ドル/円、年初来高値（151.71円）を意識した展開…米国祝日で動意が鈍る可能性も
東京市場のドル/円は高止まりの展開。週末を控えた持ち高調整と見られる動きが中心で、年初来高値（151.71円前後）を前に151.20円台から151.40円台の小幅な値動きとなりました。
本日は米11月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値の期待インフレ率が発表されます。しかし、市場は来週14日の米10月消費者物価指数（CPI）に注目しており、市場予想（1年4.0％、5-10年3.0％）からよほどかけ離れた結果とならない限りはドル/円への影響は限定的となりそうです。また、米国はベテランズデーの祝日（株・債券市場は通常取引）のため、NY市場では動意が鈍る可能性があります。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、10・20・80日移動平均線が上向きを維持しており、RSIが50ライン上で推移しているため上昇トレンドに変化はありません。また、4日連続の陽線が出現しており堅調推移であることが窺えます。目先は、年初来高値や昨年高値（151.94円前後）、152.00円の節目が上値抵抗として意識されやすそうです。仮に反落したとしても150円台では10・20日線が下値支持となり下げ渋る可能性があります。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
11/10（金）
21:00 メキシコ9月鉱工業生産
21:30☆ラガルドECB総裁講演
21:30 ローガン米ダラス連銀総裁講演
23:00 ボスティック米アトランタ連銀総裁講演
24:00☆米11月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値
24:20 ナーゲル独連銀総裁講演
29:30 ボスティック米アトランタ連銀総裁講演
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
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本日の注目トピック
＜豪中銀四半期金融安定報告＞
11月会合では利上げ停止も検討したがインフレが高止まりのため、リスクを考慮し利上げ再開した。
豪中銀は四半期金融政策報告を公表した。11月会合では5会合ぶりに利上げを再開したが、金利据え置きも検討していたことが判明した。
豪中銀はインフレが中銀目標の2-3%に戻るのは2025年末と予想、好調な経済が引き続き労働市場を下支えると予想している。発表された経済データは今後数四半期のインフレ抑制に、これまで考えていたよりも時間がかかる可能性が高く、インフレが長期にわたって高止まりするリスクが高まっていると指摘。インフレが妥当な期間内に目標に戻ることをより確実にするため金利を引き上げたと明かした。
パンデミックによる混乱が薄れるにつれ生産性の伸びが加速、単位労働コストの伸びが抑制され、インフレ圧力がさらに緩和する可能性がある。そのためインフレが妥当な期間内に中銀目標に戻る可能性は依然としてある。
ただ、利上げをさらに停止すれば、中東情勢の進展により世界的なエネルギー価格や経済活動の見通しにどのような影響を与えるかを検討する時間がさらに増す可能性もあると指摘。
外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員宇栄原 宗平（うえはら・しゅうへい）
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月（株）外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか！』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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