日銀は3月か4月の会合でマイナス金利を解除する可能性がかなり高い、一時的な円高に警戒を【マット今井 実践トレードのつぼ】
収録日:2024/3/7
元邦銀ディーラーの今井雅人氏が現状の世界経済を詳細に分析し、今後の為替相場動向まで踏み込み見通しを示します。
時間がない方向け「ポイント要約」
目次
0:00 今回のダイジェスト
0:42 足元の注目点 米雇用統計に注目
1:53 日銀会合 3月19日にもマイナス金利解除の可能性
2:48 ユーロドル見通し 1.11ドル前後までは視野に
3:19 メキシコペソ円見通し 神経質な展開続く
3:41 ドル円見通し 148円台は買いか
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要約
足元の注目点 米雇用統計に注目(要約)
相変わらず相場は方向感が全然出なくなってきています。こんな展開はまだ続きそうなんですが、いよいよ明日、米雇用統計がありますので、ここは注目しておきたいと思います。特に平均時給、前回年率で4.5%の伸び、今回4.4%ぐらいと言われていますが、やはり賃金が伸びている間ではなかなか利下げできないということですから、そのことを確認することになると思います。ただFRBのメンバーは既に、今年は年後半から利下げの可能性はあると、逆に言うと年後半まで利下げはないよ、と複数のメンバーが言っていますので、そこはもう何となくコンセンサスになってきている感じがします。そういう意味でいうと、マーケットの経済指標の結果に対する反応は、以前ほどではないのかもしれません。
あとは来週12日にアメリカのCPIもありますし、この2大イベントというのがアメリカの月例の重要な指標の発表ということになってきます。
日銀会合 3月19日にもマイナス金利解除の可能性(要約)
実は一番重要だと思っていますのは、3月19日の日銀の政策会合です。恐らく日銀は3月かあるいは4月の会合で、マイナス金利を解除する可能性がかなり高くなってまいりました。果たしてどちらか、というのが今後の争点になると思うんですが、3月19日にもマイナス金利が解除される可能性が出てきましたので、もし本当に解除されると、一時的にかなり円高になる可能性はあります。そういう意味においては、来週ぐらいからはそういう思惑が働き始めるかもしれませんので、僕もこれまで円安方向を見ながらクロス円の押し目買いを続けてきていますが、ちょっと注意をしないといけない時期に入ったのかなというふうには考えているところです。
ユーロドル見通し 1.11ドル前後までは視野に(要約)
僕はユーロドルを実は注目しているんですが、ユーロドルは日足のチャートを見ると、上昇トレンドをきちっと作ってきているんです。スピードはゆっくりなんですが。今1.09ドルに乗ろうとしていますけれども、1.11ドルぐらいまでは見えなくはないです。そういうところまでゆっくりとドル安が進むかどうかというのは一つの注目ポイントではありますけども、それほど大きなトレンドではないと思います。
メキシコペソ円見通し 神経質な展開続く(要約)
メキシコペソも、一時期8.88円近くまで上がって、いよいよ上に抜けるかなという感じでしたけども、また8.84円ぐらいまで少し戻ってまいりました。3月19日に日銀がありますから、その辺のところまでは神経質な展開が続くんじゃないかと思います。
ドル円見通し 148円台は買いか(要約)
正直なかなか難しい相場なので簡単には儲けることができない状態ではありますが、細かくレンジを取るということでやっていきたいなと思います。
ドル円も150円台で推移していましたが、今149円台の前半までズルズルと落ちてきてしまっています。こうなるとやっぱり買い水準を少し下げざるを得ないので、148円台に入ったところは1度買ってもいいんじゃないかなと。いずれにしても次の材料が出てくるまではなかなか動きづらいなという状況になってきたということですので、ここはあまり無理をしないで乗り切っていきたいと思います。
今井雅人 氏
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。
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