総括
FX「中銀は利下げ示唆で株価急騰、リラ変わらず11位」トルコリラ見通し
(通貨11位、株価20位)
予想レンジ トルコリラ/円6.4-7.4
(ポイント)
*政策金利を9%に据え置き。さらなる利下げ示唆
*年初来10%超下落していた株価は-1.9%まで戻す
*1月消費者信頼感は改善
*今週は1月企業信頼感指数やインフレリポートの発表
*中銀総裁 外準が増加、為替レートは安定している
*大統領選前倒し、5月14日へ
*スウェーデンのNATO加盟がトルコの抵抗で遅延
*今年もリラは弱い
*11月経常収支は36.7億ドルの赤字
*11月鉱工業生産は前年比で1.3%減少
*大統領選挙を前に内政では強権をふるっている
*外交では問題が多い
*対円では8年連続陰線
*リラ化政策を推し進める 国内預金が増加し外貨預金を上回る
*2023年から24年にかけ前年比約3%成長減速予想(OECD)
*12月消費者物価が20%低下
(政策金利を9%に据え置き。さらなる利下げ示唆で株急騰、リラ変わらず)
トルコ中銀は、政策金利を9%に据え置いた。据え置きは先月に続き2会合連続で予想通り。ただ中銀はインフレ圧力の緩和を予想しており、5月の選挙に向けて利下げを再開する可能性もあるとみている。昨年10月に85.5%を記録したインフレ率は12月は64.3%に低下した。
中銀は、統合的政策アプローチに支えられ、インフレの水準と基調は改善したと述べた。昨年4Qは外需が低迷し成長が減速したが内需は比較的堅調だったと指摘。
中銀は2023年末までにインフレ率が22.3%に低下すると予想。今回の中銀の声明には前回までと比べ変更された部分があり、「さらなる利下げの可能性が出てきた」と述べた。選挙をにらんでエルドアン大統領が中銀に緩和圧力をかける可能性があると述べた。利下げ示唆で先週のトルコ株価指数は10.14%上昇した。
(今週の指標)
1月消費者信頼感は79.1で12月の75.6を上回った。今週は1月企業信頼感指数やインフレリポートの発表がある
(カフチョグル中銀総裁)
トルコの外貨準備高は増加しており、これは現地通貨リラの為替レートに反映されている。 為替レートは引き続き安定している。
(大統領選前倒し、5月14日か)
エルドアン大統領は、5月14日に総選挙前倒し実施を明らかにした。以前に表明した予定から1カ月前倒しとなる。
世論調査では、議会選・大統領選ともに厳しいものになるとみられている。
野党連合は大統領の型破りな経済政策の撤回を公約に掲げている。国の統治方法や、ウクライナと中東における紛争解決へ果たすべき役割も問われることになる。
大統領は昨年、投票を6月に行うとの発言を繰り返していたが、今月初めに投票日予定日の6月18日から前倒しする可能性があると述べていた。
野党連合は選挙に勝利すれば大胆な変革を行うと主張しているが、大統領選の統一候補は決まっていない。
テクニカル分析(トルコリラ/円)
ボリバン3σ下限から小反発、5日線上向く
日足、ボリバン3σ下限へ下落から小反発。20日線に近づく。1月20日-23日の上昇ラインがサポート。1月18日-23日の下降ラインが上値抵抗だが上抜くか。5日線上向く、20日線下向き。
週足、ボリバン2σ下限に沿ってじり安。1月9日週-16日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線下向き。
月足、11月、12月連続陰線。11月-12月の下降ラインが上値抵抗。21年12月-22年12月の上昇ラインがサポートだが現在下抜く。
年足、8年連続陰線。その間52円から6円台へ沈む。
メルハバ
エルドアン大統領、スウェーデンのNATO加盟でトルコの支持を期待すべきではない
エルドアン大統領は週末にストックホルムで行われた抗議デモでイスラム教の聖典コーランが燃やされたことを受け、「ストックホルムのトルコ大使館前でこうした冒涜を許す者は、NATO加盟に対するトルコの支持を期待すべきでない」と述べた。
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