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トルコリラ天国と地獄、今週はGDP、CPI、貿易収支、製造業PMIに注目

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総括

トルコリラ天国と地獄、今週はGDP、CPI、貿易収支、製造業PMIに注目

通貨最下位、株価15位
予想レンジ トルコリラ/円 12.5-13.5

(ポイント)
*今週の焦点は9月1日の2Q・GDP、予想は前年比20%成長
*今週はCPIの発表もあり
*今年は月別に見れば最強が3回、最弱が3回と乱高下している。
*最近の経済指標は絶好調
*経済外交を積極的に進めている
*アフガニスタンのカブール空港の運営を担うようだ
*韓国と通貨スワップ協定締結
*外貨準備高が回復して400億ドル台から600億ドル台となった
*トルコ中銀が年末のインフレ見通しを12.2%から14.1%に引き上げた。
*コロナ感染者は増加
*大統領支持率低下
*通貨スワップ協定の締結に向けて4カ国と交渉
*政府の21年成長予想は7%から8%へ上方修正

(今年のトルコリラは天国と地獄あり)
トルコリラの月別成績=1月首位、2月10位、3月最下位、4月最下位、5月最下位、6月7位、7月首位、8月はここまで首位。

今年のトルコリラは、先週末で年初来、12通貨中最下位となっている。例年通り弱い。ただ月別で見ると1月、7月、と今月はあと1日を残してここまで最強通貨となっている。ただ3月、4月、5月は最弱通貨となっている。月間で最強3回、最弱3回とボラティリティの高い推移となっている。年初来でいえば2月下旬までは実は最強通貨であった。それが最弱に転落したのはエルドアン大統領が3月に金融引き締めを実施していたアーバル中銀総裁を電撃解任したからだ。解任でトルコリラは15円から12円へ下落した。大統領は金融緩和を求めていた。ただこれで市場からの信頼を失いリラ安となりさらにインフレが高まり、政策金利も解任された総裁の時よりも2%も高くなっている。新たな中銀総裁も金融引き締めを続けざるを得なくなり、漸く7月からリラは上昇に転じ、7月は最強通貨、8月も最強となりそうだ。

(注目の2Q・GDP)
注目の2Q・GDPが発表される。前年比成長率の予想は21.7%と、大幅に伸びる見通しだ。前期比では3.6%増の予想。新型コロナウイルス感染対策として各種規制が導入され、経済活動が急激に落ち込んだ前年の反動が主な理由。予想通りなら、今年全体の成長率は7.95%まで高まるとみられる。2020年は1.8%成長とパンデミックの打撃を受けながら通年のマイナス成長を回避した数少ない国の1つになった。トルコ政府の正式な今年の成長率見通しは5.8%だが、エルバン財務相は2Qの経済動向が堅調なら8%を超える可能性があるとの見方を示している。

(最近の指標と今週の指標)
8月17日号で掲載したように最近のトルコの多くの指標は改善している。6月の鉱工業生産、小売売上、失業率、経常収支、輸出、外貨準備などだ。
 今週の8月経済信頼感指数も100.8と7月の100.1を上回った。
今週は貿易収支、製造業PMI、CPI、PPIも発表される重要週だ。

(経済外交)
 トルコはこのところは経済外交にも積極的だ。通貨スワップ協定を強化し、外貨準備を最悪時の400億ドル台から600億ドル台へ増加させた。日米韓との貿易交渉を進め、トルコへの直接投資を増加させる環境を整備している。
 市場は最近の経済指標の好調さや積極的経済外交を評価して今月のトルコリラは最強通貨となっている。懸念があるとすれば、テクニカルで日足がボリンジャーバンドの上限にあるとので調整売りが出ることだろう。

(対日EPAで投資5割増も)
 トルコ大統領府投資局のダールオール総裁は、詰めの交渉に入っている日本との経済連携協定(EPA)について「実現すれば5年ほどで少なくとも5割超の直接投資の増加をもたらす」との見方を示した。規制や関税の急な変更に影響されにくくなり、従来の大企業から中小企業にもトルコ投資が広がることに期待を表明した。
 投資局によると、トルコには2020年時点で約250社の日系企業が進出し、03~20年の累計投資額は45億ドルだった。
 ダールオール氏は「トルコでは現地勢や欧州系が市場シェアで優位にあり、M&A)は日本企業などにとって合理的な戦略だ」と歓迎した。慢性的な通貨リラ安もM&Aの追い風になっているもようだ。

(カブール空港の運営をトルコが担うか)
 トルコはNATO=北大西洋条約機構の一員として2002年からアフガニスタンに軍の部隊を駐留させていて、6年前からはカブールの空港の軍用部分の運営の一部を担ってきた。そして、アフガニスタンの政権が崩壊する前から、来月以降、トルコが単独で空港の警備などにあたることに意欲を見せていた。タリバンには空港を運営する人材が不足しており、タリバン側から空港の運営への協力要請があったことをトルコが明らかにし、軍が関わらない形で支援できるか検討している。

(トルコ観光回復)
今年1-7月のトルコへの海外からの観光者数は1088万人となり前年同期から85.44%の増加となった。2020年の同期はコロナ禍の影響で19年同期比78%減少していたが、完全に回復し始めた。

テクニカル分析(トルコリラ/円)

ボリバン2σ上限で伸び悩む 昨日は上ヒゲ長し

日足、ボリバン2σ上限あたりで推移するも上抜けない。8月27日-30日の上昇ラインがサポート。8月30日は上ヒゲが長い。雲の上。5日線上向き。
 週足、3週連続陽線、今週も陽線となるか微妙。8月9日週-16日週の上昇ラインがサポート。6月14日週-8月23日週の下降ラインが上値抵抗。ボリバン中位越え、上限に近づく。雲の下。
月足、7月は6か月ぶりに陽線。今月も陽線となるか。6月-7月の上昇ラインがサポート。2月-3月の下降ラインが上値抵抗。
年足、6年連続陰線。今年は僅かながらも陽線スタートも中銀総裁の電撃解任で陰転。18年-20年の下降ラインが上値抵抗。

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メルハバ

トルコは欧州の難民倉庫ではない

 首都カブールが8月15日にタリバンに制圧されたアフガニスタンに関してエルドアン大統領は、「必要とあらばタリバンが発足させる政府とも会談して共通の議題を話し合う」と述べた。タリバンから逃れて他国に避難しようとしているアフガン人に対しては、「トルコには欧州の難民倉庫になるといった任務や責任や必要性はない」とした。「トルコはもちろん、誰もが好きなように大手を振って出入国でき、好きなように行動できる主なき国ではない」とも警告した。エルドアン大統領は、トルコの法、規則、秩序に従わない人々がカオスを招く姿勢を取ることを決して容認しないと表明した。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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