総括
FX「9会合連続利上げ、年初来20.14%高で今年最強通貨維持。FRB次第」メキシコペソ見通し
予想レンジ 6.4-6.9
(ポイント)
*政策金利は9会合連続利上げで7.75%(0.75%引き上げ)
*今週は一時米ドルに通貨最強を明け渡したが奪還
*消費者物価は上昇続く
*8月も利上げ観測あり
*FRBの動向も大きく影響
*米CRB低下には気をつけたい
*4月小売売上や鉱工業生産は堅調
*自動車生産が回復している
*郷里送金は4月で24か月連続増加
*ムーディーズが22年の成長見通しを上方修正した
*知事選挙では与党が6州のうち4州を制した
*大統領の支持率は高い
*フィッチは「BBB-」「見通し安定的」の格付けを維持
*電力国有化法案は否決
*リチウム国有化法案は可決
(通貨首位の地位を奪還)
ペソ円は年初来20.14%高。先週は日本政府が円安懸念の声明を出したことで円売りのペースも落ちてペソ円は下落し一時、通貨最強の地位を米ドルに明け渡したが、日銀が金融緩和政策の維持を強調したため、ペソ円は再度上昇し、通貨首位の地位を奪還した。
(政策金利、0.75%利上げ。 追加利上げ観測あり)
中銀は政策金利を075%引き上げて7.75%とした。またインフレ抑制のため、必要なら追加利上げを行うとも述べた。利上げは9会合連続。前回まで4会合連続で0.5%の利上げを進めてきたが、利上げ幅を広げた。今回の利上げ幅は、中銀が現体制となった2008年以来で最大となった。5人の政策委員が全会一致で賛成した。
中銀は声明で「次の政策決定については、政策委員会は政策金利の引き上げを継続する意向であり、必要なら同様の強硬策を取ることを検討する」と述べた。 また「FRBが将来の利上げを予告しており、他国でも利上げを続ける中銀が増えている」と説明した。
22年通年のインフレ率の見通し(中央値)は6.81%と前回から上方修正した。中銀は23日、インフレ率が目標上限である4%を下回る時期は23年7~9月期になるという見方を示した。5月時点では23年4~6月期にインフレ率が3.5%まで下がるという見通しを示していた。
(6月前半消費者物価、上昇続く)
6月前半消費者物価 前年比7.88% 前月7.58%
コア 前年比7.47% 前月7.24%
政府が打ち出した物価対策は今のところ有効に作用しておらずエネルギー価格上昇ペースを若干緩めた程度にすぎず、物価圧力を根本的に打ち消す方法がない以上、年内に物価の前年比上昇率は8%に達する可能性が十分にあるとの見方がある。
(4月小売売上まずまず)
前月比0.4% 前月0.4%、前年比4.6% 前月3.8%
(USMCAのルール)
メキシコ政府はアボカドとベリー類の生産に日雇い労働者を使うことを禁止する方針を示した。国内の生産者などに「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の規定順守を徹底させる狙いがある。アルカルデ労働社会保障相が、アボカド・メキシコ生産の特定の作業で下請け労働者を使うことを禁じる指針を出すと述べた。具体的には収穫作業が対象となる見通し。メキシコ産のアボカドとベリー類は年間数十億ドル相当が米国に輸出されている。
テクニカル分析
ボリバン2σ下限から反発も円高で一服
日足、ボリバン下限から反発し再び年初来高値更新へ向かったが今週はここまで叶わず。6月21日-23日の上昇ラインがサポート。6月22日-23日の下降ラインが上値抵抗。5日線20日線上向き。
週足、6月6日週の長い上ヒゲで13日週は下落するも最後は長い下ヒゲで打ち返す。今週はそれで上昇。5月9日週-6月13日週の上昇ラインがサポート。6月6日週-13日週の下降ラインを上抜く。ボリバン上位。
月足、4か月連続陽線、6月もついに陽転。雲の上。4月-5月の上昇ラインがサポート。
年足、2021年は陽転。20年-21年の下降ラインが上値抵抗だが上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。
VAMOS MEXICO
ロペスオブラドール大統領の男気、米国との関係悪化は今のところなし
ロペスオブラドール大統領は「ウィキリークス」の創設者アサンジが釈放されれば、メキシコは彼に亡命を提供する用意があると発言した。英国は今月17日、投獄されたアサンジを米国に引き渡すと発表した。アサンジは米国でスパイ容疑に直面しており、有罪判決を受けた場合、最大175年の懲役が科せられる。大統領は時々このようなことをする。一つの男気か。米国が主導する米州会議でも、米国が民主主義ではないとされた南米の国を招待しなかったことで、大統領はその会議を欠席した。そういうところに人気があるかもしれない。
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