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ポンド/円・豪ドル/円の1月見通し「年末年始の円高圧力はひとまず後退も不透明感残る 」

【外為総研 House View】

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執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼ポンド/円
・ポンド/円の基調と予想レンジ
・ポンド/円 12月の推移
・12月の各市場
・12月のポンド/円ポジション動向
・1月の英国注目イベント
・ポンド/円 1月の見通し

▼豪ドル/円
・豪ドル/円の基調と予想レンジ
・豪ドル/円 12月の推移
・12月の各市場
・12月の豪ドル/円ポジション動向
・1月の豪州・中国注目イベント
・豪ドル/円 1月の見通し

ポンド/円

ポンド/円の基調と予想レンジ

ポンド/円 12月の推移

12月のポンド/円相場は157.833~169.273円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約4.8%下落した(ポンド安・円高)。ポンドは月間で対ユーロでも下落。総じて軟調だったドルとほぼ並ぶ弱さであった。このため、主要通貨の中で最も強かった円に対しては比較的大きく下落した。英政府の緊縮路線と英中銀(BOE)による金融引き締めで、すでに景気後退(リセッション)局面に入ったとの見方もある英経済の一段の悪化は避けられないとの観測がポンドの重しになった。日銀がイールドカーブ・コントロール(YCC)の長期金利の許容上限を引き上げた20日には158円台へとポンド安・円高が進行。30日には日銀が物価見通しの引き上げを検討するとの観測報道を受けて3カ月ぶりに157円台へと下落する場面もあった。

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

7日
ロシアのプーチン大統領が「核戦争の脅威が高まっている」と述べたことが伝わるとポンドは上げ幅を縮小。プーチン氏は「われわれの核兵器は争いを拡大させるためではなく抑止力のためだ」とも述べたことから市場への影響は小さかった。

12日
英10月国内総生産(GDP)は前月比+0.5%と予想(+0.4%)を上回った。英10月鉱工業生産は前月比±0.0%と予想と一致。英10月貿易収支は144.76億ポンドの赤字となり、赤字額は予想(153.00億ポンド)より小さかった。

13日
英11月失業率は5カ月連続で3.9%となり、48年ぶり低水準にとどまった。同新規失業保険申請件数は3.05万件増(前回0.64万件減)だった。また、8-10月のILO失業率は3.7%、8-10月の週平均賃金は前年比+6.1%といずれも予想と一致した。

14日
英11月消費者物価指数(CPI)は前年比+10.7%と予想(+10.9%)を下回り、41年ぶりの高水準となった前回(+11.1%)から伸びがやや鈍化した。エネルギー・食品・アルコール飲料・タバコを除いたコアCPIも前年比+6.3%と予想(+6.5%)を下回る伸びとなった。物価上昇圧力がピークを越えた可能性が示唆される内容となった。

15日
BOEは予想通りに政策金利を3.00%から3.50%に引き上げた。声明では「物価や賃金に起因する国内インフレ圧力に対処するため、一段の利上げが必要になる可能性がある」と表明した。議事録では英中銀金融政策委員会(MPC)メンバーの9人中6人が50bp(0.50%ポイント)、1人が75bpの利上げ、2人が据え置きを主張したことが明らかとなった。MPC委員の間で見解が大きく割れたことから今後の金融政策に不透明感が広がりポンドは下落した。

16日
英11月小売売上高は前月比-0.4%(予想+0.3%)、自動車燃料を除いた売上高は前月比-0.3%(予想+0.3%)といずれも予想に反して減少した。英12月製造業PMI・速報値は44.7と予想(46.5)を下回ったものの、同サービス業PMI・速報値は50.0と予想(48.5)を上回った。

20日
日銀はYCCの長期金利の許容変動幅を0.25%程度から0.50%程度へ拡大すると発表。上限金利の引き上げを捉えて「事実上の利上げ」と受け止められ円が急伸した。

21日
英11月公的部門借り入れは220億ポンドとなり、市場予想(148億ポンド)を大幅に上回った。エネルギー補助金のコスト増を反映し、借り入れ額は11月としては過去最大に膨らんだ。

22日
英7-9月期GDP・改定値は前期比-0.3%、前年比+1.9%と速報値(-0.2%、+2.4%)から下方修正された。個人消費の落ち込み(前期比-1.1%)が響いた。

12月の各市場

12月のポンド/円ポジション動向

12月のポンド/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
  • ※ 外為どっとコムのFX口座「外貨ネクストネオ」でお取引をされているお客様のポジション保持情報の比率を表しています。
  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

1月の英国注目イベント

ポンド/円 1月の見通し

ポンド/円相場は、1月3日に昨年9月28日以来の155.30円台へ下落する場面もあったが、翌4日に大きく反発。6日の本校執筆時点では159円台で推移している。チャート・フェースはひとまずの底入れを示唆。日足一目均衡表の雲が1月中旬以降に切り上がることも踏まえると、目先的には持ち直しが期待できそうだ。

ただし、ポンドを取り巻くファンダメンタルズは厳しいと言わざるを得ない。同国のインフレは10%台で高止まりしており、これを押し下げるために英中銀(BOE)は利上げを継続する姿勢を示している。加えて、英政府は昨年11月に増税と歳出削減を柱とする財政再建策を発表していることから、英国景気の回復は当面期待できそうにない。英国のスタグフレーション(不況下の物価高)を巡る懸念は、他の主要先進国に比べても強いと言わざるを得ないだろう。

そうした中、1月のポンド/円相場は、「テクニカル要因」主導でいくぶん反発しても「ファンダメンタルズ要因」が上値を抑える展開になりやすいと考えられる。200日移動平均線が通る163円台後半は上値抵抗になりそうだ。

