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らくらくFX積立のシミュレーションをしてわかった人民元/円の優位性

これまで、ドル/円、豪ドル/円、トルコリラ/円、メキシコペソ/円の4つの通貨ペアで長期にわたってFX積立投資をした場合のシミュレーション結果を紹介しました。
 
今回は人民元/円でシミュレーションしてみます。

■結論だけ知りたい方はこちらの動画から!
 
【参考記事】
外貨投資を20年続けたシミュレーションでわかった、「長期投資」に向いているFX通貨ペアとは?(ドル円、豪ドル円、トルコリラ円) - 外為どっとコム マネ育チャンネル

【参考記事】
らくらくFX積立のシミュレーションをしてわかったメキシコペソ/円の優位性 - 外為どっとコム マネ育チャンネル

目次

人民元/円をレバレッジ1倍で「らくらくFX積立」をしたときのシミュレーション

期間 2014年11月〜2022年11月
毎月の入金額 10,000円
毎月の購入金額 10,000円
レバレッジ 1倍
購入価格 その月の終値
 
CNH/JPY 月足終値  2014年11月〜2022年11月

上記のグラフは、外為ネクストネオから出力した人民元/円の月足チャートです。
 
毎月の終値で10,000円分の人民元/円を購入するとき、2014年11月は終値が18.375だったので購入数量は、
10,000 ÷ 18.375 ≒ 544(※小数点以下は切り捨て)となります。
 
上記の人民元/円の月足終値に対して購入数量をすべて計算すると、以下のようになります。

人民元/円の価格が上がっているときは購入数量が少なくなり、価格が下がっているときに購入数量は大きくなっているのがわかると思います。

今回は毎月、定額で人民元/円を買い付けるので、購入数量の累計を重ね合わせると、以下のような右肩上がりのグラフになります。 

※左側の縦軸は任意の時点の購入数量のメモリ
※右側の縦軸は任意の時点の累計購入数量のメモリ

ここで1通貨ペアあたりの月ごとの累計スワップポイントは、外為どっとコムの過去履歴より、以下のように与えられています。

人民元/円1通貨ペアあたりの月ごとの累計スワップポイント

こちらのデータを確認すると一時期マイナススワップが発生していることがわかります。

一般的に、低金利通貨を売って高金利通貨を買うと、その金利差額をスワップポイントとして受け取ることができます。ただ、世界的な金融危機等によってインターバンク市場の流動性が枯渇したりしていると、高金利通貨を買う場合でもマイナスのスワップポイントになることもあります。

人民元/円の買いポジションにも2回マイナススワップとなった時期がありました。このマイナススワップポイントが全体の資産形成にどのように影響するでしょうか。

上記の1通貨ペアあたりの累計スワップポイントと、その時々の保有数量をかけ合わせると、以下のように毎月取得したスワップポイントが計算されます。

月毎に取得したスワップポイントを累計すると以下のようになります。

累積スワップポイントは一見すると右肩上がりなのですが、マイナススワップポイントの箇所で少し凹んでいることがわかると思います。

ここで、毎月10,000円入金しているので入金額の累計は以下のようになります。

以下のグラフが累計預入金と累計スワップポイントの和になります。

積立が進むにしたがって保有数量が増えるので、それに対するスワップポイントも大きくなり、スワップポイントによる資産の伸び率が大きくなっていることがわかります。

メキシコペソ/円との資産の比較

これに対して、メキシコペソ/円で、同じ期間、同じ設定でらくらくFX積立をした場合のグラフと比較してみます。ご覧の通り、メキシコペソ/円のほうがスワップポイントが高い分、資産の増加が大きいことがわかります。

それでは評価損益はどうなっているのでしょうか。

まず現在保有しているポジションの平均購入価格を計算します。

計算式は、すべてのポジションについて、約定代金(購入価格×購入数量)を計算し、それを足し合わせた数を、保有数量で割ると算出できます。

加重平均価格={毎月の(購入価格×購入数量)の足し合わせ}÷保有数量

平均購入価格の推移は以下のように表すことができます。

為替レートの変動に対して、緩やかな平均購入価格のグラフになっています。

評価損益は、(終値−平均購入価格)×保有数量で計算され、以下のように表されます。

ひとつ前の人民元/円の月足終値と平均購入価格のグラフを比較してみると、価格が平均購入価格よりも上のときに評価損益はプラスになり、下のときはマイナスになっています。また、右にいけば行くほど保有数量が大きくなっていますので、プラス幅が価格差よりも大きくなっているのがわかります。

