ドル/円、147円を挟んでもみ合い…労働市場の減速に警戒、米11月ADP全国雇用者数に注目
東京市場のドル/円は、小じっかりの展開。アジア株高を意識した円売りで一時147.39円前後まで強含みました。ただ、その後は147.10円台に押し戻されるなど、やや伸び悩んでいます。
欧州市場に入ると、独10月製造業受注が予想外に落ち込んだことからユーロ/円が下落。その動きに連れてドル/円も弱含むと146.90円前後まで値を下げました。しかしその後は切り返して147円台へ持ち直しています。
昨日の米10月JOLTS求人件数が2021年3月以来の水準まで減少したことで米労働市場の減速が意識されています。そうした中で、今夜は米11月ADP全国雇用者数が発表されます。しかし、市場では今週末の米11月雇用統計に注目が集まっていることからドル相場を動かす決め手にはなりにくいでしょう。今夜のドル/円は147円台を中心に方向感の出にくい相場展開が想定されます。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、4時間足のチャート形状は11月高値(151.91円)から高値と安値を切り下げているため下落基調は継続していると見れます。足元では146.22円前後の安値から反発していますが下落トレンドラインや148.00円前後が上値抵抗として意識されそうです。また、11月21日以降に安値を更新する中でMACDは安値を切り上げるダイバージェンス(逆行現象)が続いています。このダイバージェンスが今後、ドル/円の反発上昇を示唆している可能性もありますので、念のため警戒しておきましょう。
ドル円 4時間足チャート
この後の経済イベント
12/6(水)
19:00 ユーロ圏10月小売売上高
19:30 BOE金融安定報告書
20:00☆ベイリーBOE総裁記者会見
22:15☆米11月ADP全国雇用者数
22:30 カナダ10月貿易収支
22:30 米10月貿易収支
24:00☆カナダ中銀政策金利
24:30 EIA週間原油在庫統計
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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