執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
南アフリカランド/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
直近1週間のポイント
・武器供与疑惑は沈静化
・ドル/円の上昇につれ高
・対ドルでは伸び悩む
足元の南アフリカランド/円は2年3カ月ぶり安値から持ち直す
ランド/円は、南アフリカによるロシアへの武器供与疑惑で12日に付けた2年3カ月ぶりの安値6.907円前後から持ち直す動きとなり、23日には7.232円前後へと強含みました。
武器供与疑惑については南アフリカの退役判事らが独立調査を行うなどしたことで沈静化に向かっています。
その後もドル/円の上昇につれて堅調に推移。米債務上限問題を巡る懸念が一次的に和らいだこともあって22日には7.2円台を回復しました。
翌23日には2週間ぶりに7.232円前後まで上昇する場面もありました。ただ、対ドルでは19.20ランド付近で伸び悩むなど、19日に付けた史上最安値(ドル/ランドの史上最高値)である19.5247ランド前後からの戻りは限定的となっています。
電力不足などによる南ア経済低迷への懸念がランドの重しになっているようです。
注目ポイントは南ア中銀
25日に南アフリカ中銀が政策金利を発表します。
10-12月期国内総生産(GDP)が前期比-1.3%に落ち込むなど、同国の景気は低迷していますが、中銀は50bp(0.50%ポイント)の追加利上げを決めると予想されています。
予想通りなら、政策金利は2009年以来の8.25%になる見通しです。
南ア経済は景気後退とインフレが同居するスタグフレーションが懸念される状況ですが、中銀はインフレ抑制を優先する形で利上げを継続すると見られています。
ただ、利上げによって景気後退への懸念がさらに強まりかねないため、足元のランドは利上げでも買われにくい通貨のひとつと考えられます。
ランド/円も、ドル/円の上昇がなければ大幅な上伸は難しそうです。
来週までの南アフリカランド/円の見通し
予想レンジ
7.050~7.300円
基調
上値重い
来週までの注目ポイント
☆5/25 南ア中銀政策金利
・主要国株価、国際商品価格
「為替チャート|南アフリカランド/円(ZARJPY)|60分足」はこちら
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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