総括
FX「独走で最強通貨、インフレは5.7%でそれほど高くはない」南アランド見通し
通貨首位、株価4位
予想レンジ 南アランド円 8.1-8.6
(ポイント)
*政策金利は3対2で0.25%利上げ(反対派は0.5%利上げ)
*ランドが強い遠因は中国、近因はウクライナ危機
*インフレは3-6%のインフレ目標に収まっている
*コロナの規制は緩和される
*ウクライナ問題は西側と一線を画す(中国寄り)
*中国景気指標に左右される南ア経済である
*ウクライナ問題ではNATOを批判、ロシアへの経済制裁にも否定的
*今週の指標=4Q失業率、2月PPI、2月貿易収支、ABSA製造業PMIなど
*年初来最強通貨
*資源高がランドを支える
*南ア株価指数も世界で数少ないプラス市場だ
*為替、株価は快調だが格付けはまだジャンク格付け
*3月30日に大統領と内閣不信任投票がある予定
*貿易・経常黒字が続く
*不安材料は低成長と与党ANCの支持率低下
*来年は1%のVAT引き上げが予想されている
*財政は改善している
*IMF成長見通し下方修正
(最強通貨維持の遠因と近因)
最強通貨維持、対円で年初来16.2%高、対ドルで8.73%高。ただ先週末は6日ぶりに陰線を出した。コロナ感染禍によるサプライチェーン問題に加え、ウクライナ危機で資源価格が急騰し南アランドを押し上げている。ただ南アはそれ以前から貿易黒字、経常黒字を出し続けている。南アの最大輸出先、輸入先が中国となってからだ。中国の資源需要は強い。
(3対2で0.25%利上げ、反対派は0.5%利上げ9
また市場の信頼感を生む金融政策もランドを支えている。南ア中銀は、先週政策金利を予想通り0.25%ポイント引き上げ、4.25%とした。利上げは3対2で決定された。反対した2人の委員は0.5%ポイントの利上げを主張した。昨年11月、今年1月に続き利上げは3会合連続だった。インフレは2月は5.7%で1月と同じ。インフレ目標の3-6%内に収まっている。米国の7.9%より低く新興国としては、物価をよく管理している。
(コロナ規制緩和で経済再生目指す)
ラマポーザ大統領は、新型コロナウイルス感染対策の各種規制を3月23日に緩和した。集会や来場の人数制限緩和に言及し、「今回の変更は特にスポーツ、文化、娯楽、イベント業界に大きな恩恵をもたらす」と指摘した。このほか、屋外でのマスク着用義務も撤廃されるが、公共施設の屋内と公共交通機関内での着用は引き続き義務付けられるという。経済活動は回復してくるだろう。
(ウクライナ問題では西側と一線を画す)
中国との首脳会談があったが、ウクライナ情勢については、主権国家は独自に自らの立場を決定する権利があり、ロシア・ウクライナ双方が和平交渉の勢いを維持し、対話と交渉を通じて紛争を解決することを支持するとの考えで一致した。
(今週の指標)
4Q失業率、2月PPI、2月貿易収支、ABSA製造業PMIなどがある。
テクニカル分析(ランド/円)
6日ぶり陰線
日足、6日ぶり陰線。ボリバン2σ上限で推移。5日線上向き、20日線を上抜く。3月24日-25日の上昇ラインがサポート。
週足、ボリバン3σ上限に達す。3月14日週-21日週の上昇ラインがサポート。
月足、雲の上に上昇、一気にボリバン2σ上限越える。21年10月-22年2月の下降ラインを上抜く。12月-1月の上昇ラインがサポート。
年足、21年はかろうじて陽線。22年も陽線スタート。18年-21年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。
喜望峰
ラマポーザ大統領への不信任案と内閣不信任案の投票
3月30日(水)にラマポーザ大統領への不信任案と内閣不信任案の投票が行われる。
ATM=公約不履行で大統領の不信任
DA=Mthethwaスポーツ芸術文化大臣が警察大臣を務めていた時のマリカナ大虐殺の責任を問うなど案件で内閣不信任
(Mthethwaスポーツ芸術文化大臣という名前は聞いたことがあると思っていましたが
南アが日本でのラグビーワールドカップ優勝の時に横浜でお祝いした方でした)
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