ドル/円、139円台で方向感摸索の展開…米債利回りの動きを睨んだ展開へ
本日、東京市場のドル/円は、弱含みの展開。日経平均株価が約33年ぶりの高値更新後に一転して大幅安となったことからリスク回避の円買いが優勢となりました。株式市場寄り付き前の139.60円台から139.10円台へと軟化しました。
欧州時間に入ると、139.10円台のサポートを意識した押し目買い意欲が高まる中で米10年債利回りが上昇したことも相まって139.49円前後まで持ち直しています。
ドル/円は、139円台を中心に方向感を模索する展開が続いています。来週13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが見送られるとの見方が高まっているだけに積極的なドル買いは手控えられているようで、140円前後が上値抵抗として意識されています。そうした中で、今夜も米債利回りの動きを睨んだ展開となるでしょう。カナダ中銀の利上げを巡る判断も米債利回りの動きに影響しそうです。仮に利回りが低下するようなら、139円台を割り込む事も考えられるため注目です。
テクニカル分析で見ると、20・80日移動平均線が上向きを維持する中で10日線が横這いとなり上値を抑える展開となっています。チャート形状については三角保ち合いを形成しており方向感が定まっておりません。そのため139円台でのレンジ推移を意識しつつ上下どちらかにブレイクした際は改めて方向感やモメンタムを見極めていきましょう。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
6/7(水)
21:00 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁講演
21:30 カナダ4月貿易収支
21:30 米4月貿易収支
23:00☆カナダ中銀政策金利
23:30 米週間原油在庫統計
28:00 米4月消費者信用残高
※☆は特に注目の材料
今日の注目トピック
本日、FX投資詐欺グループのアジトが摘発されました。このグループによる被害総額はおよそ25億円に上ると見られています。被害者は電話で実在しない会社の社員を名乗る者から「海外の証券会社に投資すれば利益が出る」などと投資話を持ち掛けられたそうです。資産を増やしたいという欲望につけ込んだ詐欺は昔から多くの事件が起きています。そのような投資詐欺から身を守るためには、常に慎重さと疑いの目を持つことが重要です。もし投資の話が舞い込んだ場合は、最低限以下の点に留意してください。
1.信頼できる会社かどうかを確認する(公式ウェブサイトや認可機関の登録情報をチェック)
2.リスクについて説明されているか(断定的な利益保証には警戒)
3.第三者に相談する
「うまい話には裏がある」ということを念頭に置き、注意する必要があります。
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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