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FX「「あらゆる手段を排除しない」円安対策とは。投機筋はいない。ドルを支えるのは実需と資本」

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総括

FX「「あらゆる手段を排除しない」円安対策とは。投機筋はいない。ドルを支えるのは実需と資本」

ドル円=149-154、ユーロ円=161-166、ユーロドル=1.05-1.10

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価2位(1位)、「あらゆる手段を排除しない」円安対策とは。投機筋はいない。ドルを支えるのは実需と資本」
3月は月間12通貨中9位と若干盛り返したが、年間では11位と円安傾向は続く。3月下旬のドル円のデータはドル高であったが、日銀マイナス金利解除、口先介入も出て下押し場面もあり、かろうじてドル高を維持する程度の結果となった。4月上旬もドル高のデータ、ただ引き続き介入懸念が続く。3月上旬は黒字となった貿易統計も注目したい(4月5日に3月中旬分が発表される)。2月貿易統計は3794億円の赤字だが、前年と比べると59.2%縮小した。貿易赤字は減少しているが、再び83ドルに上昇した日本の貿易赤字=円安の要因である原油価格が気になるところだ。

 財務省は「行き過ぎた動きに対してはあらゆる手段を排除せず、適切な対応をとる」と表明したが、あらゆる手段とは何だろう。考えられる手段とは、
「あらゆる手段を排除しない」円安対策とは、以下のようなものだろう。

*介入
*金利操作
*銀行のポジション監視(持ち高報告)=意味はないが市場に威嚇
*政府の意向を聞く機関投資家へドル売り誘導
*なんらかの外貨投資制限
*円安補助金
*輸出促進策(半導体補助金は既に実施)
*インバウンド促進
*海外からの投資誘致(TSMC以外にも)
*イエレン財務長官やG7に助け舟を出してもらう

 ただやはり貿易赤字の縮小がカギだ。もちろん貿易収支の黒字化は日本に豊かさをもたらすものでもない。今週は短観、全世帯家計調査、貿易統計の他に、日銀の「需給ギャップ」、「さくらリポート」も注目したい。

さて、変動相場制を採用して「動くな」というのはおかしい(投機筋は東京市場には少ないのは何度も言ったが、真面目な実需的な投機(リスクヘッジ)は出ている。

実需以外の取引=投機筋と言われているみたいだ=が円安の要因だ。

①輸入業者の前倒しドル買い
②輸出業社の売り惜しみ
③機関投資家の海外投資増加
④機関投資家のヘッジ売り、ヘッジ買戻し
⑤新NISAなど外貨投信の投資増加
⑥個人FX
⑦ヘッジファンド(東京市場の0.2%で極めて少ない)
⑧海外機関投資家(長期なので頻繁に売買しない)
⑨M&A
⑩海外途上国の債務に絡む取引
⑪銀行のディーラー

*均して大きいのは①、②、③、④、⑤か

 ただ東京市場の出来高は日々40億ドルを大きく超えることはまずないので、何か異変は起きているわけではない。レギュラーメンバー中心でのルーティン取引が続いている
1984年以前の「実需取引しかできない時代」に戻してみたらどうなるだろう。

*米ドル「通貨2位(2位)、株価(NYダウ)8位(8位)、パウエル発言でドルが戻しても、米雇用やCPIはやや弱い予想なので注意」
 ドルは12通貨中2位、NYダウは年初来5.62%高、ナスダックは9.11%高、S&Pは10.16%高と順調だ。10年国債利回りは4.201%、年初は3.879%だったが、インフレが低下しないこと、成長率も2%近辺で安定していることから低下しない。次第に今年の最初の利下げが,ECBやBOEより遅れる観測も出て、ドルもしっかりしている。CPIナウ(3月)は3.41%、コアは3.73%。GDPナウは2.3%。

 パウエルFRB議長は2月の米個人消費支出(PCE)価格指数は「私たちの期待に沿った」内容だったとの見解を示した。「利下げを急ぐ必要はない」と語った。「昨年下半期に得られた多くの良好な数値ほど低くはなかったものの、期待により沿っていたことは間違いない、過剰に反応することはない」と述べた。パウエル議長は、利下げを開始する前にインフレ率の鈍化が進むことを「より確認する必要がある」と指摘。「利下げを開始するという決定は非常に、非常に重要なものだ。現在は経済が力強く、労働市場も力強い。インフレ率も縮小してきている。私たちは慎重に決定することができるし、そうする」と説明した。
ウォーラーFRB理事も「今年利下げするのは適切かもしれないが、まだその時期ではない。最近のインフレ統計を見ると進捗が不透明だ。利下げを待つリスクは時期尚早に行動するリスクよりも低い」、と慎重な発言をしている。

