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CFDで始める海外優良企業への投資

(画像=PIXTA)

 

以下の取材記事は金融ライターK氏が執筆したものです。その内容について当社が 保証するものではありません。

 投資家の間で最近関心の高い海外株式。中でも米国の力強い経済成長を支えるイノベーション企業の株式は人気を集めています。ただ、個別現物株のみならず、投資信託、ETF、CFDなど、海外企業に投資する方法は増えてきており、投資初心者の人たちは、「自分はどの方法を選べばいいのか」と、迷ってしまうかもしれません。ここではCFDで投資できる海外優良企業とその方法、メリットや注意点についてご紹介します。

海外優良企業の魅力

 株式投資とは出資した企業から「配当金」を得たり、株式の「売買益」を得たりする行為です。株式市場は常に変化しており、その中から成長企業を見つけ、いち早く投資を行い、誰よりも多くの利益を獲得することが「醍醐味」とされています。

 海外には新たなサービスや商品を生み出しているグローバル企業が少なくありません。そのため、好業績による株価上昇から大きな売買益が狙えます。また、海外企業は株主還元を重視する傾向があります。例えば、米国のアップル社のように自社株買いで利益を株主に還元するところもあります。高い分配金や配当金が期待できるのも海外優良企業の魅力でしょう。

高インフレ・高金利でも高成長

 コロナ禍からの急速な経済回復で、世界的に高インフレ・高金利が続いています。例えば、米国経済は2021年からインフレ傾向が加速、2022年には9%を超える記録的なインフレを経験、2023年の消費者物価指数(総合)も対前年比約3.9%と、FRB(米連邦準備制度理事会)が目標とする2%よりも高い状況が続いています。政策金利も2022年12月の4.25〜4.5%から0.25%ずつ段階的に引き上げられ、23年7月以降、5.25〜5.50%(2024年1月現在)が続いています。

 米国労働省労働統計局発表の消費者物価指数(CPI)データからライター作成

  言ってみれば、企業にとってかなり厳しい経営環境が続いているわけですが、米国株式市場の株価は上昇、2022年と2023年の年度末終値を比較してみると、時価総額の大きなハイテクIT企業が採用されているナスダック株価指数は43%超の上昇率となりました。米国の代表的な企業30社で構成されるニューヨーク株式市場のダウ平均株価も年間で約11%上昇しており、米国経済の好調さを裏付けています。

米国株式指数の上昇率(2023年)

株価指数 2022年12月29日 2023年12月29日 変化率
NYダウ 33,220.80 37,689.54 11.3%(上昇)
NASDAQ 10,478.09 15,011.35 43.3%(上昇)
S&P500 3,849.28 4,769.83 23.9%(上昇)

米国各株式指数の年末終値からライター作成

株価指数上昇を牽引するNVIDIA(エヌビディア)

 その中でも大きな注目を集めているのが、半導体大手の「NVIDIA(エヌビディア)※1」 です。同社は1月期決算なので、すでに決算発表されている2024年度の第3四半期までの業績をみてみると、前年同期(2022年2月〜2023年1月)と比較して、年後半にかけて急速に利益率を伸ばしていることがわかります。

NVIDIA(エヌビディア)の2024年度(2023年2月〜2024年1月)業績

単位は百万ドル

決算期 売上高 営業利益 純利益
2024年度 Q1 7,192 2,140 2,043
2023年度 Q1 8,288 1,868 1,618
前年同期比 -13.20% 14.25%% 26.30%
2024年度 Q1 13,507 6,800 6,188
2023年度 Q1 6,704 425% 656
前年同期比 101.50% 1262.70% 843.30%
2024年度 Q1 18,120 10,417 9,243
2023年度 Q1 5,931 25%1 680
前年同期比 205.50% 125%3.30% 1259.30%

エヌビディア社が四半期毎に発表する 「Financial Results」2023と2024からライター作成

※1 1993年設立。コンピュータグラフィックス(CG)技術に欠かせない高性能の画像処理半導体(GPU)の開発・製造してきた業界最大手企業。グラフィックボードやパソコンなどのハードウェアのみならず、自動運転車両やクラウドゲームなどのソフトウェアも手がけている。

 同社が2023年11月に発表した第3四半期の決算概要によれば、データセンター部門の売上が145億1,000万ドルと過去最高で、前年同期比279%の増加です。この結果から株価も上昇しています。2022年の終値が1株=146.14ドルだった株価は、ほぼ右肩上がりで上昇し、2023年の終値は495.22と3.4倍になりました。企業価値を示す時価総額が高騰しています。

「生成AI(人工知能)」関連企業に注目

 エヌビディアの業績が好調なのは、AI(人工知能)の中でも、「Chat(チャット)GPT※3」のような文字や画像などのコンテンツを生成する「生成AI」で欠かせない、膨大なデータを高速処理する半導体分野の製造・販売で、圧倒的な優位性を保持しているからです。

