総括
FX「急騰、CPI上昇で追加利上げ観測強まる。ペソ円上昇は円安によるもの」メキシコペソ見通し
予想レンジ 5.5-6.0
(ポイント)
*ペソ円は年初来高値更新、2020年2月以来の高値
*来週の政策金利はインフレ懸念で利上げか
*来週は消費者物価、小売売上、経済活動指数の発表もあり
*1月鉱工業生産はまずまず
*ガソリン価格上昇には補助金で支援
*海外は電力再国有化法案に懸念
*株価は年初来2.05%高
*2月消費者物価は7.28%と高い 追加利上げ観測へ
*二人の中銀副総裁の弱気の発言があった
*株価指数は年初来かろうじてプラス圏維持
*メキシコはロシアに経済制裁を課さず(貿易関係はあまりない)
*4Q経常収支は黒字となった
*2021年の郷里送金、516億ドルと過去最高額
*空路での外国人旅行者数、前年比77%増
*成長見通し、大統領5%、IMF2.8%、OECD2.3%、BOA1.5%といろいろ
*21年4Qでリセッションへ
(対円5.785,年初来高値更新、2020年2月以来の高値)
メキシコペソ円が年初来高値更新、2020年2月以来の高値となった。3月に入ってメキシコペソが対ドルで上昇しているのではなく、円安が進んだための上昇となった。
2月消費者物価(CPI)は、上昇率が予想を上回わり潜在インフレ圧力が過去20年超で最高水準となり、中銀の追加利上げ観測が高まったことが円よりペソが買われた原因だ。
(来週は政策金利決定など重要指標あり)
来週の政策金利決定では強いインフレを背景に政策金利を0.25%引き上げて6.25%とする予想が多い。
また3月前半CPIと1月小売売上、1月経済活動指数が発表される盛だくさんの週でもある。
(1月鉱工業生産改善)
また1月鉱工業生産は前年比4.3%増となった。予想は前年比2.4%増、今後は世界的な半導体などの供給不足がどう影響するか注目したい。今年の成長率予想が2%と低いのが不安だ。
(メキシコのガソリン価格はインフレを超えて上昇しないー大統領)
ロペス・オブラドール大統領は、ガソリン価格は、ロシアのウクライナ侵攻によって引き起こされた世界のエネルギー市場の混乱にもかかわらず、インフレを超えて上昇することはないと発言した。政府はガソリン価格に引き続き助成金を支給するとした。ペメックスによってもたらされた「過剰な」石油輸出収入で補助金を支払うと説明した。
(スペイン外相がメキシコの電力市場改革に懸念表明)
スペインのホセ・マヌエル・アルバレス外相はロペスオブラドール大統領が国会に提出した電力再国有化に向けた憲法改正案に対してスペイン政府の懸念を表明した。アルバレス外相はメキシコの法的枠組みを信頼して投資をしてきたスペイン企業に対し、憲法改正案が過去にさかのぼっての悪影響を及ぼし、既存事業の継続性を危うくすることに懸念を表明し、スペイン企業に法的信頼感を与えることを求めた
新たな法規が既にメキシコに投資を行った企業の操業条件を後から変更したり、EUメキシコFTAなど国際協定に反する内容であれば、スペイン政府として強い懸念を抱くと語っている。
テクニカル分析
メキシコペソ円8日連続陽線
日足、ドル円同様、メキシコペソ円も8日連続陽線。ボリバン3σ下限から2σ上限まで急騰。雲の上に。3月15日-16日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線上向き。
週足、ボリバン中位を割り込み一時雲の中に落ちるも反発、ボリバン2σ上限に近づく。21年11月22日週-3月7日週の上昇ラインがサポート。
月足、雲中。ボリバン中位から反発。21年11月-12月の上昇ラインがサポート。20年2月-22年2月の下降ラインを上抜く。
年足、2021年は陽転。20年-21年の下降ラインが上値抵抗だが上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。
VAMOS MEXICO
怖いメキシコの部分
①「ジャーナリスト殺害は今年8人目」
中部ミチョアカン州シタクアロで、ネットメディア「モニトル・ミチョアカン」の編集責任者が自宅前で射殺された。メキシコでのジャーナリスト殺害は今年8人目。地元当局の汚職疑惑を追及していた。
②「市長殺害」
同じく中部ミチョアカン州アギリジャ市で、市役所から帰宅途中の市長が何者かに射殺された。麻薬カルテルの犯行とみられる。 アギリジャ市はメキシコ最大の麻薬カルテルの一つである「ハリスコ・ヌエバ・ヘネラシオン(CJNG)」の首領オセゲラ容疑者の出身地。市ではCJNGの影響力が強まっており、2月から軍が出動して治安回復に乗り出していたという。
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