執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
メキシコペソ/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
直近1週間のポイント
・メキシコ中銀、利上げ幅を縮小
・メキシコ中銀、利上げ打ち止めを視野に
・日銀YCC上限金利引き上げ
・ドル/円の急落につれ安
足元のメキシコペソ/円は4カ月半ぶりの安値へと急落
メキシコ中銀は15日、政策金利を予想通りに10.50%へと引き上げると発表。
利上げ幅は前回の75bp(0.75%ポイント)から50bpに縮小しました。
声明では「次回の会合ではまだ政策金利を引き上げる必要があるだろう」としたものの、それ以降については「その時の状況に応じて判断する」と表明して、利上げ打ち止めも視野に入れていることを示唆。
これを受けてペソ/円は一時6.9円台を割り込むなど上値の重い展開となりました。
週明け20日には、日銀がイールド・カーブ・コントロール(YCC)政策の長期金利上限を引き上げたことで円買いが活発化。
ドル/円相場が7円近く急落した影響から6.586円前後まで大幅に下落して8月5日以来約4カ月半ぶりの安値を付けました。
翌21日の東京市場では6.6円台へとやや値を戻しています。
注目ポイントは円相場
クリスマスの前後は例年、メキシコも含めて海外市場の多くで参加者が減少します。
新たな手掛かり材料も出にくく、世界の金融市場は閑散としがちなシーズンです。
来週にかけてメキシコペソの動意は薄れる公算ですが、円相場が主導する形でペソ/円の値動きが荒くなる可能性も否定はできません。
日銀が20日の金融政策決定会合でYCCの上限長期金利を引き上げたことを、市場は「事実上の利上げ」と見ているようで、さらなる緩和修正を期待する声も出ています。
そうした中、多くの国が休日となる26日には黒田日銀総裁の講演が予定されています。
薄商いの中での総裁発言が円相場の値動きを増幅させる可能性もある点に留意したいところです。
来週までのメキシコペソ/円の見通し
予想レンジ
6.550~6.850円
基調
方向感模索
来週までの注目ポイント
☆12/26 黒田日銀総裁講演
・主要国株価、国際商品価格
「為替チャート|メキシコペソ/円(MXNJPY)|60分足」はこちら
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。