執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
豪ドル/円(月足)2015年1月から2023年6月
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
直近1週間のポイント
・日経平均株価が33年ぶり高値
・中国景気刺激策への期待
「足元の豪ドル/円は7カ月ぶりに95円台へ上伸」
米債務上限問題が片付いたことや豪中銀(RBA)の予想外の利上げなどを背景に、豪ドル/円は6月に入り上昇基調を強めています。足元では、日経平均株価が3万2000円台に乗せた9日に一時94円台を回復しました。13日には日経平均株価が33年ぶりに3万3000円台へ続伸。さらに、景気後退懸念がくすぶる中国で、景気浮揚に向けた広範囲な経済対策が近く打ち出されるとの観測が浮上したことで95.05円前後まで上伸して昨年11月8日以来の高値を付けました。
「目先の豪ドル/円の注目ポイントは5月雇用統計」
15日に発表される豪5月雇用統計に注目です。RBAは予想外の利上げを決めた6月6日の会合で、追加利上げの可能性に含みを持たせた上で物価と労働市場の動向に細心の注意を払うと表明しました。豪政策金利先物の7月利上げの織り込みは4割程度にとどまりますが、豪5月雇用統計の結果次第でこの織り込み度合いが大きく変化する可能性があります。雇用統計が予想以上に強く7月の追加利上げ期待が高まれば豪ドルは一段高が予想される一方、冴えない雇用統計で利上げ見送り観測が強まれば、ひとまず調整が入る可能性もあるでしょう。その他、値上がりが続いている日本株を筆頭に、主要国の株価動向も豪ドル/円の相場展開に大きく影響しそうです。
当面の豪ドル/円の見通し
予想レンジ
92.50円~97.00円
基調
波乱含み
来週までの注目ポイント
・6/15 ☆豪5月雇用統計
・主要国株価、国際商品価格
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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