総括
FX「指標好調の中、今夜、消費者物価発表。最強通貨維持」メキシコペソ見通し
予想レンジ 7.0-7.5
(ポイント)
*今夜は9月消費者物価発表
*年初来最強通貨を維持
*中銀総裁=インフレを抑えるための利上げはまだ完了していない
*9月の製造業PMIは改善
*世界銀行は今年の成長率を1.8%と予測、6月の見通しから0.1%引き上げ
*メキシコへの送金、8月の伸び率は鈍化
*メキシコ中銀、0.75%利上げ、追加引き締め示唆
*経済指標は概ね強く、物価は高い
*米国向け自動車輸出はメキシコが日本を抜いてトップに
*米独中がメキシコとの経済関係を強めている
*対内直接投資が伸びている
*2QのGDP改定値は前期比0.9%増
*大統領の支持率は61%と高い
*ムーディーズは格下げ、S&Pは見通し引き上げ
(0.75%利上げ後上昇もボリバン2σ上限で一服)
9月30日にメキシコ中銀は、政策金利を0.75%引き上げ、過去最高の9.25%とした。その後は上昇もボリバン2σ上限で一服している
(9月の製造業PMIは改善)
9月の製造業PMIは50.3となり、8月の48.5から上昇して好不況の分かれ目の50を3カ月ぶりに上回った。一方、売上高の減少は続き、企業がキャッシュフロー面での懸念を抱えていることも浮き彫りになった。
メキシコの製造業は、新型コロナウイルス流行の影響により2020年3月から2年半以上にわたって縮小。厳格なロックダウンが敷かれていた20年4月に過去最低の35.0を記録したが、今年5月と6月は一時的に50を上回っていた。
(今夜9月消費者物価発表 予想は)
9月の消費者物価の予想は前年同月比8.75%、8月は8.7%。コアの予想は8.34%、7月は8.05%。高インフレは続く。
(中銀総裁のインフレについての発言)
ロドリゲス中銀総裁は、加速するインフレを抑えるための利上げはまだ完了していないと述べた。借入コストがどれだけ高くなるかを予想するのは難しいと付け加えた。ロドリゲス総裁は、インフレと戦うために必要なことを行う決意を繰り返した。
(世銀見通し)
世界銀行は、今年の成長率を1.8%と予測、6月の見通しから0.1%引き上げた。来年のGDPは1.5%とし、6月の予測とより0.4%下方修正した。2024 年には2.1%に拡大するとした。メキシコ経済は、パンデミックとそれに伴う制限により、2020 年に8% 以上落ち込んだ後、昨年はほぼ5%の成長を記録した。
(インフレ対策)
ロペスオブラドール大統領とラミレス財務相は5月初旬に最初に発表したインフレ抑制計画の強化版を発表した。
その目的は、2023 年2月末まで、カナスタバシカ(豆、米、卵、トルティーヤ、砂糖、石鹸を含む24の基本的な製品の選択) のコストを1039ペソ(52米ドル) に維持することだ。
コストを抑えるために、新しい契約に署名した企業は、さまざまな規制要件から免除される。ラミレス財務相は、企業は、カナスタ・バシカの品目に対する一般的な輸入税の支払いを免除し、健康規制当局コフェプリスと農業衛生当局セナシカによって実施される品質チェックの対象となる一時的なライセンスが付与されると述べた。
連邦政府は、「食品の輸入と国内での移動を防止または価格を引き上げると考えられるすべての規制を一時停止する」と財務相は述べた。
(メキシコへの送金、8月の伸び率は鈍化)
外国からメキシコへの8月の送金額が前年同月比7.9%増の51億2200万ドルになった。主な出稼ぎ先である米国での堅調な雇用が下支えした。2022年に入ってから月の送金額は前年同月比10%超で推移してきたが、8月の伸び率は初めて1桁台に鈍化した。
前年同月比では28カ月連続で上回った。8月の送金回数は1万3124回と前年同月比で6.9%増えた。1人当たりの送金額は390ドルと前年同月比で0.7%増だった。1~8月の送金額は379億3400万ドルと前年同月比で15%増加。
物価上昇で生活が苦しくなる中、米国に住む出稼ぎ労働者からの送金が低所得者層の家計を支えている。ただ送金額はすでに歴史的な高水準にあり、米国の経済状況が悪化すれば今後は伸び悩む可能性がある。
テクニカル分析
ボリバン2σ上限から反落
日足、9月28日ボリバン2σ下限近くまで下落後は反発も、10月4日にボリバン2σ上限に達して小康。9月28日-10月6日の上昇ラインがサポート。10月4日-6日の下降ラインが上値抵抗。5日線再び上向く。20日線下向く。
週足、6週連続陽線の後は小康。9月19日週-26日週の下降ラインを上抜く。8月29週-9月26日週の上昇ラインがサポート。
月足、8月は年初来高値を更新し大陽線。9月も何度も高値を更新した。6月-7月の下降ラインを上抜く。8月-9月の上昇ラインがサポート。ボリバン2σ上限。
年足、2021年は陽転。20年-21年の下降ラインが上値抵抗だが上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。
VAMOS MEXICO
メキシコで産業見本市、日本企業が出展
メキシコ中部グアナフアト州で10月5日、独産業見本市「ハノーバー・メッセ」に関連した産業見本市が始まった。日本企業11社が出展しており、自動車生産が盛んなメキシコで産業用の製品や技術の事業機会を探る。
NTTデータや三菱電機、キーエンスなど大手企業の現地法人のほか、メキシコにまだ進出していない中小企業も出展している。ネジや金属加工品を手掛ける阪神ネジ(大阪市)は見本市での反応を踏まえてメキシコでの拠点設立をめざす。
メキシコには日産自動車やトヨタ自動車など大手自動車メーカーが工場を持つ。メキシコに進出する日本企業の拠点数は約1300にのぼる(日経)
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