(予想レンジ:155.000~164.000円)

豪ドル/円

豪ドル/円の基調と予想レンジ

豪ドル/円 12月の推移

12月の豪ドル/円相場は87.010~93.793円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約4.6%下落した(豪ドル安・円高)。豪ドルの下落要因は円高の進行と中国の経済不安であった。とはいえ、対ドルでは小幅ながらも豪ドル高に振れており、豪ドル/円の下落が円高主導の動きであったことがわかる。日銀は20日の金融政策決定会合でイールドカーブ・コントロール(YCC)の長期金利の許容変動幅を0.25%程度から0.50%程度へ拡大。10年債利回りの許容上限金利が0.50%へ引き上げられたことを市場は事実上の利上げと捉え、円が急伸した。この日、豪ドル/円は87.01円前後まで下値を切り下げておよそ9カ月ぶりの安値を付けた。その後はいくぶん値を戻したものの、30日には日銀が物価見通しの引き上げを検討するとの観測報道を受けて、さらなる緩和修正を巡る観測が浮上。豪ドル/円は89円台に押し戻されて2022年の取引を終えた。


出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

1日
中国11月財新製造業PMIは49.4と予想(48.9)を上回ったものの、4カ月連続で好不況の分岐点である50.0を下回った。これより前に発表された豪7-9月期民間設備投資は前期比-0.6%と予想(+1.5%)に反して減少した。

5日
中国の一部の都市で「ゼロコロナ」政策を緩和する動きが見られたことを受けて同国の経済不安が和らぐと豪ドルに買いが入った。北京や上海では、公共交通機関の利用に際し必要だったPCR検査の陰性証明の提示がこの日から不要になった。

6日
豪中銀(RBA)は政策金利を予想通り2.85%から3.10%へ25bp(0.25%ポイント)引き上げた。8会合連続の利上げとなり、政策金利は2012年11月以来の高水準となった。声明では「インフレ率は今後数カ月間にわたってさらに上昇し、12月期に約8%でピークに達すると予想」「来年にはインフレ率が低下すると予想」とした。また、「今後一定期間、さらに利上げを行うことを想定」とした上で 「あらかじめその方向性が決まっているわけではない」「将来の利上げの規模とタイミングは、引き続き今後のデータとインフレ、労働市場の見通しに関する理事会の評価によって決定」と改めて表明した。なお、この日発表された豪7-9月期経常収支は23億豪ドルの赤字となり、予想(60億豪ドルの黒字)に反して3年ぶりに赤字に転落した。

7日
豪7-9月期国内総生産(GDP)は前期比+0.6%と、市場予想(+0.7%)に届かず4-6月期の+0.9%から減速。前年同期比では+5.9%と4-6月期の+3.2%から加速したが市場予想(+6.3%)は下回った。

15日
豪11月雇用統計は新規雇用者数が6.40万人増と市場予想(1.90万人増)を上回った。失業率は3.4%と予想に一致し、前月に続き1974年以来の低水準を維持した。労働参加率は66.8%と予想(66.6%)を上回り過去最高水準に上昇した。

20日
RBAは12月会合の議事録を公表。12月に行った25bpの利上げについて、50bpの引き上げや据え置きなどいくつかの選択肢を検討していたことが明らかとなった。また今後の利上げペースについては「今後のデータやインフレと労働市場の見通しに関する理事会の評価によって決定される」とした。その後、日銀がYCCの長期金利の許容変動幅を0.25%程度から0.50%程度へ拡大すると「事実上の利上げ」と受け止められ円が急伸した。

27日
中国政府は前日26日、厳格なゼロコロナ政策を来年1月8日から転換し、海外からの入国者の検疫要件を解除すると発表。中国本土の居住者の海外旅行ビザを再開することも発表した。豪ドルは、前日終値を上回る水準で取引を開始した。

30日
年末最終日のNY市場で「日銀、物価見通し引き上げへ 緩和修正圧力も」とする観測記事が伝わると円買いが優勢となった。日銀は1月会合で物価見通しの上方修正を検討、緩和政策への圧力がさらに増す可能性があると報じられた。

12月の各市場

12月の豪ドル/円ポジション動向

12月のポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
  • ※ 外為どっとコムのFX口座「外貨ネクストネオ」でお取引をされているお客様のポジション保持情報の比率を表しています。
  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

1月の豪州・中国注目イベント

豪ドル/円 1月の見通し

豪州経済は堅調を維持しているようだ。12月に発表された豪11月雇用統計は新規雇用者が予想以上に増加。失業率は歴史的な低水準にとどまった。豪中銀(RBA)が比較的穏やかなペースで利上げを行っていることから、経済へのマイナスの影響が抑えられている可能性があろう。

もっとも、利上げペースが緩やかであるがゆえに同国のインフレは高止まりが続いている。1月11日に発表される豪11月消費者物価指数(CPI)は10月の前年比+6.9%から+7.3%に加速すると予想されている。25日に発表される10-12月期CPIも加速するようなら、RBAの利上げが再びペースアップするとの観測につながることも考えられる。現時点で市場は、RBAの政策金利が8月もしくは9月に4.00%付近まで引き上げられ、少なくとも年内はこの水準にとどまると見ている。つまり、RBAの利上げは後3~4回(合計100bp弱=1.00%ポイント弱)で終了することが織り込まれている。

次回のRBA理事会は2月7日。1月の豪ドル/円相場は、今後のRBAの金融政策を睨んだ動きになりそうだ。

(予想レンジ:87.000~93.500円)

 
kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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