執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
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豪ドル/円チャート(日足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
「足元の豪ドル/円は93円台で下げ渋る展開」
7日、豪7月貿易収支と中国8月貿易収支がいずれも冴えない結果となったことで豪ドルは軟化。8日午前には鈴木財務相が円安をけん制したことで円買いが強まると93.58円前後まで下落しました。しかしこの日は、原油高や米株高を支えに海外市場で94円台を回復。11日も、植田日銀総裁のマイナス金利解除絡みの発言を受けた円買いで93.70円前後へと下落したものの、中国当局が通貨安を強くけん制したことで人民元相場が反発する中、再び94円台を回復するなど底堅く推移。12日にはNY原油(WTI)が年初来高値を更新する中で94.50円台へと上昇し、13日の東京市場では94.71円前後まで強含む場面もありました。
「目先の豪ドル/円の注目ポイントは豪雇用統計」
14日に豪8月雇用統計が発表されます。豪中銀(RBA)は、これ以上の利上げは不要との見方に傾いているようですが、その理由の一つとして「労働市場が転換点を迎えた初期の兆しがある」ことを挙げています。前回の豪7月雇用統計では新規雇用者数が減少(前月比マイナス)し、失業率が悪化(上昇)しました。それだけに、今回の豪8月雇用統計が重要な意味を持ちそうです。7月の月次インフレ率が2年5カ月ぶりに4%台(4.9%)へ鈍化するなどインフレのピークアウト感が強まる中、労働市場の過熱感低下も続くようなら、市場にいくぶん残っている年内の追加利上げ観測(10月は利上げ期待はすでにゼロ)がほぼ消滅する可能性もあるでしょう。
当面の豪ドル/円の見通し
予想レンジ
92.500円~96.000円
基調
方向感模索
当面の注目ポイント
・9/14☆豪8月雇用統計
・主要国株価、国際商品価格
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経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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