総括
FX「悪材料多い中で、さらにオミクロンショックで急落。まずは新ワクチン開発待ち」南アランド見通し
通貨11位、株価3位
予想レンジ 南アランド円 6.5-7.5
*速報
「*速報=南ア大統領=オミクロン株については症状は軽度から中等
警戒レベルは1のまま 今後見直すかもしれない
ワクチン接種を義務化する」
(ポイント)
*南アで新しいコロナウィルス「オミクロン」が発見された
*多くの国が南アからの渡航制限を課す
*オミクロン対応のワクチンの開発に入った
*3Q・GDPはマイナス成長予想
*与党ANCが統一地方選挙で支持率が50%を割った
*計画停電が続く
*政策金利は0.25%引き上げ3.75%へ
*成長率見通しは21年が5.2%、22年が1.7%と弱い
*消費者物価、10月は前年比5%上昇
*格付け見直しが行われる予定
*中期予算政策声明は好感された
*中国景気指標に左右される南ア経済
(悪材料で弱含みしていたところへオミクロンで追い打ち急落)
先週はトルコほどではないが急落、弱い円にも抜かれ通貨番付は11位へ落ちた。一番の理由は、世界的な関心となった新しい変異株「オミクロン」のショック」だ。世界の多数の国が南アからの渡航制限を決めた。過去の新型コロナウィルスの経験から規制も早かったが、それは南アの経済活動を停滞させる。既存のワクチンの効果は不明だが、製薬会社は変異株の分析とワクチン開発を急いでいる。新ワクチン出庫に100日くらいかかるようだ。
夏までは最強通貨だったランドは「オミクロンショック」前に弱含んでいた。貿易を依存する中国経済の減速、南ア産出の資源価格の下落、ズマ前大統領逮捕による破壊的な暴動、3Q・GDPはマイナス成長予想、与党ANCが統一地方選挙で支持率が50%を割ったこと、計画停電が続くなどだ。インフレは高止まりしているために政策金利は引き上げられたが、「緩やかに引き上げる」というハト派的なものに留まった。成長率見通しは21年が5.2%、22年が1.7%と弱い見通しとなった。
日足では日足、週足がボリンジャーバンド3σ下限まで達したことで行き過ぎ感があるが、待たれるのは新ワクチンの開発だ。それが実現して、他の悪材料に取り組むこととなる
(オミクロン対応ワクチン現況)
新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の出現でワクチン開発会社もいちはやく対応に乗り出している。
オミクロン株が既存のワクチンで形成された免疫力を無力化する可能性まで提起され、ワクチン開発会社は変異株の分析とワクチン開発を急いでいる。オミクロン株が既存の変異株より強い感染力を持つ可能性は既定事実のように通じている。
モデルナは、新たな新型コロナウイルス懸念変異株である「オミクロン」に対応するブースター接種の開発を始めたと明らかにした。
ファイザーとワクチンを共同開発したビオンテックも「必要な場合、新たな変異株に合わせた新しいワクチンを100日以内に出庫できる。ワクチンの免疫力を回避する変異株なのか、われわれのワクチンの修正も必要なのかなどのデータは2週間以内に研究を通じて得ることができるだろう」とした。
米製薬会社のノババックスは、オミクロン株を狙ったワクチン開発に着手したとし「われわれは最新変異株と新型コロナウイルスの持続的な進化に対応するため努力を続けるだろう」と話した。
米製薬会社ジョンソン・エンド・ジョンソンも声明でスパイク蛋白質変異を持つオミクロン株を綿密に観察しているとし、オミクロン株に対するワクチンの効果をすでにテストしていると話した。
(南アフリカ、渡航制限「不当と主張)
南アなどで新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が確認され各国政府がアフリカ南部諸国からの渡航制限を決めたことに関し、南アのパーヒュラ保健相は「不当だ」と批判した。
パーヒュラ氏は、オミクロン株の研究は少数の遺伝子解析に基づく「初期の段階」と説明。実際に感染力や免疫回避能力が強いかどうかは現段階では「示されていない」と述べ、各国の対応は時期尚早との認識を示した。
(南ア与党のANC、主要自治体で野党に転落の可能性)
11月1日に行われた統一地方選で、国政与党のアフリカ民族会議(ANC)が惨敗した。ANCは自治体運営で競合政党との連立協定を結べておらず、このままいくと主要都市では野党に転落する可能性もある。
焦点は、南ア経済をけん引する金融の中心地でもあるヨハネスブルクと港湾都市ダーバンで、ANCが政治的権力を維持できるかどうかだ。約250の地方議会のうち、どの政党も過半数を獲得できなかった66の自治体では、政党が連携を組んで首長を選出できなければ再選挙が行われる。
(今週の注目)
3Qの失業率、10月貿易収支、11月アブサ製造業PMI、11月マークイット製造業PMIの発表がある。もちろんオミクロン発症前の指標だ
テクニカル分析(ランド/円)
年足陰転。日足、週足はボリバン3σ下限へ
日足、ボリバン3σ下限へ。雲の下。11月25日の長い上ヒゲが効いて26日は大陰線。11月25日-26日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足、3週連続陰線。雲の下へ。ボリバン3σ下限へ。1月11日週-11月22日週の上昇ラインがサポート。11月15日週-22日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、11月は陰転。雲の下。20年8月-10月の上昇ラインを下抜く。20年4月-5月の上昇ラインがサポート。21年6月-10月の下降ラインが上値抵抗。10月の上ヒゲ長いことが11月の下落に影響。
年足、18年-20年の下降ラインを上抜くが下抜き返す。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。今月陰転。
喜望峰
アフリカへの投資、中国意識したものではない=米国務長官
ブリンケン米国務長官は、アフリカのインフラ整備に対する米国の関与は中国を意識したものではなく、各国が多額の負債を抱えることなくインフラ水準を向上させることを目的としていると述べた。
ブリンケン氏は中国が影響力を増しているアフリカ大陸のインフラ投資を巡る米中間の競争について質問された際に「インフラ投資に関しては、中国や他国などの問題ではない。こうした投資でトップを競うという考えでありたい」と述べた。
中国のアフリカへの投資は基本的には良いことだが、各国が「返済できないほどの莫大な負債」を抱えるようなことになってなならないとし、労働者の権利や環境保護、汚職などの問題にも対処すべきだと説明した。
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