総括
FX「3月は2位の強さ。米財務省は南ア経済について強気」南アランド見通し
「通貨7位、株価19位」
「予想レンジ 南アランド円7.7-8.2」
（ポイント）
＊3月は月間2位
＊政策金利は8.25％で据え置き
＊南ア中銀の成長・インフレ見通しは
＊外貨準備の財政活用を可決
＊米財務省は南ア経済について強気
＊1月小売売上は前年比2.1％減少
＊新しい電力法で電力問題は改善するだろう
＊タカ派の中銀総裁再任
＊23年4Q・GDP テクニカルリセッションをかろうじて回避
＊選挙戦が始まった
＊5月29日に大統領選挙と総選挙
＊スタンダード銀行、2024年の南アフリカ経済にプラスの見通し
＊成長は電力、物流、財政次第
＊中国と南アの関係は強化されている
＊グレイリストには2025年まで残る
＊人口は増加、白人は減少
(3月は月間2位）
3月は月間2位で、年間でも2月の9位から7位へ上昇した。株価は弱く、年初来3.07％安で19位。10年国債利回りは10.88％、年初は9.77％であった。
(政策金利は8.25％で据え置き）
南ア中銀は政策金利を予想通り8.25％に据え置いた。全会一致だった。全体的に見てインフレ見通しに対するリスクが上方に偏っているとの見方を示した。
金利据え置きは5会合連続。2月の消費者物価は前年同月比5.6％上昇と、前月の5.3％から伸びが加速した。2カ月連続の加速となり、中銀が設定している目標範囲（3-6％）の上限に近づいたことによるもの。
中銀は、総合インフレ率が目標レンジの中間点に達するのは2025年末とし、従来予想から後ずれさせた。「その結果、ベースライン見通しにおける政策金利の正常化開始時期も遅れる」とした。
（南ア中銀の成長・インフレ見通し）
供給側の制約が緩和されるにつれて、経済成長が2024年から緩やかに加速すると予想されている。
2024 年の GDP 成長率は 1.2％ (以前の予想は 1.2％)、2025 年の GDP 成長率は 1.4％ (以前の予想は 1.3％) になると予想。
2024 年の CPI は 5.1％ (従来予想 5.0％)、
2025 年の CPI は 4.6％ (従来予想 4.6％) と予想。
2024 年のコア CPI は 4.8％ (従来予想 4.6％)、
2025 年のコア CPI は 4.6％ (従来予想 4.6％) になると予想
（外貨準備の財政活用を可決）
国会は3月26日、金および外国為替の緊急準備金法を可決し、政府が債務返済のために中銀が保有する口座から資金の一部を引き出すことが可能となった。1500億ランドの利用が可能となる。この法案が提出された時はランドが大きく売られたが昨日も若干の下落要因となった。
（最近の指標）
1Q消費者信頼感指数は-15で昨年4Qの-17からは改善したが水準は低い。電力負荷軽減レベルの大幅な低下と、特に食品価格の面でのインフレ減速が、消費者信頼感を支えた可能性が高い。
1月景気先行指数は前月比0.5％減少、前月の0.7％減少から改善した。
2月卸売物価は前年比4.5％上昇、前月は4.7％
2月貿易収支は140.04億ランドの黒字、前月は96.9億ランドの赤字
今週は3月アブサ製造業PMI、S&PのPMIの発表がある。
テクニカル分析（ランド/円）
ボリバン3σ上限の年初来高値更新して反落も上位維持
日足、ボリバン3σ上限の年初来高値更新して反落。ボリバン上位は維持。3月28日-29日の上昇ラインがサポート。3月21日-29日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、ボリバン中位を上抜くも、ボリバン2σ上限からは反落。雲の上維持。3月18日週-25日週の上昇ラインがサポート。3月18日週-25日週の下降ラインが上値抵抗。5週線上向き、20週線下向き。
月足、1月-3月の上昇ラインがサポート。23年11月-24年3月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線下向き。
年足、2023年は円とデッドヒートを繰り返しほぼ同位の10位。21年-23年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインを上抜くか。
喜望峰
米財務省は南ア経済について強気
アディエモ米国財務副長官は、経済が直面する無数の課題にもかかわらず、政府と企業の協力が南アの見通しを押し上げていると述べた。経済は電力不足や港湾や貨物鉄道の機能不全などの障害にもかかわらず成長していると指摘した。それは企業が問題解決に向けて国と協力していることも一因だと語った。
「南アに来て、私は南ア経済に対してここに来る前よりも強気になった」と語った。同氏はこの国について、「もし彼らがその逆風を軽減することができれば、彼らにはその能力があるし、予想を超えて成長する本当のチャンスがある」と語った。
南アは米国の主要な投資先、600社以上の米国企業がアフリカ最大の経済大国の23万人の雇用を支えている。フォードやウォルマートなどの米国企業が南アに投資している。アメリカは中国に次ぐ同国の第二位の貿易相手国である。
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