この評価損益のグラフを、入金額累計とスワップポイントの累計の和に合算させると、2014年11月から人民元/円でらくらくFX積立を約8年間続けた場合の資産総額のシミュレーション結果になります。

累積スワップポイントも評価損益もプラスとなって、資産が大きくなっているのがわかります。

  レバレッジ1倍
積立月数 97ヶ月
積立年数 8.1年
積立金額 970,000円
累計保有数量 57,154
累計スワップポイント 48,298円
為替差益 188,852円
取引損益 237,150円
増減率 23.45%
年平均増減率 3.02%

※年平均は単純な算術平均

それではレバレッジを上げると、どうなるでしょうか。

人民元/円をレバレッジ2倍または3倍で「らくらくFX積立」をしたときのシミュレーション

期間 2014年11月〜2022年11月
毎月の入金額 10,000円
毎月の購入金額 20,000円
レバレッジ 2倍
購入価格 その月の終値

レバレッジを上げると購入できる数量が増えます。

この数量に対する獲得累計スワップポイントは以下のようになり、

預入金とスワップポイントの累計は以下のようなグラフになります。

レバレッジ1倍よりもスワップポイントの増加が大きいことがわかります。

これに対して評価損益はどうでしょうか。

評価損益のグラフも、レバレッジ1倍のときの評価損益よりも、大きくなっていることがわかります。

この評価損益のグラフと預入金とスワップポイントの累計のグラフを足し合わせると、以下のようなシミュレーション結果になります。

レバレッジ1倍のときよりもスワップポイントと評価益が大きくなっていることがわかります。
 
レバレッジ3倍の場合も同様に数量を計算し、累計スワップポイントと評価損益を計算すると以下のシミュレーション結果が得られます。

レバレッジを上げると数量が増加するが注意が必要

  レバレッジ1倍 レバレッジ2倍 レバレッジ3倍
積立月数 97ヶ月 97ヶ月 97ヶ月
積立年数 8.1年 8.1年 8.1年
積立金額 970,000円 970,000円 970,000円
累計保有数量 57,154 114,353 171,558
累計スワップポイント 48,298円 96,685円 145,083円
為替差益 188,852円 377,853円 566,864円
取引損益 237,150円 474,538円 711,947円
増減率 24.45% 48.92% 73.40%
年平均増減率 3.02% 6.05% 9.08%


レバレッジを上げるにつれて増減率が大きくなることがわかりました。
 
ただ、ここで注意が必要です。それはロスカットです。
 
らくらくFX積立でも保有ポジションの評価損失が大きくなり、有効比率が30%を下回った場合にはロスカットが走ります。そのため有効比率が30%を下回るときの価格をグラフで表示しました。
 
レバレッジ1倍のときにロスカットが走る価格(赤線)

レバレッジ1倍のときは人民元/円の価格(青線)よりも、かなり下のほうにあるので、ロスカットが走るまではまだ余裕があることがわかります。
 
レバレッジ2倍のときにロスカットが走る価格(赤線)

レバレッジ2倍になるとロスカット価格(赤線)は1倍のときよりも上のほうに平行移動しています。
 
レバレッジ3倍のときにロスカットが走る価格(赤線)

レバレッジ3倍のときのロスカット価格を確認すると、上記の赤丸のところで人民元/円の価格(青線)がロスカット価格に近くなっていることがわかります。
 
この青線は終値しか表示されていませんので、ある日の安値が赤線を下回って、もしかするとロスカットが走っている可能性もあります。
 
らくらくFX積立は少額から低レバレッジで運用できることから、リスクが小さく見えますが、相場が急落して評価損失が大きくなった場合は、ロスカットが走る可能性もあるので、有効比率には常に注意をしておくことが必要です。
 
レバレッジ1倍〜3倍のロスカットが走る価格

レバレッジ1倍〜3倍のときのロスカット価格を同時に描画しましたが、レバレッジを上げるごとにロスカットが走る価格(赤線)が上の方にシフトしているのがわかります。
 
そのため、もし「長期投資でほったらかし」の運用がしたいのであれば、レバレッジ2倍や3倍で積立投資をする場合は、ロスカットの発生確率を下げるために、常に定期購入する金額よりも多めの入金をして有効比率を高くしておくと良いでしょう。

スワップポイント再投資をするとどうなるか?

