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FX/為替 月間見通し「介入警戒薄れれば147.66円が視野に」ドル/円 外為どっとコム総研 House View 2022年10月

【外為総研 House View】

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執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼ドル/円
・ドル/円の基調と予想レンジ
・ドル/円 9月の推移
・9月の各市場
・9月のドル/円ポジション動向
・10月の日・米注目イベント
・ドル/円 10月の見通し

ドル/円

ドル/円の基調と予想レンジ

ドル/円 9月の推移

9月のドル/円相場は138.904~145.906円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約4.2%上昇した(ドル高・円安)。月間の上昇は2カ月連続で22日には1998年以来24年ぶりに145.91円前後まで上値を伸ばす場面もあった。米連邦準備制度理事会(FRB)は21日の連邦公開市場委員会(FOMC)で3会合連続の75bp(0.75%ポイント)利上げを決めた。

一方で日銀は22日に現行の大規模緩和を維持する姿勢を強調。日米金融政策スタンスのコントラストが鮮明化する中、日米金利差の拡大が意識されてドル高・円安が進行。高値を付けた直後に、政府・日銀は24年ぶりのドル売り・円買い介入に踏み切ったが、翌々営業日には介入による下げをほぼ埋めるなど、押し下げ効果は持続しなかった。ただ、月末にかけて145円の手前で伸び悩む動きとなり、一段の円安進行に対する歯止めとしては一定の効果があった。


出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

1日
米8月ISM製造業景況指数は52.8と予想(51.9)を上回った。内訳の構成指数では新規受注が48.0から51.3へ、雇用は49.9から54.2へと上昇した。これを受けてドル/円は1998年以来の140円台に乗せた。

2日
米8月雇用統計は、非農業部門雇用者数がは31.5万人増と前月(52.6万人増)から増加幅が縮小したものの予想(29.8万人増)を上回った。失業率は3.7%と予想(3.5%)を上回って上昇したが、これは労働参加率が62.4%に上昇した(前回62.1%)ことによるもの。その他、平均時給は前月比+0.3%、前年比+5.2%となり、予想(+0.4%、+5.3%)をやや下回った。

6日
米8月ISM非製造業景況指数は56.9と市場予想(55.3)に反して前月の56.7から上昇。構成指数の新規受注や雇用も上昇した。米国の景気後退(リセッション)を巡る懸念が和らぎ、FRBが9月も0.75bpの利上げを続けるとの観測が強まった。

7日
鈴木財務相は「足元の動きは円安方向に一方的に振れている。継続すれば必要な対応を取る」と述べて市場をけん制。ただ、「必要な対応」が具体的に何を指すのかについては明言を避けた。松野官房長官も「最近の為替市場では急速で一方的な動きが見られ、憂慮している」「高い緊張感を持って注視する」などと述べたが円売りは止まらなかった。

8日
財務相・金融庁・日銀が三者会合を開催すると伝わると、当局の円安けん制への警戒感から円を買い戻す動きが優勢となった。会合後の会見で神田財務官は、円安について「きわめて憂慮している」「継続すればあらゆる措置を排除せず、必要な対応をとる準備がある」などと発言。ただ、円買い介入への距離感はなお遠いとの見方に傾くと円は上げ幅を解消した。

13日
米8月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.1%、前年比+8.3%と予想(-0.1%、+8.1%)を上回った。食品とエネルギーを除いたコア指数も前月比+0.6%、前年比+6.3%と予想(+0.3%、+6.1%)を上回る伸びとなった。これを受けて9月FOMCでの利上げ幅が100bpになるとの観測が一部に浮上するとドルは急反発した。

14日
日銀が金融機関に相場水準を確認する「レートチェック」を実施したと報じられたことを受けて、政府・日銀がドル売り・円買い介入を行うのではないかとの警戒感が広がり円を買い戻す動きが強まった。

21日
FOMCは3会合連続で政策金利を75bp引き上げて3.00-3.25%とした。声明では「継続的な利上げが適切になると予想する」とした上で「インフレ率を2%の目標に戻すことに強く取り組む」と表明。同時に公表した政策金利見通し(ドットチャート)では2022年末の予想政策金利を4.4%、23年末を4.6%とし、前回6月の見通し(22年末3.4%、23年末3.8%)から大幅に引き上げた。一方、経済見通しでは成長率と失業率の予想を下方修正した。

22日
日銀は予想通りに政策金利を-0.10%に据置き、大規模緩和の継続を決定。これを受けて円売りが強まると、神田財務官は「必要な時は必ず介入することになる」「適切な対応は、ずっとスタンバイの状況」などと述べて市場をけん制。

黒田日銀総裁が会見で「当面は金利を引き上げない」「フォワードガイダンスについても当面は修正の必要がない」「当面とは数カ月ではなく2、3年の話だ」などと発言すると再び円売りが強まり145.91円前後まで続伸した。その後、突然円買いが強まると、数分間で142円台へと急落。財務官がドル売り・円買い介入を行ったことを明らかにすると、一時140.30円台まで下げ幅を拡大した。

9月の各市場

9月のドル/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
  • ※ 外為どっとコムのFX口座「外貨ネクストネオ」でお取引をされているお客様のポジション保持情報の比率を表しています。
  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

10月の日・米注目イベント

ドル/円 10月の見通し

9月の為替市場では円相場に関する2つの大きなサプライズがあった。まずひとつめは日銀の黒田総裁が金融緩和を続ける期間について「2、3年」と発言したことだ。22日の金融政策決定会合後の会見で「当面は金利を引き上げない」「フォワードガイダンスについても当面は修正の必要がない」「当面とは数カ月ではなく2、3年の話だ」などと発言。黒田総裁の任期が切れる来年4月以降に、新総裁の下で日銀は緩和修正を迫られるとの見方が少なくなかっただけに、「2、3年は利上げしない」とも解釈できる発言をしたことは、市場に驚きを持って受け止められた。

ふたつめは、同じ22日に財務省が実施した円買い介入だ。30日に発表された外国為替平衡操作の実施状況によれば介入額はおよそ2.8兆円で約200億ドルを売却したことになる。ここもとの円安は日銀の金融緩和が招いたものであり、日銀が金融緩和続ける中で円買い介入を行っても効果は望めないことから実施は困難との見方が多かった。それだけに、サプライズ度合いは大きかったと言えるだろう。ドル/円は、黒田日銀総裁の発言を受けて145.91円前後まで上昇していたが、本邦当局の円買い介入で140円台まで反落。その後、月末にかけて144円台後半に値を戻したが、再び145円台には乗せることなく取引を終えた。

為替介入は「単独」では効果が薄く、他国との「協調」がなければ相場のトレンドを変えられないというのが通説だ。今回の本邦当局による円買い介入についても、一時的にドル/円の上昇ピッチを鈍らせただけと見るのが妥当だろう。日銀の金融緩和維持と米連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な金融引き締めという対照的なテーマが不変である以上、ドル/円の上昇トレンドも不変と考えられる。目先的には円買い介入への警戒感で145.00円前後のもみ合いになりやすいが、早晩1998年高値の147.66円前後に向けた上昇が再開すると見る。
(予想レンジ:140.000~148.000円)

kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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