“株価の騰勢が止まらない。”

f:id:okinawa-support:20190819165949j:plain

 

FOMC.が終了し、11月からのテーパリング(FRB.による資産購入の減額。)開始が確認されて金利上昇懸念による株価調整が行われると思いきや、ニューヨーク株式市場の3指数は連日上昇を続け、ナスダックは10日、S&P.は7日連続して最高値を付け、ダウも木曜日こそ多少の下げを演じたが、週を終えてみると3指数共史上最高値を更新して引けた。

金利上昇は株価にとってネガティブであろうと本能的に身構えたが、よく考えてみたらパウエルFRB.議長が再三繰り返すようにテーパリングそのものは利上げとは関係ない。

先週のFOMC.において、現在は月額1200億ドル(米国債800億ドル、住宅ローン担保証券400億ドル)のペースで進めている資産購入について、11月から毎月150億ドルずつ(米国債100億ドル、住宅ローン担保証券50億ドル)減額する方針を示したが、減額は減額であって12月からも残りの米国債700億ドル、住宅ローン担保証券350億ドル分の資産購入は続く。

言い換えれば12月からも7ヶ月間資産購入=金融緩和は続く訳で、順調にいけば2022年6月に終了するテーパリングの後に実際FRB.が利上げに動くかどうかを見極める必要があるのだ。

塾長もそこら辺を誤解していてテーパリング開始=金融緩和政策の終了と短絡的に考えていたきらいがある。

株価が上昇するとリスク・オンとなり安全資産である債券は売られる傾向にあるが、今回はFOMC.での声明をどちらかと言うとハト派的(金融緩和に積極的)と見た債券市場は買いに入り、10年物債券利回りは水曜日の1.603%から1.454%まで下落してドル・円相場も114円台から安値113.31まで下げる結果となった。

鈴木財務大臣が"為替は安定することが重要と認識。水準へのコメントは避ける。円安進行しているが財務相としての発言が影響してはいけない。"と発言したが、海外の一部は又してもこれを我が国政府による円安けん制発言とみて、利食いのドル売りに走ったこともドル・円の下げを助長した。
以前にも述べたが、政府は現在の114円近辺の水準は特段円安過ぎるとは思ってはおらず、急ピッチで125円近辺まで上昇する様な事態が起きない限り、こう言った発言を気にする必要はあるまい。

金曜日に発表された10月の米国雇用統計で失業率が前月の4.7%から4.6%へ好転し、非農業部門雇用者数も市場予想値の+45万人よりも多い+53万1千人となり、また9月の数字も+19万4千人から+31万2千人上方修正となってドル・円相場は一時114円の大台を超える場面も有ったが、米長期金利低下に頭を抑えられた。

金曜日、米国雇用統計発表後にサポート・レベル(下値支持線)と見られていた113.60を下切ってドルの下落が加速するかと思われたが、今日の東京市場では再びそのサポート・レベルまで水準を戻している。

11月のFOMC.をこなして大きな波乱も無く、暫くは113.00~115.00のレンジを意識していれば良かろうか?

シカゴ・IMM.の投機筋は相変わらずドルに強気で、先週もわずかながら円の売り持ち(ドルの買い持ち)を増やしているが、我が国個人投資家は逆にこちらもわずかながらではあるが、再びドルの売り持ちに転じた。
彼らは、矢張り114円台は頭が重いと感じている模様である。


今週のテクニカル分析の見立ては、より下サイドに注意。
終値ベースで次のサポート・レベルである113.30を下切れば112円台ミドルまでの下げも有り、逆に114.20を上切れば115円近くまでの上昇も有る。

top