FX/為替「メキシコペソで資金が倍以上に増えても失敗？！」トップトレーダーに聞く！（後編） 兼業トレーダー「Scotty（スコッティ）」さん

以下の取材記事はトレーダー個人の経験やお考えに基づくものであり、また、お客様の収支については、「取材依頼時点」のものとなり、その内容については、当社が保証するものではありません。実際のお取引については充分内容をご理解の上ご自身の判断にてお取り組みください。

知人の勧めでFX取引を始めた兼業トレーダーのScotty氏。過去に2,000万円の損切りを経験しながら、FX取引での一番の失敗は、3,000万円の資金を2倍以上にしながら、もっと増やせる相場なのに読み間違えて利確してしまったことだと言います。Scotty氏はどのように投資判断を下しているのか、今後の目標は何なのか、さらに詳しく伺いました。

ハンドルネーム　：Scotty（スコッティ）
職業　　　　　　：会社経営者（兼業トレーダー）
FX取引歴　　　　：約4年
トレードスタイル：スイングトレード（中長期保有）
運用成績　　　　：約3年で3,300万円超（2020年1月～2022年10月取材申込時点/外為どっとコム口座のみでの収支）
投資商品　　　　：FX（過去に中国株、暗号資産）
趣味　　　　　　：ゴルフなど

▼目次

1.ファンダメンタルズで投資判断
2.ポジション管理の重要性！
3.2倍以上の利益でも失敗
4.FX取引する上での着眼点
5.「三階建ての法則」で資金とポジションをコントロール
6.いつかはメキシコでFXのお金を使う

ファンダメンタルズで投資判断

編集部：

投資はニュースなどを元に、ファンダメンタルズ分析で判断されているのか、それともチャートを見ながら移動平均線などを使ったテクニカル分析で判断されているのでしょうか？

Scottyさん：

僕は本当にチャートが読めないというか、テクニカル分析の知識がないので、ニュースを気にしています。安倍首相の退任時や北朝鮮のミサイル発射時は大きく下がりましたよね。ただ最近はそういったニュースよりも、日銀の黒田総裁の発言など、金融関連の情報に注意しています。

編集部：

米国の雇用統計が先日発表されました。そういう重要指標の発表時は大きく相場が動くので、そのタイミングを狙うトレーダーもいます。

Scottyさん：

意識はしていますが、スキャルやデイトレではありませんからね。ただ、FX専用アプリでみられるマーケット情報や経済指標の予測で影響がありそうなときは、ポジションがプラスのうちに利益を確定しています。

ポジション管理の重要性！

編集部：

証拠金維持率を上げたり、ポジション整理をしたり、相場が動いても大丈夫なようリスク管理しておく感じで運用されているのでしょうか？

Scottyさん：

おっしゃる通りですね。相場が大きく動きそうなときは、あらかじめ「損切りをしたほうがいい」という意見を述べられている方をネットなどで拝見します。最近思っているのは、「損切りってあんまりよくないな」ということです。その上で、「儲ける」というよりは、「損をしない」ということを目指すのがいいと私は思っています。

編集部：

損切りラインを設けて損切りをするというより、むしろ持ち続けられるように、資金を調整したり、利確してポジションを減らしたり、コントロールされているということですね？

Scottyさん：

そんなイメージです。

編集部：

「もう少し待っていれば良かった」と、悔やんだり、がっかりしたりすることもあると思います。そういうときの気持ちの整理はどうされているのですか？

Scottyさん：

以前は一喜一憂していましたねえ。「あの時買っとけばよかった」「ここで売っておけば良かった」って考えてしまっていました。

でも、いつのころからか、「相場は必ず下がるし、必ず上がる」って思えるようになったんです。過去の自分がやれていたことなら、今の自分にもできるはずだし、そんなこと考えるより、「じゃあ今どうすんのお前！？」と自分に問う。「売るの」それとも「買うの」って考えています。