らくらくFX積立には保有しているポジションに対して付与されたスワップポイントが設定金額に達したときに、設定中のポジションと同通貨を同レバレッジで自動買付する「スワップポイント再投資(SP再投資)」という機能があります。
https://www.gaitame.com/service/rakutsumu/swap-set.html

レバレッジ1倍で「SP再投資」をしたときのシミュレーション
 
期間 2014年11月〜2022年11月
毎月の入金額 10,000円
毎月の購入金額 10,000円
レバレッジ 1倍
購入価格 その月の終値
SP再投資 100円たまったら再投資
 
SP再投資をしない場合の数量のグラフ

SP再投資をした場合の数量のグラフ

累計数量がスワップポイント再投資をした場合のほうが多くなっていることがわかります。

SP再投資をしない場合の保有数量に付与されるスワップポイント

SP再投資をした場合の保有数量に付与されるスワップポイント

こちらもスワップポイント再投資をした場合のほうが大きくなっていることがわかります。 

らくらくFX積立の複利効果

運用で得た収益や利息を再び投資することで、利息が利息を生んでふくらんでいくことを「複利効果」と呼びますが、スワップポイント再投資機能によって複利効果が発生していることがわかります。

SP再投資をした場合の累計スワップポイント

スワップポイント再投資により、スワップポイントが100円以上たまると全額預入金に組み入れられます。そのため、保有数量がある程度大きくなるとスワップポイントが付与された時点で100円を超えるようになり、すぐに預入金に組み入れられます。

SP再投資機能によってスワップポイントから預入金に組み入れられた現金の累計グラフは以下のようになります。

SP再投資機能によってスワップポイントから預入金に組み入れられた現金

入金額とあわせた現金総額の累計は以下のようになります。

現金総額の推移(預入金+SP再投資で預入金に組み入れられた部分)

ここで、SP再投資をしない場合とした場合の現金総額を比較します。          

SP再投資をしない場合のスワップポイント+預入金の推移

SP再投資をした場合の預入金の推移

上記2つのグラフでは、スワップポイント再投資をしない場合とした場合の違いはわかりにくいですが、複利効果が働くスワップポイント再投資をした場合のほうが、総資産が大きくなっています。

SP再投資をしない場合の評価損益のグラフ 

SP再投資をする場合の評価損益のグラフ

SP再投資をしない場合の資産のグラフ

SP再投資をする場合の資産のグラフ

SP再投資をすることによる複利効果

  SP再投資なし SP再投資あり
レバレッジ 1倍 1倍
積立月数 97ヶ月 97ヶ月
積立年数 8.1年 8.1年
積立金額 970,000円 970,000円
累計保有数量 57,154 60,111
累計スワップポイント 48,298円 0円
SP再投資による組入金 0円 49,977円
為替差益 188,852円 199,527円
取引損益 237,150円 249,504円
増減率 24.45% 25.72%
年平均増減率 3.02% 3.18%


上記の表から、若干ではありますが、SP再投資をしたほうが累積保有数量および獲得できるスワップポイントも大きくなることがわかります。

保有数量をなるべく速く積み上げて、獲得スワップポイントを大きくするのに、SP再投資は非常にいい設定であるということがわかります。

メキシコペソ/円との比較

ただ、メキシコペソ/円との総資産と比較するとその結果は大きく異なります。

こちらの違いはどこからくるのでしょうか?

8.1年間の平均終値と1通貨あたりの平均スワップポイントを比較します。

  人民元/円 メキシコペソ/円
平均価格 17.083 5.995
1万通貨ペアあたりの
平均月間スワップポイント
184 239


こちらの結果よりメキシコペソ/円のほうが、平均価格が安く、さらに1万通貨ペアあたりのスワップポイントが大きいことがわかります。

このことにより、毎月1万円でらくらくFX積立をした場合、メキシコペソ/円のほうが

・たくさん購入することができる
・スワップポイントもたくさん獲得できる
・スワップポイント再投資による追加購入数量も大きい

ことが要因となって複利効果がより大きくはたらき、総資産が大きくなりやすいことがわかります。

SP再投資による複利効果を効かせたいなら

以上の結果から、1通貨あたりの価格が安い通貨ペア、また獲得スワップポイントが大きい通貨ペアのほうがより高い複利効果が得られることがわかり、この点からすると人民元/円よりもメキシコペソ/円のほうが魅力があるように見えます。

