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FX/為替見通し「ウクライナ・金融政策で対円強含みも、対豪ドル・NZドルでは脆弱傾向続く」週刊為替レポート ハロンズ増刊号 ユーロ&ポンド 2022年03月27日

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執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人

目次

▼03月21日週のユーロとポンドは底堅く推移
▼ウクライナ情勢巡る混乱は継続
▼ジョンソン下ろしが吹き始める危険も
▼ユーロ/円、まずは135.000円の節目突破を期待
▼ポンド/円は164.000円目指すか
▼03/28週のイベント
▼一言コメント

執筆日時 2022年03月25日 14時30分

ウクライナ・金融政策で対円では上昇も、対豪ドル・NZドルでは脆弱傾向続く

03月21日週のユーロとポンドは底堅く推移

黒田日銀総裁が足もとの円安はそれほど問題にならない旨の発言を受けた円独歩安が相場をサポートし、ユーロ/円は2018年2月以来の134.739円(執筆時点)、ポンド/円は約6年ぶりの161.500円(執筆時点)までレンジ上限を広げました。直近の上昇スピードが速かった反動から高値圏でもたつく場面もありましたが、順調に下値を切り上げた感じでした。

ウクライナ情勢巡る混乱は継続

ECBは景気見通しに対し強気姿勢を示し、インフレ抑制に注力することをアピールしています。この効果から、一時期強まったユーロ売りは現在、鳴りを潜めています。しかし、主要各国のロシア包囲網が狭まるなかで、欧州経済へのダメージが少なく済むかは疑問です。3月のユーロ圏消費者信頼感指数は速報ベースで-18.8と急速に落ち込む格好となっており、当局が考える以上に今後、経済を圧迫する可能性はあります。対円では円安を背景としたユーロ高の動きが続いていますが、今後、ユーロ圏の需要が停滞しそうな状況下で、上昇基調が続くとするのは少し無理があるようにみえます。
いずれかの時点で、再びユーロに逆風が吹き始めても不思議はなさそうです。来週は消費者物価指数(HICP)が発表されますが、エネルギー価格の上昇やサプライチェーンの混乱を踏まえれば、物価押し上げの圧力は後退しづらいでしょう。この点では、ECBのタカ派姿勢を正当化してユーロを下支えしそうですが、同時に消費者マインドが落ち込むとみられユーロを圧迫しそうです。対円では底堅い動きを示しても、豪ドルなどのオセアニア通貨に対しては弱含むのではないでしょうか。

ジョンソン下ろしが吹き始める危険も

英国の2月消費者物価指数コアは前年比で5.2%と1月の4.4%から大幅上昇し、物価押し上げ圧力は強い状態です。しかもこれはまだ序の口で、原油や天然ガス価格の高騰を反映し、4月から公共料金の大幅引き上げが予定されているため、物価上昇は今後も継続し前年比で8%超に加速する見通しです。こうした背景からイングランド銀行の利上げ観測が直ちに低下するとは考えづらく、ポンドは上目線を維持しそうです。もっとも、ユーロと同様に成長鈍化への不安は残ります。英国予算責任局(OBR)の試算によれば、今年の成長率見通しは昨年10月時の6.0%から3.8%へ低下するとのことです。
物価上昇に経済の停滞が重なれば、国民の不満がジョンソン首相への風当たりを高めるかもしれません。現在は、円安の勢いが勝り通貨ポンドへの下押し圧力は限定的ですが、成長減速に加え政治的な混乱も強まるようならポンド売り圧力が徐々に広がる危険はありそうです。ユーロ・ポンドとも底堅い動きを続けていますが、ウクライナ問題による地政学リスクと言った潜在的な弱さがあるなかで、調整の動きには十分に注意が必要と考えます。

ユーロ/円、まずは135.000円の節目突破を期待

昨年高値の134.126円を突破し、上方向に目立った抵抗帯がありません。もう一段上を目指していきそうな雰囲気です。上値メドとしては、心理的節目の135.000円、136.000円が意識されそうです。下方向は、心理的な節目の132.000円程度がせいぜいではないでしょうか。

【ユーロ/円チャート 日足】

ユーロ

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:EUR/JPY:132.000-136.000

ポンド/円は164.000円目指すか

これまでの年初来高値158.065円を軽々と突破して、161円台へ乗せてきましたところを踏まえると、足取りは軽そうです。次は2016年1月安値の163.980円辺りが意識されるレベルになります。ここを上抜けできれば、170.00円が視界の端に捉えられそうで、先ずは164.000円レベルにどこまで近接できるかがポイントでしょう。下方向は心理的節目の159.500円レベルでサポートされるかどうかが着目されます。ここを割ってきたときは158.500円付近まで調整が深くなるかもしれません。

【ポンド/円チャート 日足】

ポンド

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:GBP/JPY:159.000-164.000

03/28週のイベント:

03/29(火) 15:00 ドイツ 4月 GFK消費者信頼感調査
03/29(火) 15:45 フランス 3月 消費者信頼感指数
03/30(水) 21:00 ドイツ 3月 消費者物価指数(CPI、速報値)
03/31(木) 15:00 イギリス 10-12月期 四半期国内総生産(GDP、改定値)
03/31(木) 16:55 ドイツ 3月 失業率
03/31(木) 18:00 ユーロ 2月 失業率
04/01(金) 17:00 ユーロ 3月 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
04/01(金) 17:30 イギリス 3月 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
04/01(金) 18:00 ユーロ 3月 消費者物価指数(HICP、速報値)

一言コメント:

「まるか食品」といえば、インスタント焼きそばの代名詞とも言える「ペヤング製品」を製造販売する食品会社。そのまるか食品は原材料価格の高騰で値上げが相次ぐ中、コスト削減などでしばらくの間、価格を据え置くことを決めたという。スーパーでの安売りはほとんど見かけないこの商品だからこそできた業と言えなくもないが、物価高騰に値上げが相次ぐなかでの据え置き判断に、企業理念の強さを感じたのは私だけだろうか。

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