総括
FX「急落、かろうじて最強通貨維持。国家非常事態宣言」南アランド見通し
通貨首位、株価7位
予想レンジ 南アランド円 7.9-8.4
（ポイント）
＊急落も最強通貨維持
＊今週は卸売物価 貿易収支の発表がある
＊洪水で「国家的災害事態」宣言
＊計画停電が続いていること、コロナ感染再拡大の気配がある
＊3月CPIは5.9％上昇
＊IMF成長見通し下方修正
＊ゴールドマンサックスやBOA証券がインフレがピークを付けたとした
＊次回金融政策決定会合は5月19日
＊2月小売売上や鉱工業生産は悪化
＊南ア産出の石炭価格が4倍に上昇
＊日本のいすゞが南ア投資拡大
＊失業率は35％と高い
(急落、かろうじて最強通貨維持)
先週の南アランドは対円で4.63％安、対ドルで6.67％下落した。先々週末は対円で年初来19.53％上昇していたが、先週は13.99％に縮小。ただ通貨最強は維持した。
対円月足も長い上ヒゲを残して売り圧力を示している。コメルツ銀行は、ランドが大幅な売り圧力に見舞われており、停電と洪水を巡るリスクが高まっているとの見方を示した。
(不安材料強まる。「国家的災害事態」宣言）
このところ不安材料が出ていたが、先週それによる下落が加速した。いくつかの不安材料は、まずラマポーザ大統領が4月18日、クワズール・ナタール州と東ケープ州を襲った洪水で、「国家的災害事態」宣言を発表し、最新の被害状況と今後の政府の取り組みについて報告した。被害の深刻さを受け、政府レベルで効果的な支援を行うため「州災害」宣言から格上げされた。
その他、計画停電が続いていること、コロナ感染再拡大の気配があること、ゴールドマンサックスやBOA証券がインフレがピークをつけ年末にかけて低下する予想を出したことなどだ。資源価格の上昇で買われてきたランドだが、インフレ低下＝資源価格の下落があれば流れは変わってしまう。先ずは第一段の利食い売りが殺到したのだろう。
（IMF成長見通し下方修正）
IMFは22年の南アの成長率予想を2.2％から1.9％へ下方修正した。
（CPI上昇率、3月は前年比5.9％上昇）
3月の消費者物価指数（CPI）上昇率は前年比5.9％と、前月の5.7％から加速した。
ト予想の6.0％をわずかに下回った。中銀の目標レンジ（3-6％）内に収まった。
前月比では1.0％上昇。前月は0.6％上昇。予想と一致した。
食品・非アルコ－ル飲料・燃料・エネルギーを除くコアインフレ率は前年比3.8％。前月は3.5％だった。前月比では0.8％。前月は0.5％だった。
（今週は）
今週は卸売物価 貿易収支の発表がある。
テクニカル分析（ランド/円）
4日連続陰線。5日線が20日線を下抜く
日足、4日連続陰線でボリバン2σ上限から下限へ下落。3月7日-4月22日の上昇ラインがサポート。4月21日-22日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き、20日線を下抜く。
週足、ボリバン2σ上限に沿って上昇。3月7日週-4月18日週の上昇ラインがサポート。21年12月13日週-22年4月18日週の上昇ラインがサポート。
月足、4月急落中。2σ上限から反落。21年10月-22年2月の下降ラインを上抜く。1月-3月の上昇ラインがサポート。
年足、21年はかろうじて陽線。22年も陽線スタート。18年-21年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。
喜望峰
コロナ感染第5波か
南アでは、Covidの症例が急増し、第5波の可能性が懸念されている。
国立伝染病研究所（NICD）は、4月21日に4,406の新しい症例を報告し、過去24時間に27,875の検査が実施された。これは15.8％の陽性率。
ウイルスの多くの症例が診断されないままになっているため、陽性率は病気がどれだけ急速に広がっているかを示すものと見なされている。
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