日銀金融政策決定会合に大注目【マット今井 実践トレードのつぼ】
収録日:2023/7/27
今井雅人氏が現状の世界経済を詳細に分析し、今後の為替相場動向まで踏み込みます。
目次
0:00 FOMC振り返りとドル円展望
2:47 本日(7/27)のECB理事会
3:23 日銀会合 金融緩和政策の行方
5:21 日銀会合の政策変更有無による為替への影響
要約
FOMCが政策金利を予想通り0.25%引き上げました。これは驚くべき結果ではありませんでした。その後の金利引き上げはデータに依存し、9月のFOMCでは利上げもなく、利上げもあり得るとパウエル議長が述べました。
また、先日発表された消費者物価指数が年率で3.0%となり、かなり下落していきています。そのこと自体は望ましいことだと言いながら、コアの消費者物価が下がっていないことが問題だと言っています。全体のCPIが3%に低下した原因はエネルギー価格の下落など特殊要因であり、基本的なインフレがまだ収束していないので問題であるという認識を持ってるということがはっきりしました。
同時に、今年度中の利下げはないと言及され、明確なメッセージが示されました。しかし、来年の利下げを予想するメンバーも存在しており、ドルに対する将来的な下落要因が示唆されています。
FOMCの次回会合は9月で、それまではドルに関する大きなイベントがないため、ドル相場は混沌とした状態が続くと予想されています。
一方、ECBも0.25%の利上げが確定的で、データを見て都度判断するとされています。欧州のインフレ率は5%を超えており、引き続き利上げが必要とのメッセージが出ると予想されていまし、そのことは予想通りですので、今日もECBはあまり大きなサプライズにはならないんではないかなと思います。
問題は日本銀行の動向です。内田副総裁がバランスを取りながら判断すると発言したことから、政策変更の可能性が囁かれています。また、IMFは日本銀行のYCC(イールド・カーブ・コントロール)政策の終了を警告しています。一部の市場関係者はYCCの変動幅拡大や、廃止の可能性を予想しています。
今回の日銀の会合は非常に注目をされています。金曜日の正午前後というのは非常に注目をしておかなければいけないということでありまして、まだ働いてる皆さんは仕事の時間ですけども、昼休みかもしれませんので、できればそこは時間を作って見ておいていただく方がいいんじゃないかなと思います。ただ、そこを乗り越えていくと来週以降はもう本当に材料がなくなってしまうので、なかなか動かないんじゃないかなというふうには思います。
私はおそらく日銀は政策変更しないと思いますが、政策変更された場合、かなり円高になる可能性があります。政策を変更しなかった場合は、円安方向に向かうと思いますが、どれぐらい本格的に向かうのかっていうのは少し読みづらいです。行ってもドル円で2円ぐらいかなというふうには考えているところで、結果を見てまた判断をしていきたいと思います。
今井雅人 氏
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。
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