先ほど触れた昨年末の2,000万円の損切りも、やっぱり欲をかいたためにそうなったと思うんです。「これからもどんどん上がる」と思って、ポジションをいっぱい持った分、相場が下がって痛い目にあった。確かにショックでしたが、強制ロスカットされるわけにもいかないので自分で損切りをしました。それが今の投資スタイルにつながっていますね。

2倍以上の利益でも失敗

編集部：

これまでの一番の失敗はその2,000万円の損切りですか？

Scottyさん：

いいえ、これは失敗というか、損失ではないんですが、思い出すのはFXを始めてすぐのころに起きたことですね。大きく含み益が出ていた時期があって、そのときは「買えば上がるし、売れば下がるし」といった感じで、ちょっと調子に乗っていたときがあったんです。口座に3,000万円くらいを入れていて、多分7,500万円までになったと思います。もっと持っていれば、8,000〜9,000万円になっていたんですが、手放しちゃったんですよ。そしたら予想に反して、さらに上がっちゃって、そこでビギナーズラックが終わった感じです。その後も上昇相場で、なんとなくこう持ちながらやっていて、また上がったなと思ったら、一番大きな損切りをすることになりました。

編集部：

しかし2,000万円の損切りは手が震えそうですね？

Scottyさん：

2,000万円を失うということより、強制ロスカットで”飛ぶ”ほうが怖かったです。市場から退場させられるのだけは嫌だったので、そうならないように焦って売ってしまったんですね。その時も9万ロットから10万ロット近く持っていたので、下がり幅に対して損失額がかなり大きくて、自分の精神が耐えられなかった。 少しだけポジションを減らす損切りでも良かったんでしょうが、安定というか安心を優先しちゃったんですね。

編集部：

そんなときは、やはり夜も眠れなくなりますか？

Scottyさん：

それが僕は人間としてちょっと欠落しているのかもしれませんが、すぐ寝ちゃうんですよ（笑）。

編集部：

プロディーラーも損すれば会社をクビにはなるかもしれませんが、運用資産はやっぱり自分のお金じゃないですからね。その意味では個人トレーダーのほうがむしろ”プロ”だと思います。

Scottyさん：

僕は逆で、他人のお金で投資は絶対にできないですね。

FX取引する上での着眼点

編集部：

通貨はずっとメキシコペソですか？ほかの通貨を試されたことや、これからやってみようと思ったことはないですか？

Scottyさん：

今のところないです。ちょっと浮気しようかなと思ったことは正直ありますが、見ていても僕みたいな知識がない人間がやるのは難しいかなと。
ドル/円は必要になる証拠金が高いですし動きがちょっと激しすぎるので、ずっと見ていないといけない。雇用統計から始まって、さまざまな数値も、意味合いも把握しておかないとできない。ちょっと自分にはできないなと思っています。

編集部：

メキシコペソはドル/円と関連性が高いですが、他の通貨のチャートも判断材料にされていますか？

Scottyさん：

していないですね。

編集部：

見るのはメキシコペソ/円のチャートだけで、円高になったら買って、安くなったら売るという感じですか？

Scottyさん：

そうですね。ただ原油の先物は見ています。原油先物との相関性はあまりないように思えますが、以前は先物が下がるとペソも下がっていたので。ただ、最近はあまりチェックしなくなっちゃいました。もちろん、世界的なお金の流れは意識するようにしています。ドルの金利、日銀の異次元緩和がどうなるのか、ウクライナ情勢、台湾情勢、北朝鮮情勢も結構激しいですからね。以前は「有事の円買い」といわれましたが、今ではドルが強くなりすぎちゃっていますし。そうした動向や情勢をあわせて、判断していかなければいけないとは思っています。