※3ChatGPTはオープンAIが開発した「生成AI」。テキストでメッセージを入力すると、AIがユーザーの質問を把握して自動的に会話形式で返答するコンピュータ・プログラミングのこと。人間と会話をしているような自然なやり取りができて、瞬時に回答してくれるため、活用したサービスが急増している。

 世界中の企業は今、「生成AI」を自社の情報システムに実装する取り組みを始めています。今後、「生成AI」はハイテクIT産業で最大のトピックスになるでしょう。「Amazon(アマゾン)や「Facebook」、「Alphabet(アルファベット)」のみならず、「Microsoft(マイクロソフト)」や「Apple(アップル)」という米国を代表するハイテクIT企業の「GAFAM※2」が、こぞって「生成AI」を活用した製品やサービスの開発・提供に注力しています。

「生成AI(人工知能)」市場は2030年に20倍の規模

 電子情報産業技術協会(JEITA)※4が、2023年12月21日に発表した「生成AI市場の世界需要見通し」によれば、生成AIの需要は年平均53.3%で成長し、2023年の106億ドルから2030年には約20倍の2,110億ドルに達すると見込んでいます。

  また、生成AIの利用分野は今後さらに広がり、中でも製造分野での需要が大きく、年平均54.6%で成長し、2030年には507億ドルに拡大する見通しを示しています。

電子情報技術産業協会の報道資料 「JEITA、生成 AI 市場の世界需要額見通しを発表」からライター作成

※4 電子情報産業技術協会(JEITA)は日本国内の電子工学・情報技術分野の業界団体。電子機器や電子部品の適正な生産・流通・貿易・消費の増進を図ることを目的とする。ソニーやパナソニックなど日本の名だたる有名企業がメンバー。

 株式投資でも、今後「生成AI」は大きなテーマになるでしょう。エヌビディアだけではなく、世界で圧倒的な市場シェアを獲得してきた「GAFAM」のようなハイテクIT大手の取り組みが、株式市場の動向を大きく左右することになります。

ChatGPTに出資のマイクロソフト株が急騰

 そうした傾向が端的に現れたのがマイクロソフトの事例でしょう。ChatGPTを開発したベンチャー企業のオープンAIと業務提携にあったマイクロソフトは2024年1月、今後複数年にわたり、追加で100億ドル規模の出資を行うという情報が報道されました。すると株価は急上昇、2021年以来アップルに譲ってきた時価総額1位の座を取り戻したのです。そして、2月には史上初めて時価総額が3兆ドルを超えました。今後マイクロソフトが提供する「生成AI」のサービスに高い期待が寄せられたからです。

 マイクロソフトは過去5年間、売上高を着実に伸ばしてきましたが、純利益で2022年の727億ドルから2023年は723億ドルと約4億ドル減少させていました。

Microsoft社の「Annual report2020、2022、2023」からライター作成

 コロナ禍以降の厳しい経営環境でも、「堅実な業績を残してきた」と言えるのかもしれませんが、2024年度になると業績を大きく伸ばし始めています。第2四半期までの業績ですが、売上高、営業利益、純利益のすべてが前年同期比を上回りました。部門別ではクラウド部門が好調で、売上高は前年同期比約20%増の258.80億ドルでした。同社は「同部門の成長はAIサービス関連の貢献によるもの」としています。

マイクロソフトの業績(2024年度)

単位 億ドル

決算期 売上高 営業利益 純利益
2024年度 Q1 565.17 268.95 222.91
2023年度 Q1 501.12 215.18 175.56
前年同期比 12.80% 25% 27%
2024年度 Q2 620.2 270.32 218.7
2023年度 Q2 527.47 203.25% 164.25
前年同期比 17.25%% 32.50% 33.20%

Microsoft社の「Earning Release FY24 Q1とQ2」からライター作成

 また、株価は2023年度の終値(2023年6月30日)1株=340.54ドルが、2024年度第2四半期の終値(2023年12月29日)1株=376.04ドルと35.50ドル上昇しました。そして2024年に入ると、株価はさらに急騰し、1株=415ドルを超える過去最高値を更新しています。

  マイクロソフトが提携強化を図るオープンAIは「生成AI」ブームの火付け役と言われています。今回の株価上昇は「マイクロソフトの業績が『生成AI』でさらに上向く」という投資家の期待が押し上げているとみていいのではないでしょうか。

GAFAの「生成AI」に対する取り組み

 マイクロソフト以外の「GAFA」による「生成AI」の取り組みも簡単にまとめておきます。

1)アルファベット(グーグル)

 同社は2023年12月、テキスト、画像、音声が処理できる次世代型の生成AI「 ジェミニ」を発表。ChatGPTで先行したオープンAIへの巻き返しを図っています。加えてエヌビディアが独占的なシェアを持つGPUの自社開発にも取り組んでいます。

2)アマゾン

 同社傘下にあるクラウドコンピューティング事業を手がけるAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)で生成AI用半導体の独自開発に取り組んでいます。2023年11月に文書作成や電子メールの下書きなどを支援する業務専用のチャットボットの「AmozonQ」を発表、月額20ドルでサービスを開始しました。

