個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。
作成日時：2024年4月3日14時
執筆：CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー
ドル/円はすっかり151−152円が定着してしまいました。
先週1週間の値幅は1円未満と、2021年8月以来の小幅な値動きでした。
今週もそのような値動きになりつつあります。
152円以上からは介入警戒感と介入期待がありますので、ドル/円の上値を重くしており、戻り売りトレードも多く存在しているようです。
しかしながら、現在の日米金利差により、スワップ金利も日々ついていきます。
現状の金利差ですと、買い方は1週間で15-16pips相当の金利が付与され、売り方は逆にマイナスとなります。
よって、この相場は理論上、毎週15pipsずつ切り上げていくような相場になるのではないかと考えます。
来週中にはもしかしたら151.50-152円といったさらに狭いレンジになるかもしれません。
ドル/円、アセンディングトライアングル継続、キャリートレードでOK？
出所：TradingView
ドル/円4時間足です。
20日ごろからレンジ相場がスタートしており、間も無く2週間が経過しようというところです。
徐々に下値を切り上げて、151円すら割ることがなくなりました。
戻り売りも徐々に溜まっていきますと、彼らは利食いを入れるために買い戻し作業が必ず入ります。
よって、より底堅くなるため、押し目が徐々に浅くなってくるわけです。
またマイナススワップにて、残高が減っていきますので、時間に限りもあるでしょう。
このレンジ相場が長く続けば続くほど、買い方が有利になってくるわけです。
よって、個人的にはあと2週間ぐらいこのレンジ相場が続いてくれたほうが、あとからのショートカバーがより盛大なものとなり、大きな上昇を生みやすくなるのではないかと考えております。
少し不思議な戦略かもしれませんが、ドル/円の買いトレード継続にて、今週と来週に限っては、スワップ金利を取りにいく戦略がよろしいのではないでしょうか。
ドル/円、第1ターゲットは153.50円付近
出所：TradingView
先日もご紹介したかもしれませんが、ドル/円日足トレードの目安です。
152円を抜けてきた場合、目先ターゲットは153.50円です。(フィボナッチ・エクステンション161.8％)
この水準を第1ターゲットとし、ロングトレードを実施していく予定です。
さらに高い位置ですと、155円が200％となりますので、ここも大型オプションが存在しているでしょう。意識しておくと良さそうです。
早々にこの価格に辿りつくには、しっかりと狭いレンジ相場形成が重要になりますので、やはり向こう1週間程度はまだこのレンジ相場が得策かもしれません。
ダメ押し材料？インフレ率4-6月期は高振れる恐れ
出所：TradingView
ドル金利が高いまま、もうしばらく長引く可能性について解説します。
原油週足チャートです。昨年の3月と今年の3月、週足4本で囲いました。
昨年の平均価格は70-72ドル前後、今年の平均価格は80-81ドル前後です。
単純比較ですが、昨年よりも原油価格が15％程度上昇しており、これは今月発表される米CPIは、3％から上振れ続ける可能性が出てきたことになります。
また昨年の4-6月期の原油価格は70ドル台と低迷が続いている反面、現在の原油価格帯を維持するだけで、CPIは高触れることが予想されます。
よって、原油価格がしばらく現状推移するならば、向こう数カ月のCPIの結果は前年同月比で3％を切ることは相当難しくなってくるでしょう。
つまり、株式市場が期待している6月にFOMCは政策金利引き下げを行わず、年内2回が最大という論調に今後は本格的に変わってくる可能性があるわけです。また9月にでも、本当に利下げができるのか？年内1回の利下げが妥当で、それも12月なのではないか？などと理論が大きく膨らんでくるシナリオを予想しておきましょう。
つまり、また中期的にドル/円が上昇しやすい材料が揃っていくことになります。
次週、米CPIですが、利下げ機運ダメ押しの発表になる可能性が高いと考え始めました。やはりドル/円ロングトレードに妙味があるように思えます。
【ひろぴー氏出演動画】
ひろぴーFX＆Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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