市場にかけて、さらに下落するのか、持ち直すのかがポイントになる
- 現在は安値から80銭ほど持ち直しの動きがあるが、動きが止まってきている
- フィボナッチの38.2%戻しである154.80付近までは持ち直しの動きが出てもおかしくない
- ただし、155円は下値支持として機能していたが、下抜けたことで上値抵抗として見られる可能性が高い
- 日足ベースでは、上昇基調の勢いが弱まり、移動平均線の10日線と20日線を下抜け、RSIも50ラインを割り込んでいる
- ただし、今日のローソク足は下ひげを伸ばして反発しているため、155円台まで持ち直せば底堅さを示す可能性がある
- さらに下落した場合は、152円付近が強力な支持になると思われ、押し目買いのポイントとなり得る
■CPIの結果と市場の反応
- 4月CPIの前月比は0.4%、市場予想を下回った
- その他の指標も前月から鈍化しており、FRBが年内に2回利下げを行うのではないかという見方が強まった
- そのため、米長期金利が低下し、ドル売りが強まった
■注目すべきポイント
1. スーパーコア(家賃を除いたサービス価格動向)
- 昨年秋頃から再び加速し出しており、昨日の結果も前回から加速している
- ここが鈍化しない限り、インフレ高止まりが続く可能性がある
2. ドルインデックス
- 昨日はドル売りで下がったが、104の水準がサポートになっている
- ここを下抜けるとドルがさらに弱い状況になる可能性があるが、サポートで反発すればドル円相場も上昇しやすくなる
■取引戦略
- テクニカル分析からは短期的に売り圧力が強まっているが、下ひげの長いローソク足を形成しているため、155円を突破すれば底堅さから切り返す動きになる可能性がある
- 今日は新規失業保険申請件数、住宅着工件数、鉱工業生産などの経済指標や、FRB高官の発言内容次第でドル相場が変動する可能性があるため注意が必要
総じて、ドル円は下落圧力が強まっているが、152円付近までは押し目買いのポイントとして注目される。一方、155円を突破できるかどうかが上昇に転じるかどうかのポイントとなる。経済指標やFRB高官の発言に注意しながら、慎重に取引することが求められる。
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宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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