ドル/円、9月以来の144円台へ軟化…12月日銀会合でのマイナス金利解除を4割織り込む
東京市場のドル/円は軟調な展開。序盤から本邦長期金利が上昇したことに加え、アジア株安を受けて円買いが強まりました。終盤には146.50円台まで下落しています。
昨日、氷見野日銀副総裁の講演が比較的タカ派と受け止められたことで、早期のマイナス金利解除の思惑が浮上。金融政策予想を反映するオーバーナイト・インデックス・スワップは12月会合でのマイナス金利解除の可能性を一時40%強まで織り込みました。 また、本日は植田日銀総裁が国会答弁で「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」と発言。そうしたことから本邦長期金利が大幅上昇となり円買いが強まりました。欧州時間には、一時144.50円台まで軟化して9月1日以来となる安値を更新しました。
今週に発表されたJOLTS求人件数やADP全国雇用者数の結果から米労働市場の減速が意識されています。そうした中で今夜は、米11月チャレンジャー人員削減数と米新規失業保険申請件数が発表されます。ただ、明日に米11月雇用統計の発表を控えているためドル/円に対して決定的な材料とはなりにくそうです。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、80日移動平均線が下向きに転じた上にRSIが30ラインを割ったこともあり売り圧力が強まっていることが分かります。すでに本日始値から2円以上下落しており中期上昇トレンドで重要となる145円を割り込み144.50円台まで下落しています。なお、144.00-145.00円が支持ゾーンとなっているため同ゾーンを下抜けた場合は下落基調に転じることも考えられます。一方で145円台へ反発すれば底堅い推移が続く可能性があります。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
12/7(木)
19:00 ユーロ圏7-9月期GDP・確定値
21:00 メキシコ11月消費者物価指数
21:30☆米11月チャレンジャー人員削減数
22:30 カナダ10月住宅建設許可件数
22:30☆米新規失業保険申請件数
24:00 米10月卸売売上高
24:00 エルダーソンECB専務理事講演
----- ユーロ圏財務相会合
12/8(金)
08:30 日本10月勤労統計調査
08:50 日本7-9月期GDP・改定値
08:50 日本10月経常収支
08:50 日本10月貿易収支
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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