ドル/円、34年ぶり高値更新中(153円台)…円買い介入実施されるか?
東京市場のドル/円は、34年ぶり高値圏で上値が重い展開。前日の急伸による反動に加えて、本邦当局による円買い介入への警戒から153円台前半では戻り売りがやや優勢でした。なお、政府高官による円安けん制に対して相場への影響は特に見受けられませんでした。
<神田財務官>
・特定の水準念頭に判断していない
・過度な為替変動は国民経済に影響
・行き過ぎた動きにはあらゆる手段排除せず適切な手段をとる
・あらゆる事態に常日頃から備えている
・一晩で1円、過度な変動か申し上げない
・過度な変動かは総合的に判断しているので申し上げない
<鈴木財務相>
・財務官とは頻繁に連絡取り、情報共有している
・行き過ぎた動きにはあらゆるオプション排除せずに対応
・円安が物価高に与える影響常に関心懸念している
・高い緊張感をもって動きを見ている
欧州市場に入ると、米長期金利の上昇を受けてドル買い・円売りが強まると一時153.29円前後まで上昇し34年ぶりの高値を更新しました。
日本政府・日銀の防衛ラインと見られていた152.00円を突破したことで一段と円買い介入への警戒感が高まっています。そうした中、NY市場では米3月生産者物価指数(PPI)や新規失業保険申請件数が発表されます。結果を受けてドル/円の上昇の勢いが強まれば円買い介入が実施される可能性もあります。過去の傾向から円買い介入が入れば5円程度急落することも考えられるため注意しましょう。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、3月下旬から続いた151円台を中心としたレンジを上抜けると上昇に弾みがつき34年ぶりの153円台へ高値を切り上げています。前日高値153.23円を上抜けたこともあり154円台をターゲットにした値動きとなりそうです。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
4/11(木)
21:00 メキシコ2月鉱工業生産
21:15☆ECB政策金利
21:30☆米3月生産者物価指数
21:30☆米新規失業保険申請件数
21:45☆ラガルドECB総裁記者会見
21:45 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁講演
23:00 バーキン米リッチモンド連銀総裁講演
25:00 コリンズ米ボストン連銀総裁講演
25:30 グリーン英MPC委員講演
26:00 米30年債入札(220億ドル)
26:30 ボスティック米アトランタ連銀総裁講演
----- ユーロ圏財務相会合
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
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宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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