 今週発表される3月雇用統計では非農業部門雇用者数が2月の27.5万人増から20.5万増に縮小、平均時給は前年比で4.3%から4.1%へ減少、失業率は3.9%で変わらずだ。4月10日の3月消費者物価も若干の低下予想、パウエル議長発言でドルが買われても、次のハードルがすぐにやってくる。

*ユーロ「通貨6位(6位)、株価4位(6位)DAX)、4月利下げ論。インフレ低下、成長も弱い。今週はCPIの発表」
 ユーロドルは3週連続陰線と弱い。ただ日足はボリバン2σ下限にきているのでテクニカルな反発にも注意したい。株価は利下げ観測で独(DAX)は年初来10.39%高となった。利下げ時期の観測はFRBよりも早くなっている。インフレ低下と成長の弱さがある。今週は3月消費者物価の発表がある。ユーロ圏も独も2%台の予想で米英の3%台より低い。一方、成長は弱い。

 米国は2%成長の軌道に乗っているが、独の主要経済研究所は、2024年のGDP成長率を0.1%と予想した。高金利や世界的な需要の低迷、政治の不透明感を受けて、従来予想の1.3%から大幅に下方修正した。25年の成長率予想も1.5%から1.4%に引き下げた。 キール世界経済研究所は「春から回復に向かうとみられるが、全体的な勢いはそれほど強くないだろう」と述べた。主要経済研究所は、今年の最も重要な経済の原動力は個人消費で、来年は輸出と予想した。インフレ率の低下が個人消費への恩恵となる見込み。ドイツのインフレ率は24年が2.3%で25年は1.8%に低下すると予想されている。

 ビルロワ・ド・ガロー仏中銀総裁は金利を高水準に維持することによる経済的リスクを無視できないと述べた。総裁はECBによる4月か6月の最初の利下げを支持している。「インフレリスクは現在均衡しているが、成長は下振れリスクに直面している。利下げを開始することで後者のリスクを警戒する時期が来た」と述べた。

*ポンド「通貨3位(3位)、株価13位(13位)、23年4Qはリセッション。ただ24年1Qは盛り返している。インフレは低下」
 年初来3位。株価(FT100=2.84%高)はやや弱いがプラス圏が定着してきた。10年国債利回りは3.95%で米の4.2%より低く、独の2.31%より高い。いつもとは限らないが金利の高い順でドル、ポンド、ユーロと並んでいる。
 さて、2023年4QGDP成長率確報値は前期比0.3%減。23年3Qは0.1%減だった。英経済が昨年後半にリセッションに入ったことが確認された。今年に入り回復の兆しが出ており、1月のGDPは前月比0.2%増だった。民間調査では2月と3月もプラス成長が続いたことが示唆されている。 利下げ期待とハント財務相が発表した減税が今年の英経済を下支えするとみられる。2月GDP発表は4月12日。

 さてハスケル金融政策委員は利下げは「かなり先の話」という認識を示した。 ハスケル氏は先週の金融政策委員会で利上げへの支持を撤回し、金利据え置きに賛成票を投じた。
ただ「総合インフレ率の低下は非常に良いニュースだが、われわれが本当に気にしていることについては参考にならない。われわれが本当に気にしているのはインフレの持続性と基調インフレだ」とし「利下げはかなり先の話だと思う」と述べた。

英国民のインフレ期待は3月も低下している。米銀シティとユーガブによる月次調査で、英国民のインフレ期待が3月に低下したことが分かった。
インフレ期待は1年先が2月の3.6%から3.3%に低下。5-10年先は3.5%から3.4%に低下した。海運混乱に関する報道などで今年序盤に押し上げられていたとみられるインフレ期待が比較的早く低下した。

*豪ドル「通貨8位(8位)、株価11位(12位)、指標マチマチ、直ぐには利下げ出来ない」
 対円では強いが、全体では8位と弱いのは、輸出入ともに20%後半のシェアを占めていた中国の景気減速が影響しているのだろう。中国が豪産ワイン関税を撤廃したが、供給過多であった豪ワイン産業を立て直すのは難しい。中国との経済外交振興回復を計っているが、西側陣営としての安全保障問題もあり、全面的に対中貿易が回復するとは思えない。

