ドル/円、介入警戒が薄まる海外市場で144円突破するのか!? 明日は政府による円安けん制に注意…
本日、東京市場のドル/円は下値が堅い展開。中国当局による元買い介入と見られるドル売りの影響などから143.20円台まで小緩みましたが、米債利回りが上昇に転じる中で下値は限定的でした。午後には143.60円台へと切り返すなど底堅い動きとなりました。
欧州市場に入ると、為替介入への警戒感がやや薄れたことに加えて、米債利回りが上げ幅を拡大する中で、143.94円前後と2022年11月10日以来の高値を更新しています。
今夜は米5月耐久財受注(21:30)や米6月消費者信頼感指数(23:00)など複数の米経済指標が予定されていますので、これらの結果を受けたドルの値動きにも注目です。仮に144円台で明日を迎えた際には、再び政府による円安けん制発言が入ると思われますので注意しておきましょう。
ドル/円の日足チャートを見ると、高値・安値を切り上げる流れが続く中で、10・20・80日移動平均線が上向きを維持しつつ乖離幅を拡大しており上昇基調が継続していることがわかります。次のチャートポイントは、節目の144.00円前後、145.00円が意識されそうです。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
6/27(火)
21:00 メキシコ5月貿易収支
21:30 カナダ5月消費者物価指数
21:30☆米5月耐久財受注
22:00 米4月FHFA住宅価格指数
22:00 米4月ケース・シラー住宅価格指数
23:00☆米5月新築住宅販売件数
23:00☆米6月消費者信頼感指数
23:00 米6月リッチモンド連銀製造業指数
26:00 米5年債入札(430億ドル)
※☆は特に注目の材料
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今日の注目トピック
本日、円安基調が強まり年初来高値(143.94円前後)を更新する動きを見せています。そうしたことから、明日6月28日に政府が円安をけん制してくる可能性があります。そのため、前日の同レポートに記載した昨年の為替介入時のポイントを再度お伝えいたします。
昨年の為替介入前の動きを参考にすると、今後「あらゆる手段を排除しない」や「いつでもやる用意がある」などと為替当局者から強く円安をけん制する発言が出てくるといつ介入が入ってもおかしくない状況となりえそうです。 昨年は3度の円買い介入が実施されています。
・9月22日(木) 2兆8382億円(ドル売り・円買い)
>高値145.906円 安値140.347円
・10月21日(金) 5兆6202億円(ドル売り・円買い)
>高値151.942円 安値146.159円
・10月24日(月) 7296億円(ドル売り・円買い)
>高値149.695円 安値145.449円
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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