執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2024年3月22日 13時30分
株高→円安→株高の好循環なら米ドル/円、155円目指す展開も
米ドル/円、年初来高値を更新
日銀は金融政策会合で、マイナス金利解除、イールドカーブ・コントロール(YCC)撤廃、ETF購入の停止など異次元緩和終了に舵を切ったものの、国債購入などのオプションを通じて緩和的環境を継続する姿勢を示したため、円安地合いが優勢に。米ドル/円は151.815円付近まで上昇幅を拡大しました。その後は、今年3回の利下げ見通しを維持した米FOMCを受けて150.265円まで押されたものの、同水準からは株高・円安の流れから151.863円まで上昇しました。(各レート水準は執筆時点のもの)
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※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。
東京CPIに注目
来週はファンダメンタルズ的には、東京都区部消費者物価指数(CPI)、日銀の3月会合における主な意見から、日銀の早期追加利上げ期待が広がるのか、米2月個人消費支出から6月の米利下げ開始観測が後退するのかなど、日米金融政策を巡る思惑の行方が注視されそうです。東京CPIではコア前年比が2.4%へ2月の2.5%から低下が見込まれていますが、予想に反してインフレの粘着性が示されれば、日銀のタカ派な部分に焦点が当たるかもしれません。 また、株価動向にも気を配りたいです。日米の金融政策は思ったほど金融市場を混乱させず、マーケットにフレンドリーな結果となり、投資家センチメントはリスクオンムードへ傾いた様子です。四半期末のお化粧買いで株式市場が一段高となれば、株高→海外投資家のヘッジに伴う円売り→株高の好循環から、米ドル/円が上値を試す展開となる可能性もあります。もっとも152円を超えてくれば、政府・日銀による円買い介入への警戒心もあり、米ドル/円の上昇ペースは上がり切れないかもしれません。
21日BB+2σまで距離残す、もう一段の上昇を期待(テクニカル分析)
低下中だった 21日移動平均線が切り返し、米ドル/円の底堅さは増しています。また、期間21日のボリンジャーバンド(BB)+2σにもまだ達していないこともあり、この差を埋めるべく、もう一段の上昇も期待できそうです。3月8日安値(146.474円)の38.2%押しとなる、149.80円付近までは押し目買いスタンスでついていき、152円突破からの上値トライに期待したいです。
【米ドル/円チャート 日足】
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:USD/JPY:149.000-154.000
3/25 週のイベント:
一言コメント
152円超えてきたら、やっぱり当局の口先介入のレベルは一段か二段上がるんでしょうね。
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