総括
FX「8円台達成も3日で終わる、鉱産物価格下落、水危機。政策金利は据え置きか」南アランド見通し
「通貨7位、株価19位」
「予想レンジ 南アランド円7.7-8.2」
(ポイント)
*3月最強をメキシコに奪われる
*先週は鉱産物価格下落でランド安
*水資源危機も売り材料に
*2月消費者物価上昇で政策金利は据え置きか
*1月小売売上は前年比2.1%減少
*今週は消費者信頼感指数、景気先行指数、卸売物価、貿易収支、財政収支
*新しい電力法で電力問題は改善するだろう
*タカ派の中銀総裁再任
*23年4Q・GDP テクニカルリセッションをかろうじて回避
*選挙戦が始まった
*財政赤字縮小の為に外貨準備に手を付けたことを市場が一時嫌気
*5月29日に大統領選挙と総選挙
*スタンダード銀行、2024年の南アフリカ経済にプラスの見通し
*成長は電力、物流、財政次第
*中国と南アの関係は強化されている
*グレイリストには2025年まで残る
*人口は増加、白人は減少
(8円台達成も、3日で終わる)
前回触れた通りランド円は8円台に乗せた。ただ週末にはまた8円台を割り込んだ。安定性を欠く。
3月は11日週までトップを走っていたが先週後半失速した。年初来では7位。株価(全南ア指数)は20市場で19位、年初来5.33%安。10年国債利回りは10.68%。
(先週は南ア産出の鉱産物価格は冴えず)
今月は南ア産出の鉱産物価格が強く、南アランドを支えている。米国利下げ観測とドル安で鉱産物に資金が流入するという思惑だ。ただ先週はドル高もあり、その流れが一服、鉱産物価格と南アランドがともに下落した(以下は、週間、月間、年間の南ア関連の鉱産物の動き)
(2月消費者物価上昇、政策金利は据え置きか)
2月消費者物価4カ月ぶりの高水準に上昇し、来週の中銀理事会で政策金利を8.25%に据え置くという見方が強まった。2月の消費者物価前年同月比5.3%から5.6%に上昇。予想は5.5%。インフレ率の上昇は、目標レンジの中間点である4.5%からさらに遠ざかったことを意味する。2月の統計が予想を上回ったことは、5月29日に実施される選挙後まで緩和サイクルを遅らせるさらなる口実を与えることになる。現状では、最初の利下げは9月に行われる見込みが強い。それでも財政政策の不確実性の懸念は残り、緩和が一段と遅れる可能性がある。
クガニャゴ中銀総裁は、インフレ率が持続可能な形で4.5%に後退し、そこに落ち着くまでは中銀は政策スタンスを調整するつもりはないと繰り返し述べている。
2月の価格上昇は主に、輸送費、住宅費と光熱費、食料品とノンアルコール飲料の値上がりによってもたらされた。
(最近の指標)
1月小売売上は前年比2.1%減少、前月は2.7%増から3.2%増へ上方修正。衣料品、医薬品の売上減少があった。1月製造業生産は前年比2.6%増、1月は1.3%。
今週は、1Q消費者信頼感指数、1月景気先行指数、2月卸売物価、貿易収支、財政収支の発表がある。
テクニカル分析(ランド/円)
ボリバン3σ上限、年初来高値更新して反落
日足、ボリバン3σ上限、年初来高値更新して反落。ボリバン上位。3月19日-22日の上昇ラインがサポート。3月21日-22日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、ボリバン中位を上抜くも、ボリバン2σ上限からは反落。雲の上維持。3月11日週-18日週の上昇ラインがサポート。11月13日週-3月18日週の下降ラインが上値抵抗。5週線上向く、20週線下向く。
月足、6月-1月の上昇ラインがサポート。22年6月-23年11月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線下向き。
年足、2023年は円とデッドヒートを繰り返しほぼ同位の10位。21年-23年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインを上抜くか。
喜望峰
ヨハネスブルグ全市の水道が枯渇
最大の都市ヨハネスブルグが数百万人に影響を及ぼしている前例のない水道システムの崩壊に直面している。裕福な住民も貧しい住民も、これほど深刻な状況に直面したことはなかった。高温の気候により貯水池が縮小したが、数十年にわたって放置されてきたインフラの崩壊も主な原因だ。
在南アの日本大使館からもメールが届いた。
(南アフリカにお住まいの皆様及び旅行者の皆様へ)
●南アフリカにおいては、給水システムが全国的に悪化しています。
●日頃から、飲料水、長期保存可能な食品、医薬品、日用品、ガソリンその他の燃料等を購入・備蓄しておくことをご検討ください。
【本文】
1 南アにおいては、給水システムがメンテナンス不足、人口増加等のため全国的に悪化しています。3月上旬から、ヨハネスブルグ市の広域にて頻繁かつ長期に断水が発生し、ツワネ市、エクルレニ市でも貯水量が減少しているとして、それら都市では節水が呼びかけられています。
2 今後、さらに水の供給が困難な状況に陥る可能性も否定できないことから、日頃から、飲料水(長期保存可能なもの)の購入・備蓄、生活用水のため置き等の準備をしておくことを推奨します。
3 その他、長期保存可能な食品、医薬品、日用品、ガソリンその他の燃料等を購入・備蓄しておくことを、各家庭・事業所において検討ください。
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