執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2024年3月15日 15時30分
米利下げ回数低下なら151円へ向け上伸か
3月11日週の米ドル/円はじり高
米ドル/円は、今年の春闘が好スタートを切ったとの思いをベースにした日銀政策修正観測と、米国のインフレ再燃とが綱引きになったものの、売り疲れもあって米ドル/円は146.474円を底値に148.65円付近へ戻しました。(各レート水準は執筆時点のもの)
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※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。
ドットチャートに注目
来週も日米の金融政策の動向を見極める流れとなりそうです。日銀に関してはマイナス金利解除の他に、イールドカーブ・コントロール(YCC)の撤廃やETF購入停止などのオプションも考えられるため油断できません。想定以上にタカ派に振れれば、織り込みが浅い分、その反動も大きく出そうです。逆に、日銀が政策変更を躊躇すれば buy the fact のような形で、一旦は買い戻しが強まるでしょう。ただし、次回以降の会合まで日銀への期待が燻るのは容易に想定されるだけに、米ドル/円上昇もそう続かないと思われます。仮に買いの勢いが続くには、米緩和期待の低下など新たな燃料が必要と考えます。
※12月に示されたFOMC参加者の金利見通し
※出所;FRB
日銀会合の後は、米FOMCを通じてこうした点を確認していくことになりそうです。特に、足もとインフレ再燃を警戒させる指標結果を受けて、当局が物価見通しに対してどのように考えているのかは非常に注目されます。今回、四半期に一度、経済見通しやFF金利見通しが更新されますが、金利見通しを示したドットチャートで、当局者の年末の見通しが引き上がるかどうかは、今年の米利下げ回数を見通す上で重要です(昨年12月時点での見通しは0.25%で2,3回の利下げ)。ここからさらに低下するようなら、米ドル/円は上昇幅を広げていくでしょう。日銀会合で下押したとしても、米FOMCがタカ派方向に進めば、米ドル/円は結局下に行って来いの格好になるのかもしれません。
来週の米ドル/円、100日線の上側で再度値固め出来るか注視(テクニカル分析)
米ドル/円は、100日線(14日時点で147.634円)を割り込んだものの、200日線(14日時点で146.337円)にサポートされて、148円台へ戻しています。100日線も回復してきており、目先は同線の上側で値固めできるかどうかが着目されそうです。水準をキープできれば、150円台への上昇が期待される一方、100日線を再度割り込むようなら、200日線の攻防が本格化しそうです。
【米ドル/円チャート 日足】
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:USD/JPY:146.000-151.000
3/18 週のイベント:
一言コメント
来週がいよいよ本番と言ったところで、ヘビーな週になりそうですね。
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