3)アップル

 2023年度の決算説明会(2023年11月)で、生成AIサービスの開発に取り組んでいることを、CEOのティム・クック氏は認めていますが、「生成AI」を謳ったサービスはまだ提供されていません(2024年2月時点)。ただ一部報道で、生成AIシステム開発のために複数年にわたって年間5,000万ドルを投資することが報じられたほか、次期のiOS18から高機能なSiriやLLM(大規模言語モデル)が搭載されるといった報道も出ています。

4)メタ・プラットフォームズ(フェースブック)

 Instagram(インスタグラム)やフェースブックを傘下に持つソーシャルネットワークのプラットフォーム企業メタは、2022年に対話型AIサービスを開始しましたが、ユーザーからの不人気で事実上の廃止に追い込まれました。しかし、2023年9月にチャットボットの「Meta AI」をリリース、インスタグラムやメッセージアプリの「Messenger(メッセンジャー)」に搭載してChatGPTとの間で開いた差を縮めようとしています。

外国株CFDのメリット

 これまで紹介したエヌビディアや「GAFAM」は時価総額ランキングの上位を占めています。時価総額の大きな企業は、市場価値、企業規模が大きく、信頼性も高いので、比較的低リスクで安定したリターンが期待できる銘柄でしょう。

 これらの海外優良企業に投資する方法は、個別現物株、投資信託、外国株CFDなどいろいろあります。それぞれの方法にメリット・デメリットがあります。

海外優良企業への投資方法

項目 外国株CFD 外国個別現物株 外国株投信
ポジション 売/買の両方 買のみ 買のみ
レバレッジ 〇〇倍 1倍(なし) 1倍(なし)
取引単位(※5) 1株 1株 1口
個別銘柄の選択(※6) 可能 可能 できない
必要最低資金 あり あり あり
追証&ロスカット あり なし なし
売買手数料(※7) なし あり あり
スプレッド(※8) あり あり あり
管理手数料(※9) なし あり あり
オーバーナイト金利 あり なし なし
分配金・配当金 あり あり あり

※5 投資信託は1口が取引単位。投資信託ごとに1口あたりの金額は異なる。
※6 投資信託の銘柄選択はファンドマネジャーが行い、定期的に入れ替えが行われる。
※7 個別株や外国投資信託の売買手数料は、売買代金額や販売する金融機関で費用が異なる。
※8 個別株や外国投資信託のスプレッド(為替手数料)は、原則、売買時に発生するが金融機関で費用は異なる。
※9 個別株や外国投資信託の口座管理手数料は金融機関によって異なる。
 

このように外国株CFDは
(1)「売り」と「買い」のいずれのポジションからでも始められる。
(2)レバレッジを利用して少ない資金で投資ができる。
(3)手数料はスプレッドのみでコストが安い。

このような特徴があるので短期売買する場合にメリットがあります。
 海外優良企業の株式は注目度も高く、取引材料も豊富なことから、日々の出来高が多い傾向にあります。言い換えると、株価が動きやすい銘柄でもあるわけで、その値動きを利用した短期売買で利益を積み上げたい人はCFDが投資方法としては最適でしょう。

外国株CFDの注意点

最後に外国株CFDの注意点を列挙します。

レバレッジをかけすぎない

 レバレッジを使うと少額で大きな利益を狙えますが、失敗したときの損失額も大きくなります。損失額が大きくなると、口座維持のために追加の資金(追証)が必要になる可能性があります。レバレッジをかけすぎないように注意をしましょう。

オーバーナイト金利が発生

 CFDでは投資家がCFD会社からお金を借りて「株式」を購入します。「借金」している以上、そのお金には「金利」が発生します。「買い」ポジションを翌日に持ち越した場合、CFD会社に借金している分の「利息」を支払います。これをオーバーナイト金利(※10)と呼びますが、こうしたコストを計算した上で、取引する必要があります。

※10 「売り」ポジションを翌日に持ち越したら、CFD会社に貸し付けている分の「利息」を受け取ることができる。

配当金を支払うことがある(権利調整額の発生)

 外国株CFDも個別現物株同様に投資額に見合った配当金が得られますが、「売り」ポジションの場合は、配当金分を支払うことになります。CFD独特のものなので注意が必要です。

為替リスクがある

 外国株CFDに限りませんが、海外に投資すれば、為替リスクが発生します。例えば、米国株投資ではドル/円レートの変動が損益に大きく影響を与えます。1ドル=150円で購入した10万ドルの株が、1ドル=160円になれば10万円の利益が出ますが、逆に1ドル=140円になれば10万円の損失が生じます。

 海外優良企業の短期売買で利益を獲得したいと思っている人は、こうした点に注意して外国株CFDを利用してみましょう。

 

大学卒業後、テレビ制作会社に勤務、NHKや民放局の報道番組でディレクターを務める。その後、出版業界に転じて金融・経済誌の編集者や記者として、政治・経済・金融などの記事制作に携わってきた。現在はフリーで活動中。FX歴は10年以上。実際にポジションを持って、FXトレーダーたちのトレード手法を確認する日々を送っている。

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