編集部：

トレーダーの中にはご自身の状況をSNSにアップされる方もいます。SNSはされていますか？

Scottyさん：

一切やってないです。披露できるほどの投資の考え方や知識がないし、儲かったら、ひけらかすだけになっちゃうので。

「三階建ての法則」で資金とポジションをコントロール

編集部：

資金管理はどうされていますか？「自分が持ちたいロット数が持てる程度の金額を口座に入れておこう」といった感じですか？

Scottyさん：

自分で「三階建ての法則」と呼んでいるんですが、口座維持率300%を目安に運用しています。 イメージとして、十階建てのマンションの三階部分まではポジションを持とうという感覚です。急に減って200％をきることもありますが、基本は300%にしています。310％になったら、その分買い増ししています。

編集部：

どうしてその法則にたどり着いたのでしょうか？

Scottyさん：

相場が下がったときでも100％にならないようするには、どの程度が一番いいかなと思ったら、300％だったんですよね。

編集部：

それは「ある程度の余裕を持っておきたい」とか、 「300%くらいが一番心地よい」とか、そういう考えなのでしょうか？

Scottyさん：

「心地よい」という表現が一番しっくりきますね。余裕があって、一喜一憂することなく、マイナスや含み損が膨らんでも、十分に耐えられるという感じですね。

編集部：

先輩トレーダーとして、FXを始める人にアドバイスするとしたら、どんな言葉をかけていただけますか？

Scottyさん：

実は何人かに御社を紹介しているんです。ただ「ちょっと怖い」「分からない」と思っている人は始めませんし、いざ始めてみても、デモトレードでは良い成績が出せるのに、実際の取引では利益が出せず、止めてしまった人も結構いましたね。
「ほどほどの利益で、欲を出さずにやることが一番」っていうのを、これから始める方にはお伝えしたいですね。

いつかはメキシコでFXのお金を使う

編集部：

最近の注目は米国の動きですよね。特に金利がどうなるのか、メキシコはどの程度影響を受けるのか、そのあたりはどう見ていらっしゃいますか？

Scottyさん：

メキシコの金利発表の後、年末に向けてちょっと下がるかなと思っていますが、年を越して米国の情勢がどうなるかですね。日本については今の状況では金利を上げづらいでしょうし、上げるとしたら黒田さんの後任でしょう。そのあたりを考えあわせると、2月ぐらいが山場というか節目かなと思っています。

編集部：

FX取引での運用目標はありますか？

Scottyさん：

言われてみてはじめて考えましたが、ゴールは設定していないですね。まあ、あればあるほどいいのでしょうが、でも「欲をかかない」というのが一番いいと思います。「稼いでやろう」というより、「ありがたく受け取ろう」という感覚です。

編集部：

今後、ほかの通貨への投資などは考えていきますか？

Scottyさん：

基本的にはずっとメキシコペソでと思っています。そして、一度メキシコに実際に行ってみたいなと思っています。感謝の気持ちです。大した額にはならないと思いますが、現地でお金を使えればいいかなと。

編集部：

ずっとメキシコのことを調べたりニュースを見聞きしたりし続けていると、行ってみたいという気持ちにもなるでしょうね？

Scottyさん：

さん：メキシコはトヨタなどの日系企業が進出していて、工場があって輸出しています。それもFXをする上で、安心材料になっているんですよね。ほかの通貨・国には、そういう安心感が持てないから、ちょっと手を出しづらいんですよ。アジアの国々でも勤勉さはそれぞれですよね。メキシコには勤勉なイメージがあって、信頼もできるんじゃないかと思っています。

編集部：

なるほど。大変参考になりました。今日はありがとうございました。

マネ育PickUp編集部より

「三階建ての法則」の話を聞いて、余裕のある取引スタイルの理由がわかりました。FXの運用目標も「利益を稼いでやろう」というのではなく、「ありがたく受け取ろう」という感覚というのが、過去のトレーダーの中にはいないタイプでした。将来、FXで獲得した利益でメキシコに行き、ぜひたくさんお金を使ってきてください。今後の活躍を期待しています。

【前編】

【トップトレーダーに聞く！インタビュー記事まとめ】

●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。