 2月の消費者物価上昇率は前年比3.4%と前月から変わらず、2年ぶりの低水準にとどまった。予想は3.5%。
他の経済指標はマチマチだ、雇用は強いのは、簡単に利下げに踏み切ない要因となっている。
2月の小売売上は前月比、前年比ともに増加した。衣料品や外食への支出が拡大したことが背景。ただ、高水準の金利が所得を圧迫する中、伸びは小幅にとどまった。
2024年度の資源業界全体の利益が前年比10%減となるとの見通し。資源価格の下落が背景にある。 昨年度はロシアのウクライナ侵攻による価格高騰で利益が過去最高を更新していた。
2月の雇用統計は就業者数が予想以上に増加し、失業率は予想以上に低下した。労働市場が依然逼迫している。失業率は2年ぶりの高水準だった4.1%から3.7%に改善し、予想の4.0%を下回った。 雇用が非常に堅調であることは、中銀が利上げの選択肢を残しておいたことが正しかったことを示唆している。

 なお、昨日3月31日(土)発表の中国3月製造業PMIが改善したことは、オセアニア通貨にとって好材料だ。

*NZドル「通貨9位(9位)、株価13位(14位)、注目は4月10日の政策金利決定」
 3月4日週までは豪ドルより強かったが、その後は抜かれ全体では9位となっている。23年4QのGDPでリセッションが確認されて以降の指標も弱い。
3月の消費者信頼感指数は86.4で、前月の94.5から低下した。昨年後半に景気が再び後退したというニュースは、消費者信頼感に大きな打撃を与えた。3月の企業信頼感も低下した。事業見通しが悪化し、インフレ圧力が若干和らいだ。今後1年で景気が改善すると回答した企業は差し引き22.9%で、前月の34.7%から減少した。

  ウィリス財務大臣は24年度の年間CPIは3.3%と予想されており、前回予想の+4.1%から下方修正した。
オア中銀総裁は、利下げに向けた条件がより明確になりつつあるという見解を示した。「コアインフレ圧力は緩和し、インフレ期待は目標に回帰しつつある。低水準で安定したインフレの兆しが再び見えてくると期待しており、それは金利の正常化が進むことを意味する。金利は世界的にピークに達した公算が大きく、インフレの流れは変わった」と指摘した。同時に、利下げにはさらなる進展が必要とも強調した。

 次回金利決定は4月10日。現在のインフレは4.7%で目標の上限の3%からは乖離しているので利下げは難しいか。ただ景気は弱い。

テクニカル分析

*ドル円「雲を駆け上がり年初来高値更新。151.30近辺でもみ合う」
日足、ボリバン3σ下限から上限へ。8日連続151.30近辺でもみ合う。年初来高値更新。3月27日-31日の上昇ラインがサポート。3月27日-29日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向く、20日線上向き。
週足、3月4日週-11日週の下降ラインを越えて上昇、年初来高値を更新。3月18日週-25日週の上昇ラインがサポート。5週線、20週線上向く。
月足、3月は一時陰線となるも這い上がり下ヒゲの長い陽線で終える。年初来高値更新(151.968)。2月-3月の上昇ラインがサポート。5か月線下向く、20か月線は上向き。
年足、3年連続陽線、今年もここまで陽線。151円後半がトリプルトップ。22年-23年の上昇ラインがサポート。1985年-2022年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロドル「雲の下へ、2σ下限、5日線、20日線下向く」
日足、雲の下に落ちる、2σ下限。2月14日-3月29日の上昇ラインがサポート。3月28日-29日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向く。
週足、一時雲の上に出るも終値は雲中。2月12日週-3月25日週の上昇ラインがサポート。3月18日週-25日週の下降ラインが上値抵抗。5週線下向く、20日線上向き。
月足、2月は下ヒゲ、3月は上ヒゲでほぼ寄り引き同時。雲の下。2月-3月の上昇ラインがサポート。12月-3月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線上向き。
年足、2023年は陽線。ドルより強かった。22年はボリバン2σ下限到達し長い下ヒゲでサポ―ト。今年は陰線スタート。22年-23年の上昇ラインがサポートできるか。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円「続2008年8月11日以来の高値更新後、ボリバン3σ上限から中位へ下落」
日足、2008年8月11日以来の高値更新後、ボリバン3σ上限から中位下落。3月19日-29日の上昇ラインがサポート。3月28日-29日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向く、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ上限へ達した後に上ヒゲ伴い下落。3月18日週-25日週の上昇ラインがサポート。3月18日週-15日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、11月-1月の下降ラインを上抜く。2008年8月以来の高値更新。2月-3月の上昇ラインがサポート。2008年8月-2024年3月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線上向き。
年足、4年連続陽線。24年も陽線スタート。22年-23年の上昇ラインがサポート。08年-23年の下降ラインが上値抵抗。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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