ドル/円、140円台へ持ち直すか?米JOLTS/債務上限を巡る議会採決に注目!
本日、東京市場のドル/円は軟調に推移。午後に入り日本株や中国株が下げ幅を拡大すると、リスク回避の円買いが強まる中、クロス円の下落につれて139.30円台まで下値を広げました。欧州時間に入ると、ダウ先物が下げ幅を縮小したことや米債利回りが下げ渋ったことでドル/円は139.99円前後まで反発しています。
今夜は米4月JOLTS求人件数に注目です。市場予想は940.0万件と前回(959.0万件)から減少すると見られています。そうした中で仮に市場予想を下回るようだと、米労働市場のひっ迫が一段と緩和したとの見方からドル売りが強まる可能性があります。他方で、米下院での債務上限引き上げ法案を巡る議会採決にも注目が集まるでしょう。採決結果は、日本時間6月1日の早朝に伝わる見通しです。為替市場の参加者が限られる時間帯のため、急な値動きには注意が必要です。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、10・20・80日移動平均線が上向きを維持しつつ乖離幅を拡大していることから上昇基調は継続と見れます。140円台の上値が重い状況ですが、10日移動平均線がサポートとなり底堅いようにも見えます。足元では、139円台で方向感のない展開となっていますが、140円を上抜くと上昇再開、10日移動平均線を下抜くと139円割れを試すことも考えられます。
ドル/円
この後の経済イベント
5/31(水)
21:00☆独5月消費者物価指数・速報値
21:30☆カナダ3月GDP
21:30☆カナダ1-3月期GDP
21:50 コリンズ米ボストン連銀総裁、ボウマンFRB理事、講演
22:15 マン英MPC委員、講演
22:45 米5月シカゴ購買部協会景気指数
23:00☆米4月JOLTS求人件数
25:30 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
26:30 ジェファーソンFRB理事、講演
27:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
28:30☆米下院にて債務上限を巡る議会採決
※☆は特に注目の材料
今日の注目トピック
今朝6時半に沖縄県を対象としてJアラートで「北朝鮮からミサイルが発射されたものと見られます。建物の中や地下に避難して下さい」と伝わりました。結果的に日本を含め近隣諸国にも被害はありませんでしたが、北朝鮮の「軍事偵察衛星」打ち上げは、近いうちにも2回目、3回目が想定されるとのことで引き続き警戒する必要があります。
過去にはミサイル発射の報道で「リスク回避の円買い」が強まり円高に振れることもありましたが、今では市場が『ミサイル慣れ』という状態で為替相場が反応しづらくなっています。しかし、北朝鮮情勢がエスカレートしていくと市場がリスク回避の姿勢を強めて相場が急変する可能性も考えられます。
今回直接的な被害はなかったものの、万が一があり得ることですので、いち早い収束を願うところです。
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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