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ポンド/円・豪ドル/円の2月見通し「各国で利下げ観測 それでも円高にはなりにくい」

【外為総研 House View】

House View

執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼ポンド/円
・ポンド/円の基調と予想レンジ
・ポンド/円 1月の推移
・1月の各市場
・1月のポンド/円ポジション動向
・2月の英国注目イベント
・ポンド/円 2月の見通し

▼豪ドル/円
・豪ドル/円の基調と予想レンジ
・豪ドル/円 1月の推移
・1月の各市場
・1月の豪ドル/円ポジション動向
・2月の豪州・中国注目イベント
・豪ドル/円 2月の見通し

ポンド/円

ポンド/円の基調と予想レンジ

ポンド/円 1月の推移

1月のポンド/円相場は178.721~188.924円のレンジで推移し、月間の終値ベースで約3.8%上昇した(ポンド高・円安)。

元旦に発生した能登半島地震の影響で日銀のマイナス金利解除が後ずれするとの観測や、新NISA(小額投資非課税制度)のスタートによって本邦個人投資家の海外投資意欲が高まったとの見方から円売りが先行。2日に178円台後半の安値を付けたポンド/円は、5日には早くも184円台に一時上昇した。その後も堅調を維持するとドル/円が1カ月半ぶりの高値を付けた19日に188.92円前後まで続伸。2015年8月以来、8年5カ月ぶりの高値を付けた。

その後月末にかけて値動きがやや鈍り187-188円台でもみ合ったが、31日には米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて米国株が下落する中、186円台に値を下げて1月の取引を終えた。なお、1月のポンド/ドル相場は小幅なレンジでもみ合いに終始。必然的にポンド/円はドル/円の動きにつれて変動する場面が多かった。1月は英中銀(BOE)の金融政策委員会(MPC)が開催されなかったことなどもあって英国発のポンド変動要因は比較的少なかった。

始値 高値 安値 終値
179.224 188.924 178.721 186.439

出所:外為どっとコム

12日
英11月国内総生産(GDP)は前月比+0.3%と市場予想(+0.2%)を上回った。同鉱工業生産は前月比+0.3%で予想に一致。同貿易収支は141.89億ポンドの赤字と赤字額は市場予想(156.50億ポンド)より少なかった。

16日
英12月失業率は前月から横ばいの4.0%、同失業保険申請件数は1.17万件(前月0.06万件)だった。また、9-11月の週平均賃金(除ボーナス)は前年比+6.6%と市場予想通りに前回(+7.2%)から伸びが鈍化した。

17日
英12月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.4%、前年比+4.0%と市場予想(+0.2%、+3.8%)を上回った。前年比の伸び率が前月から加速するのは10カ月ぶり。12月は、エネルギーや食品などを除いたコアCPIも前年比+5.1%と予想(+4.9%)を上回る伸びとなった。

19日
英12月小売売上高は前月比-3.2%、前年比-2.4%と市場予想(-0.5%、+1.1%)を大幅に下回った。英経済が2023年第4四半期に景気後退(リセッション)入りしたリスクが高まった。

24日
英1月製造業PMI・速報値は47.3と市場予想(46.7)を上回り前月(46.2)から上昇。同サービス業PMI・速報値も53.8と市場予想(53.2)および前月(53.4)を上回った。

1月の各市場

1月のポンド/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

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2月の英国注目イベント

ポンド/円 2月の見通し

英中銀(BOE)は1日、政策金利を5.25%に据え置いた上で声明から「インフレ圧力がさらに強まれば一段の引き締めが必要になる」との一文を削除。代わりに「政策金利を現在の水準にどの程度維持すべきか検討する」として利上げサイクルの終了を事実上宣言した。

ただし、これは市場から見ればすでに織り込み済みであり、関心は利下げ開始時期に向かっていた。市場は5月にもBOEが利下げに転じるとの見方に傾いていたが、議事録で2人の金融政策委員が利上げを支持していたことが判明すると利下げ観測が後退。1日終了時点で5月の利下げは五分五分との見方が示されている(英金利先物)。

英国のインフレは落ち着きつつあるが、依然として食品やエネルギーを除いたコアインフレは5%台で高止まりしている。サービスインフレはさらに高い6%台で推移している。一方で失業率は低位で安定しており、賃金の伸びも鈍化したとはいえ6%台の高水準を維持している。当初はマイナス成長が見込まれていた2023年の国内総生産(GDP)成長率はプラスを確保した模様だ。

こうした経済状況ではBOEが早期の利下げに踏み切る公算は小さいと言えるだろう。それでも5月利下げの確率が依然として5割前後あることを踏まえると、2月のポンドは引き続き早期利下げ観測の後退が支援材料になりやすいと考えられる。ポンド/円も堅調な展開が続きそうだ。
(予想レンジ:183.000~191.500円)

豪ドル/円

豪ドル/円の基調と予想レンジ

豪ドル/円 1月の推移

1月の豪ドル/円相場は95.844~97.877円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約0.5%上昇した(豪ドル高・円安)。

