メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2024年3月1日16時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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メキシコペソ/円チャート(日足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
「先週のメキシコペソ/円は高値圏でのもみ合いが継続」
ペソ/円の先週の取引レンジは8.743円前後から8.824円前後でした。28日には8.824円前後まで強含みましたが、2月20日に付けた約15年ぶり高値の8.828円前後を前に伸び悩むと、翌29日にはドル/円の反落に歩調を合わせて8.743円前後に弱含みました。ただ、月末の持ち高調整と見られる売りが一巡すると3月1日の東京市場では再び8.823円前後へと持ち直すなど、15年ぶり高値にほど近い水準で高止まりしています。なお、メキシコ中銀は28日のインフレ報告でインフレ見通しを小幅に下方修正した上で「向こう数回の金融政策決定会合で政策金利を調節する(利下げを行う)可能性について検証する」と表明。一方で、「マクロ経済環境によって政策金利を調節できる局面でも、背景にある課題を考慮すると、調整は緩やかになるだろう」としました。
「今週のメキシコペソ/円の注目ポイントは2月CPI」
7日(木)にメキシコの2月消費者物価指数(CPI)が発表されます。メキシコ中銀がインフレの鈍化を背景に、今後数回の会合で利下げを検討する方針を示しているだけに、利下げ開始の時期を巡ってCPIの結果が注目されそうです。2月CPIの市場予想は前年比+4.42%となっており、前月の+4.88%からさらに伸びが鈍化して3年ぶりの低い伸びになると見られています。なお、中銀のインフレ目標は2~4%ですから、CPIの伸び率が上限の4%に近付くほど早期利下げ観測が高まりやすいと考えられます。2月CPIが市場予想以上に鈍化するようなら、中銀が次回3月21日の金融政策決定会合で利下げに踏み切るとの観測が強まることも考えられます。仮に利下げしても金利水準は他の多くの国より高く、ペソが高金利通貨であることに変わりはありません。このため、利下げ開始でペソが下落基調に転じる公算は小さいと見られますが、早期利下げ観測が広がったタイミングで一時的に手仕舞い売りなどを背景に反落する可能性はあるでしょう。その意味でも2月CPIの結果に注目です。
当面のメキシコペソ/円見通し
予想レンジ
8.700円~8.950円
基調
底堅い
当面の注目ポイント
☆3/7 メキシコ2月CPI
・主要国株価、国際商品価格
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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