ポンドのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日のポンド トレードシナリオ
ここまでの相場
・北アイルランド議定書を巡り1月24日にシェフチョビッチEU副委員長とトラス英外相が面談をし、建設的な協議が出来たとのこと。今後も問題解決に向け協議を続けることになっている。
・英2月月次GDP(国内総生産)は+0.1%と前月の+0.8%から減速。次回は5月12日発表予定。
・英2月失業率(ILO方式)は3.8%と前回(3.9%)から改善。賃金上昇率も+4.0%と前回(+3.8%)を上回った。次回は5月17日発表予定。
・英3月消費者物価指数(CPI)は前年比+7.0%(予想同+6.7%)と前回の英2月消費者物価指数(前年比+6.2%)からインフレは更に加速。1992年3月(同+7.1%)以来30年振りの高水準となった。次回は5月18日発表予定。
・英3月小売売上高(除自動車)は前年比-0.6%(前月は同+4.7%)と大幅に減速。次回は5月20日発表予定。
・5月5日にイングランド中銀(BOE)は政策金利を1.00%に0.25%の利上げ。
金融政策委員会(MPC)メンバーの9人中3人は0.50%の利上げ支持。
・5月5日に行われた北アイルランド議会の選挙で、アイルランドとの統一を掲げる「シン・フェイン党」が第一党となった。北アイルランドを巡る新たな火種になる可能性あり。
今日のメインシナリオ
ポンド/円、英中銀の利上げにもかかわらず売られやすい
米国の金融引き締め加速懸念による、「世界的な株売り」と「米ドル買い」が入りやすい状況となっている。ポンドに目を移すと5月5日に行われたBOE会合にて、成長見通しを2023年がマイナス0.25%、2024年が0.25%になると下方修正(従来はそれぞれ1.25%、1.00%予想)した。また、ベイリーBOE総裁が「非常に急激な経済成長の減速」と懸念を表したことが「ポンド売り」材料となっている。
これらの影響から5月5日未明の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、ポンド/米ドルはもちろんのこと、ポンド/円も大幅に下落する展開となっている。
本日は英米共に主要な経済指標の発表はないことから、欧米株価動向がポンド相場を主導することとなりそうだが、上記の理由からポンドが買われたとしても短期的なものになりそうだ。
個別の想定シナリオ
■米国の金融引き締め加速への警戒感
⇒世界的に株が売られやすい
⇒米ドルが買われやすい
⇒ポンド/米ドルは下落しやすい
■英国経済減速懸念
⇒ポンドは売られやすい
⇒ポンド/円は下落しやすい
チャート分析
注目材料
中国ロックダウン地域拡大による世界経済減速懸念
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」ではポンド/円は雨、ポンド/米ドルは晴れとなっている。ポンド/円の移動平均で13時に売りサインが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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