動画配信期間:2022/6/16~
元邦銀チーフアナリストで現在は大学の准教授に就任し、金融・国際経済を専門とする内田稔氏が初登壇。 外為どっとコム総合研究所の神田調査部長との対談形式で議論を深めます。
市場の注目を集める金融政策の行方や為替相場に与えるインパクトをマーケット識者の二人が徹底予測。
(23:40頃から)
先日発表された米インフレ指標が約40年ぶり高水準となったことからも、今の相場は40年くらいのスパンで考える必要があるとみています。
40年前は第2次石油危機がありました。現在は第3次とも言えます。当時、アメリカではスタグフレーションでドル高に苦しんでいました。インフレをもたらす原油価格について、ロシアのウクライナへの侵攻長期化の見通しなどから、騰勢を維持すると見ます。
(32:18頃から)
各国の中央銀行の引き締めは景気にブレーキとなる一方、供給制約から派生しているインフレ抑制には効果がないため、景気減速とインフレが共存する「スタグフレーション」のリスクが高まっています。その兆候はすでに出ており、世界全体のPMI指数が好不況の分岐点である50に向けて徐々に低下していることや、米国でインフレが高進する一方で消費者マインドが過去最低となっていることが挙げられます。こうした中でも米FRBはインフレ抑制姿勢を強めたことで、スタグフレーションリスクが高まっていると言えます。
(36:38頃から)
ドル/円相場の展望について、海外中銀と日銀の政策の違いが意識されやすいこと、資源価格が高止まりしていること、日銀の円安容認姿勢などから円安になりやすいと見ます。米国での40年ぶりのインフレを考慮すると、140円程度は見ておく必要があります。
過去の例を見ますと、年間値幅で現在は18%、仮に20%とすると140円程度になります。もし第2次石油危機の都市の変動幅を当てはめると、148円となります。
(40:54頃から)
そうはいってもいつまでも円安が続くわけではありませんので、円安の収束が期待されるシナリオとして、2つ挙げたいと思います。一つはインフレの鎮静化であり、世界的な金融引き締めが一服してドル/円が120円程度まで反落余地が生まれると見ますが、一方で市場の緊張緩和が新たなあ円売りを誘う恐れもあります。もう一つは、日銀の政策転換です。日銀の金融正常化で金利拡大と円安に一定の歯止めが期待できますが、本邦の景況感に照らして円金利の上昇余地は限られる点に留意が必要です。
(45:30頃から)
ドル/円とユーロ/ドル、ユーロ/円の年末予測です。ドル/円相場について、資源価格が小反落して円安が収束するシナリオの場合は125円、円じり安の場合は140円、インフレが止まらない円安加速の場合は145円も不思議ではありません。
内田 稔(うちだ・みのり)氏
高千穂大学商学部准教授。慶應義塾大学卒業後、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。マーケット業務を歴任し、2012年から2022年まで外国為替のチーフアナリスト。22年4月から現職。J-money誌の東京外国為替市場調査では2013年より9年連続個人ランキング1位。国際公認投資アナリスト、証券アナリストジャーナル編集委員、公益財団法人国際通貨研究所客員研究員、株式会社ALCOLAB為替アナリスト。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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