141円を視野に円安加速!ISM非製造業景況指数に注目
本日、東京市場のドル/円は底堅く推移しました。米5月雇用統計を受けたドル買い・円売りの流れが続き140.26円前後まで上伸。その後上昇は一服したものの、日本株の大幅高などから下値は限定的でした。欧州時間では、再びドル買いが強まり140.45円前後まで上値を拡大するなど140円台での推移が続いています。
米連邦準備制度理事会(FRB)が6月会合で利上げを見送る一方、7月にも利上げを再開するとの観測が高まる中で、今夜は米5月ISM非製造業景況指数に注目が集まります。市場予想は52.4と前回(51.9)から若干の上昇が見込まれています。市場予想を上回る結果となればドル/円は140円台で上値摸索の展開になる可能性があります。
テクニカル分析からドル/円の環境を確認しましょう。一目均衡表を見ると、注目していた雲ねじれ日(6月2日)に反発上昇となり転換線を上抜けました。上昇基調が継続する中で140円台を回復し上値摸索の展開となっている事から、この先141円を目指すことも考えられます。しかし、5月高値の140.93円前後は上値抵抗と意識されていますので伸び悩む可能性があることには注意しておきましょう。
ドル/円
この後の経済イベント
6/5(月)
22:00☆ラガルドECB総裁、講演
22:45 米5月サービス業PMI・改定値
22:45 米5月総合PMI・改定値
23:00☆米5月ISM非製造業景況指数
23:00 米4月製造業新規受注
23:00 ナーゲル独連銀総裁、講演
26:30 メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
※☆は特に注目の材料
今日の注目トピック
日経平均株価の上昇が止まりません。本日、終値が3万2217円と1990年7月以来の高値を更新しています。先週末の米雇用統計を受けた米株高や再加速している円安などを支えに日本株高が続いています。また、チャート分析で見ると2021年に3万円到達後はじりじりと下落しながら上昇フラッグを形成していました。その後、上昇フラッグ上限をブレイクすると勢いが加速。先月、終値で3万円台に乗せたこともあり強気相場が継続しています。目先は、1990年7月高値3万3186円前後を目指す展開も考えられるでしょう。なお、市場には日銀による大規模金融緩和策に修正が入ると一時的に下落する可能性があるという警戒の声がありますので今後の日銀会合には注意を払っておきましょう。
図:日経平均株価(月足) 出所:ブルームバーグ
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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