ただ、1月の豪ドルは米ドル、ユーロ、ポンドなど主要通貨に対して軒並み下落。同じオセアニア通貨のNZドルに対しても下落しており、豪ドル/円の小幅な上昇は豪ドル安以上の円安が進行したためと見ることができる。実際、1月の豪ドル/円の値幅はほぼ2円で2021年5月以来の小動きだった。米欧の利下げ観測などを背景に株価が世界的に堅調だったことから豪ドル/円の下値は限られた反面、中国景気を巡る不安がくすぶり続けたため上値も限られた。

なおこの間、豪ドル/円相場においては強い手掛かり材料にはならなかったが、豪12月雇用統計が軟調だったほか、豪10-12月期消費者物価指数(CPI)が予想以上に鈍化。また豪12月小売売上高は予想以上に落ち込んだ。昨年12月時点では僅かに残っていた豪中銀(RBA)の利上げを巡る市場の期待は、これらを受けて完全に消滅した。

始値 高値 安値 終値
95.945 97.877 95.844 96.467

出所:外為どっとコム

9日
豪11月小売売上高は前月比+2.0%と市場予想(+1.2%)を大きく上回った。同時に発表された豪11月住宅建設許可件数も前月比+1.6%と予想(-2.0%)に反して増加した。

10日
豪11月消費者物価指数(CPI)は前年比+4.3%と市場予想(+4.4%)を下回り、前月(+4.9%)から伸びが鈍化。生鮮食品や自動車燃料などを除いたコアCPIも前年比+4.8%と前月(+5.1%)から鈍化した。

12日
中国12月消費者物価指数(CPI)は前年比-0.3%と3カ月連続のマイナスとなった。市場予想は-0.4%だった。同生産者物価指数(PPI)は前年比-2.7%(予想-2.6%)で、15カ月連続のマイナスだった。その後に発表された中国12月貿易収支は753.4億ドルの黒字と、黒字額は市場予想(749.5億ドル)を僅かに上回った。

17日
中国10-12月期国内総生産(GDP)は前年比+5.2%と、7-9月期(+4.9%)を上回る伸びとなったが、市場予想(+5.3%)には届かなかった。中国12月鉱工業生産は前年比+6.8%(予想+6.6%)、同小売売上高は前年比+7.4%(予想+8.0%)だった。

18日
豪12月失業率は予想通りに前月から横ばいの3.9%、同新規雇用者数は6.51万人減と予想(+1.50万人)に反して減少した。同労働参加率は求職者の減少を背景に前月の67.3%から66.8%へと急低下した。

24日
中国人民銀行(PBOC)は2月5日から預金準備率を0.5%引き下げると発表。潘功勝総裁は会見で預金準備率の引き下げにより、1兆元が市場に放出されると説明した。

29日
経営再建中の中国不動産大手恒大集団に対し、香港高裁は法的整理にあたる「清算命令」を発出。香港の法的整理を通じて債権回収を進めたい海外債権者の申し立てを認めたが、本土の裁判所が香港高裁の命令に従うかは不透明とされる。なお、同社の資産の大部分は中国本土にある。

31日
豪10-12月期CPIは前年比+4.1%と市場予想(+4.3%)を下回り7-9月期の+5.4%から伸びが鈍化した。コアCPIにあたるトリム平均値も前年比+4.2%と予想(+4.3%)を下回った(7-9月期+5.1%)。また、12月CPIは前年比+3.4%だった(予想+3.7%、前回+4.3%)。

1月の各市場

1月の豪ドル/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
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2月の豪州・中国注目イベント

豪ドル/円 2月の見通し

中国不安と国内経済の不調が相まって、市場ではここひと月の間に豪中銀(RBA)の利上げ期待が霧散。足元の市場は、早ければRBAが5月にも利下げに転じるとの見方に傾いている。1月31日に発表された豪10-12月期消費者物価指数(CPI)がRBAの予測を下回る前年比+4.1%に鈍化。12月単月のCPIはRBAのインフレ目標にあと0.4ポイントに迫る+3.4%に上昇幅を縮めた。2月6日の政策理事会でRBAが物価の先行きをどのように判断するか注目したい。

もうひとつのRBAのミッションである雇用(最大化)にも暗雲が広がっている。12月雇用統計では新規雇用者数が6.5万人も減少した。12月(年末)という季節性を考慮しても大きな落ち込みだった。15日の豪1月雇用統計の結果にも注目が集まるだろう。なお、豪労働党政権は来年度の予算に生活費軽減策を盛り込む考えを示しており、政策の重点は景気対策に移ったとの見方もある。RBAの金融政策運営も物価重視から景気重視の方針に移る可能性が否定できないだろう。 2月の豪ドル相場は利下げ観測に上値を抑えられる展開を見込む。

豪ドル/円については円の動きがカギを握ることになるだろう。日銀は3月にもマイナス金利を解除するとの観測が再び高まっているが、そうした観測はもはや円高材料にはなりにくそうだ。解除は3月でなくとも4月には実施されるとの見方が多く、その意味では「時間の問題」であり、かつ「織り込み済み」だろう。当の日銀がたとえマイナス金利を解除しても緩和環境は維持されると強調している点や、貿易や投資などの面で為替需給が円売り超に傾いている点を踏まえると、瞬間的な反応はともかく円高への転換点になるとは考えにくい。2月も円高に振れる公算は小さいと見ており、円安基調が豪ドル/円の下支えになると見ている。
(予想レンジ:94.000~98.500円)

 
kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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