“レンジは上切れ。”

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とうとう3ヶ月間続いた109円~111円のレンジが上切れた。

前週は中国恒大問題を引き金としたリスク・オフの動きでレンジの下サイドの109円を切るかと思われたが、先週は米国10年債利回りが一時1.56%まで上昇すると111円のレジスタンス(上値抵抗線)をあっさりと破り、高値112.07を示現した。

ドル・円が高値の112.07を付けたのは9月30日の月末で、ドル金利上昇によるドル買いと言うよりも月末のリバランス(米株下落による通貨調整)による巨額のドル買いが起きたと思われ、ドルはその他の主要通貨に対しても上昇した。

リバランスが終了し、又10年債利回りが1.46%まで下落したことによりドル・円相場は再び111円台割れまで下落したがどうやら今度は110円~112円の新しいレンジに入った感が有る。

FRB.によるテーパリング開始期待、原油・天然ガス価格上昇による輸入額の増大、我が国自動車メーカーの大幅な生産縮小による輸出額の減少など、ドルの更なる上昇を期待させる材料が多いが、同時に依然として燻る中国恒大問題(先程、中国恒大と傘下の不動産管理部門、香港市場で取引停止。との報道が流れ、先週金曜日のニューヨーク株式市場での3指数の上昇を受けて一時275円高となっていた日経平均は約274円安の28,497円で朝の取引を終えた。)やアメリカの債務上限問題などのリスク・オフによるドル安問題も横たわる。

今週は、どうやら時限爆弾(何時ドルが下に破裂するか分からない。)を抱えてドルの上昇を期待すると言う週になろうか?

逆張り(ドルが上昇すると売り向かう。)が得意な我が国個人投資家は、ドルの上昇に伴って保有していたドルの買い持ちポジションを解消して28日(火)現在で殆どゼロのポジションとなった。

過去の動きを見ると一旦はゼロになったポジションは割合早い時期にドルの買い持ちに転じており、相場が落ち着くにつれて個人投資家はドル買い意欲を見せると思われる。

逆に順張り(ドルが上昇すると追っ掛けて買う。)が得意なシカゴ・IMM.は同じく28日(火)現在で円の売り持ち(ドルの買い持ち)を増やし、ネットで6万4千760枚の円の売り持ち(ドル換算で72億6千万ドルの買い持ち)を保有しており、彼らのドルに対する強気な考えは変わっていないと思われる。

テクニカル分析の見立ては買い続行で、先々週までの第一弾のレジスタンスであった110.40を下切れば再び109円台まで下落と見る。

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