ドル/円、150円の大台が視野に…米2023年CPI年次改定の結果に注目
東京市場のドル/円は、小高い展開。前日の流れを引き継ぎ円売りが先行すると、午後には米長期金利の持ち直しを受けて149.48円前後まで強含み、前日付けた年初来高値にほぼ並びました。なお、午前中の鈴木財務相による円安けん制発言や植田日銀総裁による衆院予算委員会での発言には相場は大きく反応しませんでした。
鈴木財務相発言
・為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要
・市場の動向をシッカリ注視
植田日銀総裁
・マイナス金利を解除しても緩和的な金融環境が当面続く可能性が高い
●日経平均株価:36897.42円(+34.14円)
●TOPIX:2557.88ポイント(-4.75ポイント)
欧州市場では米長期金利が上昇したことによるドル買い・円売りで一時149.57円前後まで上値を拡大しました。
NY市場では米2023年消費者物価指数(CPI)の年次改定が発表されます。昨年のように大幅な上方修正がなければ市場への影響は小さいと思われますが、念のため注意しましょう。なお、市場の関心は来週の米1月CPIに向かっていることから、よほどのことがなければ週末を控えて150円の大台を一気に突破することは難しそうです。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、10日移動平均線を下値支持に反発すると上値抵抗として意識されていた148.80円台を突破。149円台に乗せたことで上昇の勢いが強まりました。足元では、昨年11月の戻り高値である149円台半ばで伸び悩んでいますが、上抜けると150円台を試す展開となりそうです。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
2/9(金)
19:30 ナーゲル独連銀総裁講演
21:00 メキシコ12月鉱工業生産
22:30 カナダ1月新規雇用者数
22:30 カナダ1月失業率
23:15 チポローネECB専務理事講演
27:30 ローガン米ダラス連銀総裁講演
-----☆米2023年消費者物価指数・年次改定
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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