他の通貨ペアについても1万通貨ペアあたりの平均月間スワップポイントで、何枚の追加購入ができるか計算して表にしました。

  USDJPY AUDJPY TRYJPY MXNJPY CNHJPY ZARJPY
平均価格 106.273 106.052 24.9 5.995 17.083 9.594
平均月間スワップポイント
(1万通貨ペアあたり)
1,192 2,183 2,079 239 184 429
再投資数量
(1万通貨ペアあたり)
11 20 83 39 10 44


他の通貨ペアと比較して人民元/円はスワップポイント再投資による追加購入枚数が少ないことが分かります。

それでは人民元/円はらくらくFX積立の投資先として魅力がない通貨ペアなのでしょうか?

実は、人民元/円は後述するドルコスト平均法の弱点を考慮すると別の魅力があります。

ドルコスト平均法の弱点に対して

前回の記事でも説明しましたが、定額で定期的に購入する積立投資は「ドルコスト平均法」として知られています。
 
「ドルコスト平均法」は「時間分散することで、平均購入価格が平準化されるので、リスクを抑えられる」と言ったメリットしかないような説明が、ネット上の情報サイトなどで見受けられますが、注意が必要です。
 
この手法は、要するに「すべてロングポジションで保有する」戦略なので、対象金融商品が上昇トレンド、もしくはいつか上昇する見込みがあることが大切です。
 
【参考記事】
外貨投資を20年続けたシミュレーションでわかった、「長期投資」に向いているFX通貨ペアとは?(ドル円、豪ドル円、トルコリラ円) - 外為どっとコム マネ育チャンネル

したがって、人民元/円が上昇トレンドなのか、もしくは上昇する見込みがあるのかを確認しましょう。

中国人民元のファンダメンタルズ的な魅力

1978年の中国政府による改革開放政策から中国のGDP(国内総生産)は成長を続けて、2010年には日本を抜き世界第2位の経済大国になりました。
 
一般的に、経済成長をする国には資金が流入して通貨高になりやすい傾向があります。通貨高になることによってその国の輸出品は割高になって価格競争力が低下し、国際間取引の需要と供給はバランスします。これを為替レートによる調整メカニズムといいます。
 
しかし、人民元の場合は中国の中央銀行が厳格に管理しているためこの調整メカニズムが働かず、「高成長を続ける中国の経済力からすると人民元のレートは割安」と国際的に批判される状態が続いています。
 
中国政府はこれらの批判をかわすために何度か人民元改革を行って、緩やかに人民元高になってきましたが、それでもまだ十分なものとは言えません。
 
この中国政府が為替を割安な水準に管理しているという状態が、人民元の将来的な上昇余地ととらえられ、人民元高トレンドは緩やかに継続していくと考えられます。

2012年からのチャート分析:世界規模の金融危機に注意は必要


人民元/円 月足 2012年〜
 
人民元はファンダメンタルズ的要因により緩やかな人民元高トレンドを形成中です。
しかし、月足チャートでチャート形状を確認すると2008年のリーマンショック、2015年のチャイナショック、2020年のコロナショックで下落しています。
 
世界的な金融危機が発生すると、リスク回避のために新興国市場から資金が流出することが多いです。人民元に投資するときには、そのような金融危機が発生した場合にどのように対処するか、あらかじめ決めておくことが大切です。

人民元/円に対するらくらくFX積立のシミュレーションでわかったこと

人民元/円に対するシミュレーション結果でわかったことをまとめます。
 
・人民元はスワップポイントがそこまで高くないので複利効果が比較的小さい
・レバレッジを上げる場合は投資額よりも多めに入金しておく必要がある
・中国の経済力に対して割安に管理されている人民元は上昇余地があるととらえられる
 
他の高スワップ通貨ペアと比較すると、人民元/円はそこまでスワップは高くなく、預入金と累積スワップポイントの合計金額だけをみると魅力が薄く感じられます。
 
しかし、積立投資は「時間をかけてロングポジションを大きくすること」ですので、最終的に価格が買値よりも上昇しなければ資産形成できません。その点、人民元は経済成長著しい中国の管理通貨ということで上昇余地は十分だととらえられます。らくらくFX積立の投資先としては十分魅力のある通貨ペアではないでしょうか。 

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